「良い商品を開発したのに、思うように売上につながらない」「情報を発信しているのに、届けたいターゲットに届かない」。近年、化粧品メーカーの販促担当者の中には、こうした課題を感じている方もいるのではないでしょうか。
近年、化粧品市場では商品の選択肢が広がる一方、スマートフォンやSNSを通じて得られる情報も増加しています。そのため、情報を発信するだけでは、商品の価値が十分に伝わらず、数ある選択肢の中に埋もれてしまいます。
そこで重要になるのが、商品説明・店頭・Webを、それぞれ独立した接点としてではなく、一連の情報体験として設計することです。
今回は、各接点の特性と役割を整理したうえで、連携の考え方や具体的な施策例を紹介します。

「売るため」だけでなく、「出会うため」の情報提供へ

化粧品が欲しいと悩んでいる女性
消費者は今、「あのコスメが欲しい」と思ったとき、スマートフォンを開けばSNSや商品サイトから膨大な情報があふれてきます。一方、化粧品メーカーは、消費者が持つ悩みの解決のために高い技術を用いて真摯に開発に励んでいますが、いざ市場に投入した際には競合商品に埋もれてしまい、本当に届けたいターゲットに、必要な価値が届かないという課題に直面しています。

消費者の悩み
「情報が多すぎて選べない」
「自分に合うものがわからない」
化粧品メーカーの悩み
「良い商品をつくったのに、競合商品の中に埋もれてしまう」
「SNSやWebで情報発信しているものの、本当に届けたい相手に届かない」

双方がこのような悩みを抱える中、化粧品メーカーとしては、これまでの情報コミュニケーションを見直し、工夫する必要があります。
従来は「売るため」に必要な情報を提供してきたとするならば、これからは、必要な人が必要な製品に「出会うため」の情報を提供する方向性へと転換することが求められます。
自社製品に価値を感じてくれるターゲットに見つけてもらい、その価値が正確に伝わることが理想です。
そのためには、ターゲットに対して「どんな情報を、どのタイミングで、どのような形で届けるのか」を綿密に設計してコミュニケーションを取ることが求められます。

商品説明・店頭・Web、それぞれの特性と役割

化粧品を見る女性
では、主な化粧品の情報コミュニケーションの接点となる、「商品説明」「店頭」「Web」それぞれについて、どのように設計していけば良いのでしょうか。
まずは媒体としての特性と情報コミュニケーションにおける役割を整理します。

1.商品説明


媒体:パッケージ、商品ページなど
役割:正確な情報・根拠・ブランドイメージの伝達
特性:検討中と最後にアクセスする購入の決め手となる重要な情報源
パッケージに記載する商品説明などの公式情報は、成分や効果などの正確な情報や科学的根拠、パッケージデザインやロゴなどのブランドイメージの伝達など、大きな役割があります。
この情報は購入を検討している段階で確認するほか、購入直前に疑問を解消し、納得して選ぶための判断材料にもなります。

2.店頭


媒体:POP、接客、サイネージ、テスターなど
役割:実物を見る・触れる・試す・人による接客などの体験価値の提供
特性:購入の引き金になる・衝動買いを生みやすい
店頭における情報は、パッケージに記載の公式情報の他に、店頭でしか得られない店頭POPや掲示物、店員からの口頭情報、デジタルサイネージによる情報が挙げられます。
店舗では製品の実物を実際に目で見て、触って、場合によってはテスターなどで試してみることができ、リアルな体験を提供します。また店員による接客とコミュニケーションは印象に残る体験となります。デジタルサイネージによるダイナミックな動画や画像などのメッセージは、特に大きなインパクトを与えます。

3.Web


媒体:SNS、LP(Web広告含む)など
役割:情報収集・ブランドとの双方向のコミュニケーション
特性:認知と購買意欲を高める・深いブランディング効果がある
Webでは今、SNSや商品の公式サイト、ECサイト、Web広告も含めたLP(ランディングページ)など多様な情報接点があります。広い情報収集の機会となるのはもちろんのこと、SNSなどを通じてブランドとの双方向のコミュニケーションが実現することもあります。
顧客の認知と興味関心を促し、購買意欲を高めることにつながります。またストーリーを伝えやすいため、高いブランディング効果も期待できます。

3つの接点を効果的に連携させる方法

化粧品を選ぶ女性たち商品説明・店頭・Webの3つを連携させることで、さらに情報コミュニケーションの効果を高めることができます。ここでは主な連携方法をご紹介します。

【商品説明×店頭】店頭POPからパッケージの商品説明への誘導


店頭POPで引き付けた後、パッケージの詳細な情報へと誘導します。
店頭POPは、来店客と製品の「出逢い」を創出します。例えば初めて目にするメイクアップコスメのPOPに「トレンドメイクが叶う」と記載されていた場合、興味関心や購入のスイッチとなり得ます。その後、製品パッケージの商品説明や根拠などの情報を読み込むことになるでしょう。

【商品説明×店頭×Web】SNSの世界観から商品説明、店頭POPへ


SNSから公式サイトへ誘導し、店舗に訪れた際には店頭POPで購入を促します。
まずSNSの公式アカウントで店頭陳列の製品や店頭POPの写真や動画を投稿して発信します。それを見たユーザーは、認知し、時に興味関心を寄せます。何らかのきっかけで実際の製品を見て試したい、購入したいという意識が芽生えれば、公式サイトの情報を見る機会も出てきます。購入意欲がわき、実際に売り場へ買いに行き、店頭POPが目印になれば、さらに購入スイッチを押すこともできます。

【店頭×Web】SNS・アプリから店頭へ


SNSや公式アプリでのクーポン提供・キャンペーン実施などを通じて店舗へ誘導し、店頭POPでの誘引や接客コミュニケーションを行います。
SNSや公式アプリでクーポンを配信したり、キャンペーンを実施したりすることで、自然と店頭へと誘導したり、購買意欲を高めたりすることができます。実際に店舗に訪れた消費者に対しては、店頭POPや接客でメリットや根拠を伝えつつ、購買意欲をさらに高めます。

【商品説明×店頭×Web】ブランドメッセージを統一する


商品説明・店頭・Webのすべての情報提供機会において、ブランドメッセージを統一します。
ブランドのロゴや世界観はもちろんのこと、伝えるメッセージやコンセプト、軸となるエビデンスなどの内容とトンマナを合わせることで、消費者に信頼感を持ってもらえます。また統一されたブランドイメージを通じて、ブランドの世界観を刷り込むことができるため、リピート購入にもつながります。

【商品説明×Web】パッケージのコード読み取りで動画視聴へ誘導


商品に印刷した二次元バーコードなどからWeb動画視聴へ誘導し、情報を補填します。
商品購入後にパッケージの二次元バーコードをスマートフォンなどで読み取ることで、Web上の「化粧品使用動画」を視聴できる仕組みにします。パッケージでは伝えきれなかった情報を、動画で補填することができます。

商品説明・店頭・Webの情報を連携させる応用例

オンライン上で化粧品を選ぶ女性
先端技術を用いたり、トレンドの販売手法を取り入れたりする連携手法もあります。ここでは2つの応用例をご紹介します。

【店頭×Web】AIによる顔分析からおすすめ商品のレコメンド


店頭に専用機器を設置し、Webへ誘導する方法です。
例えば店頭の化粧品売り場の一角に、AIによる顔分析の機器を設置しておきます。店舗に訪れた消費者が機器の前に立つと、肌を分析し、その結果をその場で提示します。合わせてその人の肌に最適な商品のレコメンドを表示すれば、購入意欲を高めることができます。
同時に商品詳細をWebサイトで確認できるようにしたり、分析結果をメール送信できる仕組みにしたりすれば、Webとの連携が可能です。

【店頭×Web】店頭でのライブコマース


店頭で店員がSNS上でライブコマースを行う方法です。
SNSや専用アプリを用いて、店舗と生中継のライブ配信をしながら商品をECで購入できるライブコマースを行います。店頭POPや商品パッケージ、使用感などをリアルに映像や口頭で伝達できます。同時にECサイトでの購入にもつなげられます。

まとめ

化粧品の情報コミュニケーションは、ターゲットに対して確実に必要な価値を届ける最適な設計が重要になってきています。
商品説明、店頭、Webそれぞれの役割の特性や違いを踏まえて、単発だけでなく、連携させることで、より高い効果が期待できます。ぜひ連携を考えた販促を検討してみてください。

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