統合報告書の発行が大企業を中心に急激に増加。2021年には700社を超え、中堅・中小企業でも発行企業が急増中です。今回は、はじめての統合報告書制作に挑戦する担当者さまのよくある疑問にお答えする全3回企画の第2弾です。


Chapter1.制作現場のよくあるギモン「統合報告書はそもそもなぜ必要なのか?」
・プロジェクト立ち上げ時に社内で巻き起こるそもそも論
・財務情報のみによる企業情報の信頼性への疑義
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Chapter.2.はじめての統合報告書は、「どんな構成で何を伝えるべきなのか?」
・必要なコンテンツとは?「自社ビジョンと経営リスクを伝える」
・持続可能な企業かどうかを示す情報を

Chapter.3.統合報告書の制作を滞りなく行うために「必要な制作体制は?」
・統合報告書プロジェクトを発足し、全部門を巻き込もう
・コーポレートレポートの実績のある制作支援・委託会社は必須
・Webサイトや情報ツールのインテグレーションも同時に考えたい
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Chapter.2.はじめての統合報告書は、「どんな構成で何を伝えるべきなのか?」

必要なコンテンツとは?「自社ビジョンと経営リスクを伝える」

はじめての統合報告書制作に挑戦する企業の方々から、プロジェクト発足後によく聞かれるのが「どのフレームワーク、ガイドラインを活用すればよいのか」「マストな開示項目はどれなのか」といった質問です。IIRC、経産省価値共創ガイダンス、GRI、SASB、FTSE、MSCI…統合報告書のフレームワークや評価機関が非常に多く、これらのすべてに精通するのは困難なので、まずIIRCフレームワークをチェックすることをお勧めします。
IIRC =International Integrated Reporting Council国際統合報告評議会は、2010年 8 月、非財務情報開示を進めてきた団体であるGRIとA4Sが中心となって設立した組織で、その目的は企業のサステナビリティ報告のフレームワークを構築することです。このワーキンググループには日本の公認会計士も参加していました。IIRCフレームワークが提示している内容要素をコンテンツとして整理すると次のようになります。

図2.JPG

持続可能な企業かどうかを示す情報を

さて、これらのコンテンツを通して、企業の何を伝えるべきなのかというと、


[企業が伝えるべきコンテンツ]

  • ●価値創造モデル(会社がどれだけのお金や人材、設備、機材を投入してどのような製品、サービスを生み、どのような価値を生み出しているか)
  • ●企業ビジョン(会社が事業を行うことで、社会のどのように貢献していきたいか)
  • ●マテリアリティ(会社が持続的に成長していくうえで環境、社会、ガバナンス上の重要課題は何か)
  • ●ESGの取り組み(ESGの重要課題に対するリスクを正確に把握し、対処しているか)

ということになります。
 Chapter1.でお伝えしたように、ステークホルダーが開示して欲しいのは、いきなりの不祥事発覚や倒産などがなく、持続可能な企業かどうかが判断できる情報です。地球温暖化で事業が継続できなくならないようにしっかりと活動しているか、社員の働く環境や教育、サプライチェーンの人権などを重要視しているか、あるいは、コーポレートガバナンスに取り組み、会社が公正かつ透明性をもって経営されているかなどが、該当します。

 もちろん、これらの会社全体にまたがる活動や体制を編集して、報告書に示すことは簡単ではありません。しかし、これらをしっかりと行えば、会社の規模や業績だけで評価されずに、自社がESGなどのあらゆる側面から将来性のある良い会社なのだとステークホルダーにアピールすることが可能です。また、社員は統合報告書の制作を通して、自社の全体像を俯瞰することができ、会社の良さや課題を改めてよく知ることができるのです。

Chapter2.のまとめ

はじめての統合報告書は、「どんな構成で何を伝えるべきなのか」
・必要なコンテンツとは?「自社ビジョンと経営リスクを伝える」
→会社が何をめざしているか、重要な経営リスクに備えているか
・持続可能な企業かどうかを示す情報を
→制作を通して、社員も会社の良さや課題を知ることができる

※Chapter.3.統合報告書の制作を滞りなく行うために「必要な体制は?」へ続く
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