HintClip編集部が、広告・販促・広報・サステナビリティなどの各分野のプロフェッショナル(専門家)に依頼して、お薦めの書籍を紹介してもらうシリーズ企画です。

第2弾となる今回の「サステナビリティ/SDGs編」では、サステナビリティ主幹部門長の経験を持つ、HintClip編集長の杉山 毅が選んだベストな3冊をご紹介します。

▶題字:書家 小川啓華

推薦理由

「SDGs」という言葉はよく聞きますが、いざSDGsに関わる業務に就くと、そもそもSDGsとは何なのか、なぜ必要なのかなど疑問に思った方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、SDGsについての基礎的な情報を学ぶことができる書籍や、それを踏まえたビジネスへの展開に関する書籍を取り揃えました。
どれもサステナビリティ関連部門の新任担当者や、ビジネスだけではなく生活者としてもSDGsへの関心が高い方にとっての“入門書”となる3冊です。
ぜひ実務にお役立てください。

共同印刷株式会社

ビジネスマーケテイング部 HintClip編集長

杉山 毅

1982年共同印刷株式会社入社。商業印刷部門の企画営業を経て、1987年よりセールスプロモーション部門でクライアントの事業戦略・マーケティング戦略のプランニングから、広告・広報・販促の各種ツール・メディアのクリエイティブ・ディレクションを担当。2008年からコーポレートコミュニケーション部門の部門長として広報、IR・総会、サステナビリティなどを担当。2017年の自社の創立120周年では、CIとコーポレートブランド再構築を含む周年事業を統括管理。2020年4月から現職。

私たちがお役に立てること 環境に配慮したモノづくり TOMOWEL SUSTAINABLE MODELs 企画、納品、回収まで含めた印刷物やPOPなど制作物を通じ「持続可能な開発目標(SDGs)」の達成に取り組むお客さまを支援します。 詳細はこちら

『SDGs(持続可能な開発目標)』
著者:蟹江 憲史
出版社:中公新書

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本書は、SDGs研究の第一人者である蟹江憲史氏による持続可能な開発目標についての解説書です。
SDGsは、2015年に国連加盟国によって採択された17の目標からなる持続可能な開発に関するグローバルな計画であり、本書ではその目標や背景、意義、課題について分かりやすく解説されています。
本書の特徴は、SDGsについて多角的かつ深く掘り下げた内容と、具体的な取り組みや事例を豊富に紹介している点にあります。SDGsの理解に必要な基本的な情報から、現状や課題、国際社会の動向までを詳しく取り上げており、読者がSDGsについて幅広く理解を深めることができるような構成になっています。
また、SDGsの取り組みが、ビジネスや政策にどのような影響を与えるかについても解説しています。持続可能な開発に取り組むことが企業や国家の利益と両立することを示し、実践的な視点からも読者の関心を引きます。
さらに、SDGsに取り組む個人や組織に向けたアドバイスも豊富に掲載されています。例えば、SDGsの17の目標について理解し、自分や周囲の人々にその重要性を伝えること、SDGsに沿った取り組みを自分たちの組織や地域で行うことなど、実践的なヒントが多数紹介されています。
総じて、『SDGs(持続可能な開発目標)』は、SDGsについて初めて学ぶ人から、さらに深く理解したい人まで幅広い読者におすすめできる一冊です。SDGsに取り組む上で必要な情報や知識、考え方を提供してくれるため、サステナビリティ関連の担当者の一助となることでしょう。

『SDGs思考 2030年のその先へ 17の目標を超えて目指す世界』
著者:田瀬 和夫、SDGパートナーズ
出版社:インプレス

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本書は、サステナビリティ経営のコンサルティングを行っているSDGパートナーズ有限会社と、代表取締役CEOである田瀬和夫氏によるSDGsについての独自の考察と提言をまとめた書籍です。本書では、SDGsの現状や課題に加え、その先の持続可能な社会を実現するための新たな視点やアプローチが提示されています。
本書の最大の特徴は「企業がSDGsに取り組む意義」についてさまざまな視点から考察した上で、企業がSDGsに取り組む際のアプローチを6つに分類して提案し、それぞれのメリット・デメリットを解説している点にあります。
また、SDGsを経営に実装するための思考法をわかりやすく図表も交えながら解説しています。その中で著者は、「単純なマッピングで思考停止してしまう企業」と「SDGsを経営の根幹に据えるところまでたどり着いた企業」とでは、SDGsで創出できる付加価値に大きな相違が生まれると主張しています。
さらに、企業が自社の存在意義を整理し、経営理念を実現するためには、「コア・コンピタンス」を見極め、「機会とリスクの分析」、「社内外への発信によるコミュニケーション」などに注力することが重要であると指摘しています。
総じて、『SDGs思考 2030年のその先へ 17の目標を超えて目指す世界』は、SDGsについての理解を深め、持続可能な社会の実現に向けてアクションを起こしたい人や、サステナビリティに業務で携わり、SDGsをビジネス実装するために必要な思考法を知りたい人などにとって、非常に有益な一冊と言えます。
SDGsに関する基礎知識を得た上でステップアップをめざす方は、ぜひ一読してみることをおすすめします。

『しなやかで強い組織のつくりかた21世紀のマネジメントイノベーション』
著者:ピーター・D・ピーターセン
出版社:生産性出版

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本書は、環境・サステナビリティ分野で20年以上に渡って企業コンサルティングやビジネスリーダー育成に携わる、ピーター・D・ピーターセン氏による書籍です。
ピータセン氏は本書で、現代の日本企業の組織的弱点を指摘しつつ、現代のビジネスに求められる、しなやかで強い組織の作り方について実践的かつ緻密なアプローチで解説しています。
具体的には、めまぐるしく変化するビジネス環境において、チームメンバー全員で共通目標の達成をめざすために重要な「心のアンカー(碇)」を設定する「Anchoring(アンカリング)」、外部の圧力や、危機が襲ってくる前に常に学びを重ね、変わり続けられる組織を作るために必要な「Adaptiveness(自己変革力)」、そして社会の潮流を深読みし、自社の戦略、イノベーション、ブランディングに社会・環境課題への真摯な対応を組み込んで行動するための「Alignment(社会性)」という「トリプルA」に着目し、その実現方法について解説しています。
また、ピーターセン氏は「3つのトレード・オン」というキーワードを用いて、「トリプルA」経営の最終目標は、個人が潤うと同時にしなやかで強い組織である「レジリエント・カンパニー」へと進化することであると主張しています。
総じて、『しなやかで強い組織のつくりかた21世紀のマネジメントイノベーション』は、現代のビジネスにおいて必要とされるマネジメントスキルを学ぶことができる書籍であると言えます。また、ピーターセン氏の明快な文章や、具体的な事例を多数紹介するなど、読みやすさにも配慮されている点も魅力的です。
ビジネスリーダーやマネージャーはもちろん、ビジネスに興味のある人や、自分自身のスキルアップをめざす人におすすめの書籍です。

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