「店頭販促ツールの作り方」Vol.1クリエイティブ編

店頭販促ツールの企画制作から構造・素材・納品までの基礎知識が学べるコンテンツを3回にわたって連載します。
第1回は「クリエイティブ編」。共同印刷株式会社コミュニケーションデザインセンターSPメディア部の山田朗義が解説します。
お客さまからのご依頼を、当社がどのような考え方や進め方でカタチにしていくのかを「3つの心得」と「4つの鉄則」として、まとめました。お客さまとのコミュニケーションの向上と、より効果の高い店頭販促の実現につながれば幸いです。

■Part 1. クリエイティブの前提としての「3つの心得」

当社はオリエンテーションでお客さまからお聞きした内容をより深く理解するため、以下の3つのポイントを重視しています。

●[心得1]店頭販促の役割を理解する

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本来、認知・態度形成は「広告」、購買行動は「販促」の役割ですが、低関与の商品の場合、認知・態度形成・購買行動までが店内で一気につながることがあります。
そこで、店内でのワンストップな行動を配慮したクリエイティブが必要となります。

●[心得2]三者の関係を理解する

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店頭ツール設置の目的は立場によって大きく異なるため、当社は常に、視点を変えつつ三者のベストバランスを心掛けています。

  1. ① メーカー    ブランド価値の伝達、自社製品の売り上げアップ
  2. ② 流通(店舗)  売り場全体の強調・活性化・価値向上、販売形成
  3. ③ 消費者 「気付く・手にする・試す・選ぶ」といった顧客体験の一部、購買形成

●[心得3]「ブランド価値」と「売り場価値」を理解する

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当社ではさらに、2つの価値を伝えることを心にとめて、店頭ツールのクリエイティブに取り組んでいます。

  1. ① ブランド価値 消費者がそのブランドを「買う理由」を正しく、わかりやすく、魅力的に訴求。
  2. ② 売り場価値 「魅力的な売り場」にして売り場の活性化に貢献(買い上げ客数・客単価の向上)。

■Part 2. 制作の手順と4つの鉄則

当社における、店頭ツールの制作メソッドをご紹介します。

●クリエイティブの使命

当社では、店頭ツールのクリエイティブには二つの使命があると考えています。

  • [使命1] ブランド価値の訴求…ブランドをより魅力的に見せ、伝える。
  • [使命2] 売り場課題の解決… 店頭ツールの設置が「売り場の課題」の解決につながる。

課題は、売り場の大きさ、確保できる棚の数、位置、導線、客層など、さまざまな要素から発生します。その解決に貢献できる表現が必要です。

●まずはオリエンテーション

クリエイティブは、オリエンテーションの内容を正確に理解することから始まります。
そして、その内容に当社独自の知見(売り場調査、競合調査、素材・製造加工技術、アイデアなど)を加え、どんな提案を行うかを考えます。

●店頭ツールのクリエイティブ 4つの鉄則

提案の方向性が決まったら、具体的なクリエイティブを開始します。以下は、その際に当社が重視している4つのポイントです。

[鉄則1]形態・構造にこだわる

まず、設置場所・役割・条件などに最適な形態と構造を検討します。

  1. ① 形態  設置場所によっておおむね決まる。
  2. ② 構造  使用目的・使用期間・他ツールとの組み合わせなどによって大きく変わる。

形態・構造を考える際は、以下の項目をチェックします。

  1. ①消費者視点
    ・商品が見やすいか
    ・手に取りやすいか
  2. ②店舗視点
    ・売り場に置きやすいか
    ・組み立てやすいか
    ・ツールの組み合わせは効果的か
    ・強度・重量は適切か
    ・捨てやすいか(材質、分別)

[鉄則2]目立たせる

消費者に商品を認知していただくには、店頭で目立たせる必要があります。当社では、5つの手法を用いてこれを実現しています。

〈手法①〉フォルム

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店頭ツールのフォルムにはある程度の「基本形」が存在します。そこで当社では、基本形を守った上で、既存ツールの組み合わせなどによって+αの工夫をすることで、新鮮かつ効果的な店頭ツールを実現しています。

〈手法②〉色使い

色使いで店頭ツールを目立たせます。当社では、競合他社との重複などを避けるために、店頭調査などを行ったうえで、最も目立つ色使いは何かを検討しています。

〈手法③〉グラフィックデザイン

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書体、大きさ、カタチ、レイアウト、演出要素による工夫をするのも効果的です。当社では、他社との差別化のために、店頭調査を行った上で開発しています。

〈手法④〉コピー

言葉で目立たせます。マス広告のコピーを流用する場合もありますが、店頭ツールの場合は、商品の「売り」に直接つながる表現のほうが効果的な場合があります。一瞬でわかる端的なコピー表現が必要です。

〈手法⑤〉仕掛け

光・音・動きなどで目立つ仕掛けにすると、注目度がアップします。ただし、ブランドイメージを損なわないよう注意が必要です。

[鉄則3]納得させる

商品の価値を一瞬で伝え、「買う動機付け」をします。左脳的な情報に加え、右脳的な訴えかけも必要です。当社では以下の3つの要素を工夫して、納得させる店頭ツールを実現しています。

  1. ① コピーワーク    ターゲットの共感を生み、使ってみたいと思わせるフレーズ
  2. ② グラフィックワーク ブランドイメージや世界観の適切な表現
  3. ③ 写真表現      わかりやすさ、質感・シズル感などの表現

[鉄則4]手に取らせる

商品への興味喚起ができても購買につながるとは限らないため、店頭ツールには、商品を手に取らせて「買おう!」と決断させる機能も必要です。

〈手法①〉ベネフィットで

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ベネフィットの訴求を通じて、「今、買うべき理由」を伝えます。直接的な訴求が効果的です。当社ではオリエン内容や市場動向を把握した上で、最適な訴求方法をご提案しています。

〈手法②〉試用で

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化粧品などでよく使われる手法です。テスターの設置などにより、商品を体験できるようにします。試用しやすくなるように、位置・設置方法・並べ方などの工夫が必要です。
例えばテスターを目立たせて手に取りやすい位置に置いたり鏡を付けたりする構造は有効です。
当社では、試用したくなるような「演出」も重視しています。

■まとめ

クリエイティブ編のポイントを整理します。
「3つの心得」とは、店頭ツールのリアルな役割や、三者(メーカー・流通・消費者)の関係を理解して企画すれば、より効果的で売り場に設置してもらえるツールが作れるという考え方です。
さらに当社では、より効果的なツールを作り出すために「4つの鉄則」に基づいた、最適なクリエイティブ・プランをお客さまにご提案しています。

さて、これらの「心得」と「鉄則」は製造面と密接な関係があります。
第2回は「製造編」をお届けする予定です。こちらも併せてお読みください。

山田朗義

共同印刷株式会社
コミュニケーションデザインセンター
SPメディア部 店頭メディア第2課 ディレクター
山田 朗義 (やまだあきよし)
2007年大阪の印刷会社にコピーライターとして入社し、クリエイティブのキャリアをスタート。主に農業機械の紙媒体に携わる。働きながらデザイン専門学校に通い、ディレクターとしてのスキルの領域を拡げる。2012年東京の印刷会社に転職し、家電や化粧品の店頭販促物を手がけるようになる。2014年共同印刷に入社。主にAV・健康家電などの店頭販促物を担当し、クリエイティブディレクションから製造管理までを担う。


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