2025年12月17〜19日の3日間、リテールプロモーションの最新トレンドやノウハウ、メーカー企業の取り組み事例などを、ショーケース(展示)とセミナーで「見て・聴いて・学べる」イベントを開催しました。その内容をレポートとしてご紹介します。
[展示]リテールプロモーション・ショーケース
本社1階にあるTOMOWELホールに、当社が企画・制作・製造したさまざまな店頭ツールや販促ツールを展示。担当者が来場者さまからの質問にその場でお答えしました。
会場入り口にはフォトスポットを設置。高級ブランドの店頭演出などを数多く手掛けるアーティスト福田紗由美さんのジャイアントペーパーフラワー作品を展示しました。また、ご来場者には福田さんが作成した「薔薇の花」を、来場記念品として贈呈しました。
展示会場の概要
会場は5つのゾーンとフォトブースで構成。目的別に展示物をまとめました。多くの来場者が、自身の専門領域に関係なく、全ゾーンをご覧になっていました。

主な展示内容

「JPM SHOW 2025」出品什器展示ゾーン
日本プロモーショナルマーケティングショー2025(JPM SHOW 2025) JPMアワード[インストアマーケティング部門]出展作品(金賞3点、銀賞4点を含め全43点)を展示しました
リアル体験・イベントゾーン
企画品・ギミック、IPキャラクターコンテンツ、POP-UPブースなどの、店頭用リアル体験ツールを取り揃えました。
サステナブル・素材ゾーン
環境にやさしい素材や製造方法を用いた什器、POPツール、ノベルティ用カレンダーなどのサステナブル系販促ツールを陳列。また、売り場で目をひく特殊素材や電飾を用いた什器類も併せて展示しました。
デジタルゾーン
透明液晶サイネージ、パネル着せ替えサイネージ、配信型デジタルサイネージ一体什器「デジタルゴンドラ」といった、機能的なデジタルサイネージが集合。また、生成AIを用いた動画コンテンツもご覧いただきました。
デジタル体験ゾーン
その場で楽しめるデジタルコンテンツとして、「トレーディングカード生成サービス」と「ゲーム、映画創造コンテンツ」を出展しました。

[セミナー①]店頭プロモーションのトレンド
店頭プロモーションは「情報」から「体験」へ
当社プロモーションメディア事業部 営業2部 部長の領家隆志が登壇し、現在の店頭で起きている変化と、これからの店頭プロモーションの考え方について解説しました。
SNSやEC、比較サイトなどで事前に情報を得たうえで来店する消費者が増えるなか、「情報を伝えるだけ」の店頭販促は役割を終えつつあります。現在の店頭では、体験を通じて納得して購入してもらう売り場作りが重要になっています。
セミナーでは、こうした変化を理解する視点として、次の3つが紹介されました。
1. リテール視点
- ●小売りごとに客層・購買行動・売り場特性が異なる
- ●同じPOP・同じクリエイティブでは成果が出にくい
- ●売り場ごとの最適化が前提
2. 店頭体験
- ●店頭で問われるのは「何を伝えたか」ではなく「どんな体験をしたか」
- ●POPやサイネージは“見せるため”ではなく意思決定を助ける装置

3. デジタル
- ●サイネージやスマートフォン連動などデジタル施策が拡大
- ●目的に応じてツールを組み合わせる設計が重要
領家は、生活者が商品価値をその場で実感できる売り場作りが、購買を後押しする重要な要素になりつつあると指摘。したがって、これからの店頭プロモーションでは商品やターゲット、売り場の特性に合わせた「体験」の設計がより重要になるという考えを説明しました。
さらに、店頭施策やPOP・什器の企画立案の際に配慮するべき、5つのチェック項目について解説しました。
- ①リテール適合
- ②体験価値
- ③クリエイティブ
- ④デジタル連動
- ⑤検証設計
[セミナー②]リテールメディアの最新事情
購買データを活用した店頭販促の新しいアプローチ
本セミナーでは、共同印刷株式会社 プロモーションメディア事業部 販促企画部の高梨英明と、株式会社アドインテ メーカーソリューションDiv. ゼネラルマネージャーの岩田将道氏が登壇。店頭販促とリテールメディアをテーマに、購買データを活用した新しいプロモーションの考え方について紹介しました。
近年、小売り業界では購買データと店舗メディアを紐付けて活用し、広告配信から購買までを一体で設計する取り組みが広がっています。セミナーでは、リテールメディア活用のポイントとして以下の点が挙げられました。
- ●ID-POSなど購買データを活用した精緻なターゲティング
- ●広告接触から購買までを可視化できる効果測定
- ●季節商品での「前年購入者」などを狙った早期訴求
- ●店頭サイネージにおける、「メッセージ」や「動き」などクリエイティブの工夫
実際の事例として、ドラッグストアのリテールメディアを活用した化粧品メーカーが購買データをもとに広告配信を継続的に行った結果、売り上げが前年比140%となったケースも紹介されました。
こうしたデータ活用型の広告施策と店頭ツールを組み合わせることで、ターゲットやタイミングに合わせた販促設計が可能になります。リテールメディアは、店頭プロモーションをより精度高く実行するための新しい手法として注目されています。
また、セミナーの最後には、店頭ツール、サイネージ、データ活用などを組み合わせて店頭販促をトータルサポートする、共同印刷の「リテールプロモーションサポート」をご紹介。営業×マーケティング×リテールの、三位一体プロジェクトを推進していることを説明しました。

[セミナー③]表現の幅を広げるフォトクリエイティブ
情報過多時代の店頭販促物におけるキービジュアルの重要性

本セミナーでは、共同印刷コミュニケーションデザイン部ディレクターの神谷志朗と、播磨坂スタジオのフォトグラファー安正孝が登壇。店頭販促物におけるキービジュアルの重要性と、新しいビジュアル制作の可能性について、対談形式で紹介しました。
現在の売り場では、消費者が棚前で商品を見る時間はわずか数秒といわれています。その短い時間で「気になる」「試してみたい」と感じてもらうためには、視認性や理解の速さ、感情を動かす力を備えたキービジュアルが重要になります。
キービジュアル制作の考え方として、以下の6つの視点を組み合わせてビジュアルを設計することの重要性が紹介されました。
- ①視覚心理学
- ②構図学・デザイン原論
- ③美術史・アートディレクション
- ④色彩学:感性ではなく「科学」としての配色を行う
- ⑤光学・撮影工学
- ⑥ブランド戦略
さらに安からは、生成AIで「モデル画像をゼロから生成する方法」や、「撮影した画像を基に新たな画像を生成するプロセス」について実際の画像を提示しながら紹介。撮影とAIを組み合わせることで、リテールごとの売り場特性に合わせた多様な表現が可能になることが示されました。
また神谷からは、売り場ごとに購買文脈が異なるため、キービジュアルもそれに合わせて設計することが重要だと説明。画像生成AI活用による新しい制作手法が、店頭表現の幅をさらに広げていく可能性について解説しました。
[ミニセミナー]「JPM SHOW 2025」出品作品紹介
JPM受賞作品から読み解く、店頭ツールの「役割」
ミニセミナーでは、「JPM SHOW 2025」の出展・受賞作品を中心に、さまざまな店頭ツールを紹介。共同印刷コミュニケーションデザイン部ディレクター 神谷志朗が解説を行いました。
神谷は、店頭ツールを読み解く視点として、マーケティングの基本フレームワークである「AIDMA」を提示。生活者の購買プロセスに当てはめながら、POPや売り場演出が、どの段階で、どんな役割を果たすのかを整理しました。
- ●Attention:売り場で視線を集める
- ●Interest:商品の特徴を端的に伝える
- ●Desire:ニーズや期待を喚起する
- ●Memory:記憶に残り次回購買につなげる
- ●Action:購入行動を後押しする

また、JPM受賞作品を中心に、化粧品カウンターの演出什器やブランド販促スタンド、小型商品キット、吊り下げPOPなど、さまざまな店頭ツールを紹介。売り場で視線を集める演出型の什器から、商品の特徴をわかりやすく伝える陳列ツールまで、実際の受賞作品を見ながら解説が行われました。
- ●化粧品メーカーさま カウンター用演出セット
- ●化粧品メーカーさま ピールオフスタンド
- ●洗剤メーカーさま ステーション什器
- ●筆記具メーカーさま×家具メーカーさま コラボ商品什器
- ●製薬会社さま 吊り下げ什器(IPキャラクター使用) など
さらに、近年のプロモーションにおいてブランドと生活者が共に価値を生み出す「共創型」の取り組みが増えている点にも言及。リアルな売り場体験の価値が改めて見直されつつあると指摘しました。
関連資料
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カスタマージャーニーマップを基にプロモーション施策を解説!デジタルとフィジカルを融合する参考書
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