スーパーとドラッグストアを融合した業態と、徹底した地域密着型の個店経営を軸とし、和歌山県を拠点に、西日本で店舗数を着実に伸ばし続けているエバグリーン廣甚さま。2月21日に代表取締役社長に就任予定の、 常務取締役 米原まき氏に、共同印刷のスマートフォンアプリサービス「CRooM+(クルームプラス)」を使ったコミュニケーションと有効性について、同社が手がける大池カフェ「ST.ZEPHYR(セントゼファー)」でお伺いしました。(取材日:2020年12月2日)

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地域のお客さまに喜ばれる“サービスの差別化”を徹底したい

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—スーパーエバグリーン、エバグリーンなど、貴社の業態について教えてください。

米原氏:社名の一部である“エバグリーン”は、1996年に地域密着型のドラッグストアとしてスタートした時からのもので、「常緑樹のようにいつまでも若々しさを保ちたい」という会社の思いを込めています。また、“廣甚”は創業者の名前に由来しています。
当社はいつの時代も、地域の皆さまにとって必要とされる業態を目指して、変革を続けてきました。
当社の源流は1885年に廣岡甚之丞が創設した精肉店の「廣岡商店」です。1963年からスーパーマーケットに業態変更した経緯があります。その後もスーパーを母体として、80年代にはボーリング場やホームセンター、90年代にはドラッグストアなど、当時を先駆ける業態にもいち早く挑戦してきました。
なかでもエバグリーン1号店を構えた1996年当時は、ドラッグ業界はまだまだ成長段階でした。その伸び盛りの業態に、もともと持っていた生鮮食品や酒類の販売ノウハウを融合させた店舗を作れば、より力強く競争を勝ち抜いていけると考えました。来店頻度においても、酒類や生鮮食品まであれば、週1回、2回は確実に来店していただけるようになるので、複合店舗の強みになります。けれども、当時はドラッグストアが珍しい時代でしたから、そこにお酒や生鮮食品まで売られているということが、なかなかお客さまには認知されなかったですね。それでも、じわじわと当社の持ち味が受け入れられるようになり、地域密着型の店舗として、ここまで成長することができました。

—和歌山県内の店舗をいくつか拝見しましたが、ポップや商品ラインアップなどが店舗ごとに違っていて、とても驚きました。

米原:当社は、チェーンオペレーションではなく、徹底した個店経営を軸にしています。本部の販促施策はありますが、営業時間、陳列場所や販売方法などは各店舗が采配を振るうのです。そのため店のカラーはそれぞれですし、同じエバグリーンでも、中身が全く違うという店づくりになっています。
40店舗を超えてくると、本来であればチェーンオペレーション型にするべきですが、エバグリーン流としては、“売り場に手をかけて、人に手をかけて”というのが個性だと思っています。産直にこだわるのもそのためです。我々はローカルチェーンですから、“大手と違う何か”といったときに、地場だけの、その地域に密着した売り場づくりが必要になります。差別化も、“お客さまに求められる差別化”でなければ成長につながりませんからね。地域のお客さまの要望を汲み上げられる店づくりこそが、我々の一番の強みだと思っています。

—業績も好調を持続されていますが、コロナ禍ではどのような変化がありましたか。好調な業態なども教えてください。

米原氏:新型コロナウイルスによる人々の消費行動の変化は、数字だけで言えば追い風でした。特に伸びたのは、生鮮などの食品類です。ただ惣菜は苦戦しました。以前は揚げたてのものをバイキング形式で出していたのでライブ感がありましたが、今はコロナ対策でパック詰めにしています。食品以外では、化粧品や薬の需要が若干減りました。特に化粧品は数字を落としています。初めてマイナス計画を組んだほどです。
コロナが収束するまでには相当時間がかかるでしょうから、この先も当分、小売り業界にとっては追い風になると思います。なかでも食に関するものは、中食や内食需要の高まりと共にますます贅沢化、多様化していく傾向にありますよ。今後の成長戦略としても、ドラッグストアでありながら、より一層、生鮮食品などのフーズの品揃えを強化したいと考えています。

アプリはお客さまとのつながりの新しい窓。
変化の早い時代、高いカスタマイズ性が不可欠です

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—現在、CRooM+(エバグリーンアプリ)をご利用いただいていますが、当社のサービスを採用いただいた理由についてお聞かせください。

米原氏:私たちはこれまで、チラシなどの紙媒体の販促にかなり力を入れてきましたが、新聞購買率の低下とともに、チラシを入れてもなかなかお客さまの反応が見えない時代に突入しました。そのような状態が3年ほど続いていた頃、当社システム部から「自社アプリを立ち上げたい」という提案があり、新しいコミュニケーション手段として、大きな可能性を感じました。チラシの販促だけに頼っていても、若者の新聞離れが進み、我々の顧客層も高齢化していくという課題がありましたから、このタイミングで、デジタル販促にトライしてみようと。

—確かに、本格的なデジタルネイティブの時代が、すぐそこまで迫っていますね。

米原氏:毎日の仕事のなかでも、デジタルの必要性を痛感することが多くなっていたことも事実です。そこで、まず手始めに、特売アプリに店舗情報を積極的に載せてみしました。そのアプリの閲覧PV数は月に120万くらいあるので、費用対効果でいうと、デジタル媒体の方が圧倒的に高かった。それならば自社アプリを立ち上げてみようという流れになったのです。自社アプリでチラシを配信したり、お客さまを囲い込める魅力的なコンテンツを作ったり。しかも当社は、ドラッグストアでは珍しく“ポイントカード”がないので、顧客データが乏しい状態でした。それも自社アプリがあれば、ID-POSのように、お客さまと商品を紐付けることもできる。「デジタル販促」「顧客分析」「エバグリーン独自の囲い込み」、この3つを叶えるためには自社アプリがどうしても必要になる。そうした考えに至ったのが2年くらい前です。

—当社のサービスを採用していただいた決め手は、どういった点でしょうか。

米原氏:決め手の一つは“カスタマイズ性の高さ”ですね。変化が早く、予測が難しい時代ですから、今後のトレンドや社会変化にすぐさま対応しなければならず、カスタマイズ性はとても重要です。加えて独自性とコストパフォーマンスの面でも、このアプリは大変魅力的でした。特に2020年からのコロナ禍で、デジタル化はより加速しました。ネット通販はもちろん、リモートワークもすっかり定着してきています。Zoom会員が、2020年は30倍に増えたという話も耳にしました。そういうスピード感のある世の中だから、自社アプリも次々と新機能やサービスをリリースし続けなければついていけません。
私たちはこれまでアナログ会社だったので、正直なところ、システム開発にはあまり力を入れていませんでした。しかしアプリを導入してみて、エバグリーンの需要はデジタルに向いていることが、はっきりとわかりました。今後はもっとシステム全体に投資をしていきたいですね。

楽しくなければ、お客さまに届かない。
アプリに大切なのは楽しさ、見やすさ、そしてお得感

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—CRooM+(エバグリーンアプリ)の使い勝手や満足度、お客さまの反応はいかがですか。

米原氏:現時点ではポイントカード機能をつけていないので、正直なところ、レビューだけでいうとそれほど良いとは言えません。ただ、実際に細かく分析すると、クーポン利用率などは毎月着実に右肩上がりに増えていますし、アクティブユーザーも、毎日見てくださっている方が2万人もいらっしゃって、私たちも驚いているくらいです。1カ月のデイリーアクティブユーザーにしても、全体の30%前後はいらっしゃる。アプリダウンロード者数が約18万で、その30%という割合ですから、本当にすごいと思います。自社アプリのポテンシャルの高さを実感できました。これはもっともっと、やれることがあるなって。

—アプリ内には「エバチャレ」というユニークなレシートくじがありますね。

米原氏:特にお客さまから好評なのが、この「エバチャレ」です。最初は月1回しか引けなかったのですが、今は毎日、お客さまが買い物をするたびに、引けるようにしました。実はうちの子どもも、くじを引くのを毎日すごく楽しみにしていて(笑)。社内でもみんな自然と使ってくれていますね。休憩室では、エバチャレの話もよくされています。やっぱり皆さんアプリには、エンターテイメント性を求めている。そういったエンタメ的な楽しさというのは、エバチャレのくじのような“ワクワク感”にあるのではと思います。ですから、いつも社内のシステム部には、「楽しさ」「見やすさ」「お得感」この三拍子が揃ってないと、どんなすごいアプリもお客さまは使わないよって、くどいほど話をしています。

食と健康をテーマに、地域の方々を元気にしていく企業でありたい

—今後、さらに成長していくためのビジョンや課題については、どのようにお考えでしょうか。

米原氏:私どもの事業形態はスーパーとドラッグストアの融合です。 “低価格”を強みの一つにしていますが、価格だけでは今後レッドオーシャンに入るだけです。エバグリーンに付加価値をつけるとすれば、「食と健康」の部分になるので、この分野をもっと強く打ち出していきたいです。
当社には管理栄養士が15名、薬剤師が30名ほど在籍していますから、彼らからの“レシピ提案”や“健康アドバイス”などを、CRooM+(エバグリーンアプリ)を通じて配信していくことも検討しています。
すでに、取り組みも始めています。コロナ禍の前は、各地域の医師を招いて、当社の薬剤師、管理栄養士を含めた3者による「健康相談会」というイベントを毎月行っていました。血圧、体組成計などのさまざまなチェックと、医師、薬剤師、管理栄養士、それぞれの知見からのアドバイスが無料で受けられます。1回の開催につき、100名くらいのお客さまが来てくださいますね。「食と健康」は、我々エバグリーンのミッションだと思っていますし、今後も人々の関心が高まり続ける分野です。リアルイベントとアプリ企画の両面で、より一層のアピールをしていきたいです。

—貴社が、食と健康に関する配信を積極的に行うことは、地域の方々にとっても大変意義があると思います。

米原氏:エバグリーンは、「食と健康」そして「地域密着」を主軸に掲げている企業です。お客さまの健康や生活を保障するような取り組みは、今後も積極的に行いたい。当社は処方箋薬局も経営しているので、地域の医療機関との関係も大切にしています。
例えば和歌山の基幹病院とは、年2回コラボイベントを行っています。実は和歌山県は、癌死亡率が全国のなかでも高い県なのです。そして癌検診受診率はかなり低い。つまり、受診者が少ないから、亡くなる方も増えてしまう。ですから、まずは検診率の向上を目的として、4年前から地元の基幹病院と組み、検診の大切さを訴えるイベントを始めました。こうした活動も、今後はCRooM+(エバグリーンアプリ)を通じ、個店単位で、フェイスtoフェイスで対応できたら良いなと考えています。企業活動を通じて、地域全体を“健康で幸福な状態”に導いていくことが私たちの役割だと考えています。

アプリにおけるエンターテイメント性を、今後いっそう高めていきたい

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エバグリーン廣甚さまの手がける大池カフェ「ST.ZEPHYR(セントゼファー)」のテラスにて
http://st-zephyr.com/

—最後に、貴社のさらなる成長、課題解決のために、共同印刷へ期待することがあれば、ぜひお聞かせください。

米原氏:共同印刷さんは、私たちの要望に対して、多方面から積極的にアイデアを出してくれます。こちらが依頼する前に改善策を提案していただくことも多く、とにかく皆さん、アイデアの引き出しが豊富なんです。ただ相談に乗るという姿勢ではなく、本当に真面目に、親身になって、どんどんアイデアを練りながら参戦してくれる。そういったところが、共同印刷さんの素晴らしいところだと思うので、今後もそこに期待しています。
CRooM+(エバグリーンアプリ)に関する要望としては、紙のクーポンをアプリに取り込む仕組みがほしいですね。お客さまからも多数要望が寄せられています。また、レビューの低さが現状の課題なので、そこを改善し、お客さまにより満足していただける策を一緒に考えていただければ、ありがたいです。現状、当社はポイントを付けていないので、お客さまからするとお得感が足りない。“レシートくじ”や“クーポン”を導入することで印象は随分変わってきましたが、まだいろいろな可能性がアプリにはあると思っています。
あとは、「楽しさ」「見やすさ」「お得感」、この3つの要素をいかに高めていくか。特にアプリにおいては、「楽しさ」が大切ですよね。それが来店動機につながりますから。ゲーム性があったりすると、囲い込みにも有効です。それこそ、GPSを使った某スマホゲームのように、店内を歩きながらキャラクターを探して捕まえるような(笑)。
当社も懸命になって知恵を絞っていきますが、やはりプロモーションにおいては、経験豊かなプロの目線に大きな期待を寄せています。

エバグリーン廣甚株式会社

常務取締役

米原 まき

2004年 入社/2006年 社長室付/2007年 商品部バイヤー/2009年 取締役遊撃軍隊長/2015年 取締役常務執行役員/2021年 2月21日代表取締役社長就任予定
http://www.hirooka-g.co.jp/

[共同印刷の担当者から]
テクノロジーで生活者の購買体験を変えたい

スマートフォンアプリサービス「CRooM+」は生活者の購買体験を変える、一つの手段だと考えています。小売企業さまには「CRooM+」をご導入いただくことで、生活者に「楽しさ」「見やすさ」「お得感」を感じる“新しい購買体験”を提供し、店舗のファン層を増やし、さらなる来店・購入につなげていただきたい。そのためには、生活者に寄り添い、課題を解決することができるサービスが重要だと考えています。当社は「CRooM+」を介して、導入企業さまが“生活者の顧客体験の品質を向上させる”お手伝いをしています。

共同印刷株式会社 トータルソリューションオフィス ICTソリューション部 斎藤 慎一郎

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