販促物を再生循環させるエコなロジとは?  リバースロジスティクス[前編]

サステナビリティを実現する手段として、「消費者から生産者へ」という通常とは逆の物流を実現する「リバースロジスティクス」が注目されています。
これまでは主に返品を対象としていましたが、近年はその用途が広がり、さらに販促物への活用も進みつつあります。
今回はESG/SDGs時代におけるリバースロジスティクスの可能性について、当社で物流ソリューションの企画開発を担当する佐藤英樹・仁瓶拓馬の二人に話を聞きました。

ファシリテーター:HintClip編集長 杉山毅

リバースロジスティクスとは「反対にモノが流れる物流」

杉山:リバースロジスティクスとはどんな考え方なのでしょうか。

佐藤:言葉のとおり、反対にモノが流れる物流を「リバースロジスティクス」と呼んでいます。例えば、通販サイトで購入した製品を届けるのはロジスティクスで、返品扱いになった製品を引き取るのがリバースロジスティクスの一つのカタチです。

杉山:リバースロジスティクスは新しい概念なのですか。

仁瓶:以前からある考え方ですが、サステナビリティの観点から、当社ではこれまで以上に力を入れています。

佐藤:当事業部がロジスティクスへの取り組みを強化しはじめたのは2021年頃。「SDGs」という言葉が一般に浸透し始めた時期と重なります。消費者・エンドユーザーから「資源の回収」を実現できるリバースロジスティクスは、SDGsの観点からもぜひ取り組むべきだと考えました。

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「製品ロジ」と「販促物ロジ」の違い

杉山:少し話は脇道に逸れますが、「製品のロジ」と「販促物のロジ」にはどんな違いがあるのでしょうか。

佐藤:「モノを運ぶ」という点は同じですが、細かなノウハウが違います。例えば倉庫に保管されていた製品に一部加工を施してから出荷する場合、一般的には製品ロジよりも販促物ロジの方が複雑な加工が多く、内容によっては対応できる物流会社が限られます。

仁瓶:「製品在庫と販促物在庫を分けて管理したい」というニーズもあります。販促物には「製品コード」がないので、製品と同じ仕組みでは検品や発送を管理しにくいという問題があります。

佐藤:廃棄の問題もありますね。メーカーが用意した販促物の廃棄は店舗ではなくメーカーが行うべきだという考え方もあり、古くなった販促物やその梱包材はメーカーが回収するケースもあります。

企業がリバースロジスティクスに取り組む3つのメリット

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杉山:それでは改めて、企業がリバースロジスティクスに取り組むメリットを教えてください。

佐藤:三つのメリットがあると考えています。一つ目は「環境性」、3Rの推進です。

杉山:環境省が推進するReduce、Reuse、Recycleのことですね。

仁瓶:また、これによってその企業の「社会性」、つまり社会的価値も向上します。これが二つ目です。

佐藤:さらに、製品を破棄せずに継続利用・再利用することができれば、実質的な製品価値は高まることになります。例えば、新たな製品投入費用の先延ばしや、旧製品の廃棄費用などを抑制できます。これが三つ目、「経済性」のメリットです。

杉山:なるほど、「環境」「社会」「経済」のトリプルボトムですね。
そしてESG経営やSDGsの取り組みがステークホルダーから注目される今の時代ならではのメリットだと思います。資源の効率的・循環的な利用を図りつつ、付加価値の最大化をめざすのは「サーキュラーエコノミー(循環経済)」に通じるものがありますね。

佐藤:そうですね。リバースロジスティクスは、サーキュラーエコノミー実現の「大きな鍵」だと思っています。

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サーキュラーエコノミーにおけるリバースロジスティクスの役割

杉山:サーキュラーエコノミーにおいて、リバースロジスティクスどんな役割を担うのでしょうか。

佐藤:製品や資源の回収率を高めるリバースロジスティクスの仕組みは、サーキュラーエコノミーの「初めの一歩」として有効だと感じています。

仁瓶:現在の大量消費型社会は「作る⇒使う⇒捨てる」といった一直線でつなぐ経済プロセスであることから「リニアエコノミー(線形経済)」とも呼ばれていますが、これを続けていたら、資源はいずれ枯渇します。

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リバースロジスティクス構築の課題は「スキームづくり」

杉山:しかし一般企業が実際にリバースロジスティクスを構築するのは、非常に難しいのではないでしょうか。

佐藤:そうですね。例えば「製品を戻す」場合、企業側の意思や事情で「回収」するのか、購入製品を顧客の都合で「返品」されるのかによって、リバースロジの運営方法は変わってきます。
また、戻ってきた製品をその後どうするのか、その目的に応じたスキームづくりが重要になります。
杉山:「目的に応じたスキーム」とは、具体的にどんなことでしょうか。

佐藤:製品によっては、回収後に手を加え、リファービッシュ(修理再生)して再在庫化・再出荷することも考えられます。ただし、この作業には相応の工数と時間が必要です。

仁瓶:そもそも、多くの製品や販促物はリニアエコノミー的な発想で作られているので回収や再生を前提としていませんから。

リバースロジスティクスの「アウトソーシング」で課題を解決

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杉山:具体的にはどんな解決方法があるのでしょうか。

佐藤:その一つとして考えられるのが、リバースロジスティクスのアウトソーシングです。自社で物流センターを保有している場合でも、消費者から製品や販促物を回収するには事務局の設置、回収品の仕分け、製品チェック、クリーニングやリファービッシュの作業など、スキームがより複雑になります。
また、実際のオペレーションを行える設備などを持つロジスティクスセンターも必要です。したがって当社のような、ノウハウを持つ業者にアウトソーシングしたほうが効率は高まります。

仁瓶:そして共同印刷グループが提供する販促物のリバースロジスティクスサービスなら、これらの課題をワンストップで解決することができます。

>共同印刷グループの「販促物のリバースロジスティクスサービス」に関する詳しい説明と構築事例は、[後編]に掲載いたします。

佐藤 英樹

共同印刷株式会社 プロモーションメディア事業部
販促企画部 企画開発課
シニアディレクター 佐藤 英樹
2004年共同印刷に入社。前職のデザイン制作会社ではカタログ媒体、家電プロダクト、展示会ブースなどのデザインや意匠を担当。入社後は制作部門にて店頭販促物や店頭什器などのディレクション業務に長らく従事したのち、品質保証部を経て、2022年4月からプロモーションメディア事業部販促企画部に在籍。現在は販促物ロジスティクスに関連する企画提案や業務進行管理などを主に担う。 プロモーショナル・マーケター。

佐藤 英樹

共同印刷株式会社 情報コミュニケーション事業本部
生産管理部 企画業務課
仁瓶 拓馬
2023年共同印刷株式会社入社。前職でロジスティクス(アッセンブリ、配送・運送、 保管、お問い合わせ事務局など)の営業を担当。入社後はロジスティクス業務の企画設計、進行・品質管理を主に担う。ロジスティクスのエキスパートとして、現場目線での改善提案も幅広く行っている。

HintClip 編集長 杉山 毅

共同印刷株式会社 ビジネスマーケテイング部
HintClip 編集長 杉山 毅
1982年共同印刷株式会社入社。商業印刷部門の企画営業を経て、1987年よりセールスプロモーション部門でクライアントの事業戦略・マーケティング戦略のプランニングから、広告・広報・販促の各種ツール・メディアのクリエイティブ・ディレクションを担当。2008年からコーポレートコミュニケーション部門にて広報、IR・総会、サステナビリティなどを部門長として担当。2017年の自社の創立120周年では、CIとコーポレートブランド再構築を含む周年事業を統括管理。2020年4月から現職。

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https://www.kyodoprinting.co.jp/lp/greenproducts/

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