スマホを活用した販促キャンペーンのポイントを、共同印刷の2名のエキスパートが語る対談企画です。後編となる今回は、数多くのキャンペーンを支える“事務局機能”に注目。応募受け付け、問い合わせ対応、景品の発送といった実務を、どうすれば安心・円滑に運営できるのか。その秘訣と体制づくりについて話を伺いました。
〈ファシリテーター〉HintClip編集長 杉山 毅
キャンペーンの裏側を支える「事務局」

杉山:実際にキャンペーンを運営していく上で、欠かせないのが「事務局」です。しかしプレゼントキャンペーンを経験したことのない方には、事務局がどんな機能を持ち、どんな役割を果たすのか、よくわからないと思います。改めて教えていただけますか?
神林:事務局の業務内容は、「応募受け付け」「抽選」「景品の発送」「お問い合わせ対応」など多岐にわたります。応募者と直接的・間接的にやりとりするだけでなく、データ管理や進行スケジュールの調整など、裏側の全業務を一貫して対応することで、キャンペーン全体を円滑に運営します。
石井:当社の場合、受託した事務局業務は、グループ会社である共同印刷ビジネスソリューションズの「カスタマーサービスセンター(CSC)」という専門の部署が担当しています。
神林:CSCは20年以上にわたってさまざまな業種や規模のキャンペーンを手掛けてきた実績があり、ノウハウも驚くほど豊富です。応募方法や景品の送付方法などスキームが異なる案件にも、柔軟かつ的確に対応できる体制が整っています。
石井:企画担当の立場から見ても、安心してすべての事務局業務を任せられる、頼もしい存在です。事務局がきちんと機能していることで、応募者がスムーズに応募できるだけでなく、問い合わせ対応などを通じて企業やブランドへの信頼向上にもつながります。
杉山:単なる「裏方」ではなく、ブランドと応募者をつなぐ「接点」という役割もあるのですね。
応募受け付けから景品発送までのプロセス管理に強み

杉山:具体的には、どんな業務が、どんな流れで行われるのでしょうか。
石井:事務局は、大きく4つの業務を柱として運営しています。応募の受け付け、抽選、景品発送、問い合わせ対応までを一貫して行います。
神林:案件ごとに詳細なマニュアルを作成し、過去の実績に基づいたノウハウを生かしながら業務を進行しています。問い合わせ窓口にもなるため、応募者との信頼関係を築くための「顔」のような役割も果たしています。

①応募受け付け
杉山:応募から発送までの流れに沿って、事務局の役割や業務内容を説明していただけますか? まずはキャンペーンの入り口である「応募受け付け」ですね。
石井:キャンペーンの応募サイトなどから送信された応募情報を受け取り、管理します。クローズド懸賞や全員プレゼントの場合は、レシート画像やバーコード画像、シリアルナンバーなどの「購買証明」の情報も一緒に届きますが、どの方式でも対応できるよう体制が整っています。
神林:応募情報には氏名や住所などの個人情報も含まれるため、取り扱いには細心の注意を払っています。事務局業務を担うCSCは「プライバシーマーク※」の認証を取得しており、厳密な管理体制になっているので、安心してお任せいただけます。
※プライバシーマーク:個人情報の適切な取り扱いについて、厳しい審査基準を満たした事業者にのみ付与される認証制度。
②抽選管理
杉山:次は、「抽選」ですね。これは、クライアント企業ではなく事務局が行うのですか?
石井:事務局側で対応するのが一般的ですね。最近は応募者の個人情報に直接触れないようにしたいという企業が多く、抽選も含めて一括で委託されるケースが増えています。
神林:応募データの集計から抽選作業まで、CSCで責任をもって対応しています。クライアントの条件に沿った抽選方法にも対応可能ですので、安心してお任せいただけます。
③景品発送
杉山:抽選が終わったら、次は当選者への「景品の発送」ですね。
石井:景品発送も、事務局で一括して対応します。対象者の抽出から、送り状データの作成、梱包・発送、未着対応まで、すべての工程を担っています。
神林:実際の発送作業は、共同印刷グループの共同物流(KLC)と連携して行います。キャンペーン景品のように数量が多く、配送先が全国にわたる案件でも、KLCの安定した物流体制によって確実に対応できます。
石井:景品のサイズや形状に応じて最適な発送方法を提案できるのも、こうした実績と連携体制があるからこそですね。当選通知メールや発送前の確認連絡なども、必要に応じて事務局側で対応しています。
④問い合わせ対応
杉山:応募から発送までの全工程を通じて、「問い合わせ対応」も重要な業務の一つですね。
石井:はい。応募方法や景品内容、当選結果の確認、景品の未着など、タイミングに応じたさまざまな問い合わせがあります。
神林:CSCでは、電話やメール、フォームなどからの問い合わせに、常に丁寧かつスピーディーな対応を行っています。工程のどこであっても、事務局としての一貫した対応を心掛けています。

まとめ:次回もお任せいただくために
杉山:クライアント企業からは、どんな声が届いていますか?
神林:ありがたいことに、「ここまで細やかに対応してくれるのですね」と言っていただくことが多いですね。スマホを用いたプレゼントキャンペーンは企画・設計段階から運営まで、非常に時間と労力のかかる案件ですし、応募や発送を通じてエンドユーザーと直接コミュニケーションする必要があるので、マーケティング施策としてはとても重要です。それを任せていただくことになるので、こちらも万全を期して臨んでいます。
杉山:クライアントからの信頼を高めるために心掛けていることはありますか?
石井:応募スキームの設計から運営までを一括してお任せいただく場合、事前の設計段階でしっかり擦り合わせをしておくようにしています。例えば、販売チャネルごとの対応方法などをあらかじめ整理しておけば、運営中のトラブルの大半は未然に防げます。
神林:企画面はもちろんですが、スキーム面や事務局運営面で信頼を獲得できると、「次回のキャンペーンも共同印刷で」とご指名いただけるようになります。当社としても、より安心で円滑なキャンペーン運営のために、さらなる改善や工夫ができますし、結果的にクライアントにも還元できると考えています。
杉山:なるほど。キャンペーンの成否を左右するのは、企画や景品のユニークさだけでなく、設計や運営の質も含めた「全体の組み立て」なのですね。前編で伺った企画段階やスキーム設計の工夫と、今回の運営面での細やかな配慮。それぞれがつながることで、クライアントの信頼を得て、次につながっていく。まさに、企画から運営までを見据えた「支援体制」が共同印刷の強みだと、改めて感じました。

【写真左】
共同印刷株式会社
プロモーションメディア事業部 営業1部
神林 聡
大学卒業後、大手印刷会社に入社し、流通業界をメインに折り込みや店頭販促物などの販売促進に関わる業務を担当。2004年に共同印刷入社後は、主に、通販、食品関係、メーカーの店頭販促に関わる業務を遂行する一方、当社の強みを生かし、出版社とのコラボレーションや、まんがのキャラクターIPを活用したキャンペーンの景品開発、運営などの実績を重ねている。
【写真右】
株式会社エンジン(共同印刷 パートナー)
ディレクター
石井 徳之
大学卒業後、編集プロダクションに入社、企画、制作管理を担当。2010年に広告代理店でマーケティングプランナーとして、芸能・音楽・化粧品・金融業界などのメディアプランニング、コンテンツ制作、Web制作、動画制作など幅広いマーケティング業務に携わる。共同印刷ではそのノウハウを生かし、プロモーション企画、Web制作、コンテンツ制作のディレクターとして活動中。
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