生成AIの台頭により、AIの業務活用が加速するなか、マーケティング業務への活用も増えています。現在、生成AIはどのようなマーケティング業務で活用が進んでいるのでしょうか。国内外の調査結果をもとに探ります。
また、マーケティング業務への生成AI活用によってどのようなメリットが得られているのか、そして今後得られるのかも確認しておきましょう。今後のAIのマーケティング活用の展望と共にご紹介します。
国内外の生成AIのマーケティング活用状況は?活用用途として多いものをご紹介!
まずは生成AIのマーケティング領域への活用状況や活用用途を見ていきましょう。
日本企業のマーケターの生成AI活用用途

アドビが2024年2~5月、日本、米国、英国、フランス、ドイツ、インド、オーストラリアの7カ国における、従業員100人以上の企業のマーケティング担当者2,834人と、消費者8,163人(うち日本の消費者1,000人)を対象に実施した「マーケター/消費者の生成AI活用実態調査(※1)」の結果によれば、生成AIの活用状況について、日本は7カ国中、最も低い54%でした。また日本の内訳は「日常的に活用中(29%)」「実験的に活用中(25%)」となっています。

そして生成AIを活用している日本国内の333名に対して活用用途を尋ねたところ、上から順に「会議の文字起こしや議事録作成(39%)」、「データ分析や消費者のインサイト分析(37%)」、「マーケティングコンテンツ文言作成(35%)」となっており、社内会議のまとめや分析、文章作成に多く利用していることがわかります。
他国では、コピーライティングのアイデア出し、画像生成、SNS用のコンテンツ作成が多く、社内だけでなく顧客向けのコンテンツ制作により多く活用されている傾向があることがわかりました。
特に「ビジュアルアイデアや画像の生成に活用している」かどうかを尋ねた問いについて、日本は27%で、ほかの国の約40~60%と比較して少ない状況でした。

日本企業のマーケ管理職が今後積極的に活用したい生成AI用途
ベクトルデジタルの「キーマケLab」が2024年12月12日~20日、日本国内の事業会社に勤めているマーケティング部の管理職301名を対象に実施した「生成AIに対するマーケターの意識調査(※2)」によれば、AI活用に関して、「積極的に活用している」が18.9%、「やや活用している」が32.9%となり、合計約52%が活用していることがわかりました。
また、「今後3年以内にマーケティング部門で生成AIの活用を特に強化していきたい業務」の最多は「顧客データの分析と予測(47.2%)」、次いで「市場調査・競合分析(39.5%)」「コンテンツマーケティング(ブログ記事などの作成)(28.9%)」となり、データ分析と文章作成が中心となっているようでした。アドビの調査と似通った傾向が見て取れます。

生成AIのその他のマーケティング業務活用用途
生成AIは、ほかにもマーケティング業務への活用用途が多くあります。
例えば、AIチャットボットによる顧客に対するお問い合わせ対応や顧客の声の収集、AIデータ分析結果を用いた販促につながる店舗レイアウトの検討、人流データの分析や時流データを用いた需要予測などを踏まえた効果的なマーケティング施策の立案などが挙げられます。
生成AIのマーケティング活用のメリット
生成AIをマーケティング業務に取り入れる際に、確認しておきたいのが「どのようなメリットが得られるのか」ということです。各調査から、実際にマーケターたちはどのようなメリットを感じているのか、その実態を探ってみました。
カスタマーサービスの質向上・パーソナライズされた顧客体験の提供

アドビの同調査結果では、「今後、生成AIが顧客体験を向上させることのできる可能性のある分野」として、日本国内の989人に尋ねた結果、「より早く、より良いカスタマーサービスの実現(58%)」や、「より高度なパーソナライゼーションや好みに沿った顧客体験の提供(45%)」が多い結果となりました。
これらの結果から、高度な顧客体験を提供するには、生成AIによってコストを抑えながらコンテンツを効率的に生成するのはもちろん、バリエーションを容易に増やせる点もメリットに感じられていることがわかります。
業務量の低減を実現

キーマケLabの同調査結果において、「生成AIの活用によって、あなたの業務量はどのように変化しましたか?」の問いに対しては、「大幅に減った」が4.6%、「やや減った」が42.9%と、合計約47%が業務量低減を実感しているようでした。
業務量が減った具体的な業務は「競合分析レポートの作成」と「顧客データ分析」が同率60.8%でトップに、次いで「クリエイティブ制作(草案含む)」で56.8%となりました。
従来人力に頼っていたレポート作成やデータ分析が大幅に効率化したほか、外注を含むコスト負担の高いクリエイティブ制作に改善が見られたようです。
その他の生成AI活用メリット
その他にも、生成AIがマーケティング業務にもたらすメリットとして、
- ・大量のデータを迅速に分析でき、意思決定を迅速化する
- ・AIチャットボットによるお問い合わせ対応により、人手不足への対応や顧客満足度向上を実現する
- ・需要予測・効果検証の精度向上によりマーケティング施策の成果向上に寄与する
などが挙げられます。
AIのマーケティング活用の今後の展望

生成AIをはじめとしたAIのマーケティング活用について、現状はまだ初期の段階であり、今後さらに企業やマーケターが独自の有効な活用方法を見出していく可能性があります。生成AIのマーケティング活用について、今後の展望を見ていきましょう。
インテントセールスへのAI活用
インテントセールスとは、Webサイトのアクセス解析などから得られるユーザー(見込み顧客)の行動データや検索キーワードなどをもとに、潜在顧客をターゲットとして営業活動を行う手法です。
このインテントセールスのプロセスにおいて見込み顧客が何を求め、どの購買段階(フェーズ)にいるのかをAIに解析させることで、最適なタイミングでのアプローチがわかるようになります。従来の方法と比べて、見込み顧客のフェーズを的確に捉えた、リアルタイムに近い形でのアプローチも可能になることが期待されています。
動画マーケティングへのAI活用
動画マーケティングはその効果の高さが注目され、多くの企業が着手していますが、AIを活用することでより一層、効果的な施策となる可能性があります。
ユーザーそれぞれの興味関心に基づき、AIが動画コンテンツを自動生成することで、パーソナライズドされたOne to Oneマーケティングが実現します。例えばサービス契約前の段階で、顧客が抱える課題やリスクに応じて、最適化された動画コンテンツを自動生成し、安心して契約できるような仕組みを整えることも可能です。
AI機能が網羅されたAIシミュレーション基盤が整備される可能性
将来的には、統合的な基盤が構築され、マーケティング業務全般の中心になるかもしれません。AIがコンテンツを生成したり、顧客ニーズを捉えてタイミングの良いときに提案しもらったり、AIペルソナに語りかけて顧客インサイトを探ったりできる、総合的なAIシミュレーション基盤が整備されていく可能性もあるでしょう。
まとめ
生成AIをはじめとしたAIのマーケティング活用の状況や活用用途、メリット、今後の展望をご紹介しました。
今後も、AIのマーケティング活用はさらに進んでいくことでしょう。AI技術の進化発展と共に、企業やマーケター自身が「AIをどのように活用していけるか」を、AIにヒントをもらいながら模索していきたいものです。
※1 調査出典:アドビ株式会社「マーケター/消費者の生成AI活用実態調査」
https://www.adobe.com/jp/news-room/news/202408/20240807_consumer-marketer-survey.html
※2 調査出典:キーマケLab「生成AIに対するマーケターの意識調査」
https://kwmlabo.com/research-release/5261/
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