エンゲージメント向上の切り札! 「企業情報誌」の戦略的な作り方

メーカーや流通、金融などの多くの企業が発行している「企業情報誌」。このツールを最大限に活用するには、戦略的な視点からの編集企画が不可欠です。今回は、戦略的な企業情報誌を制作するための「基本」を解説します。
本稿と連動したダウンロード資料もご用意しました。あわせてお読みください。

Hint Clip 編集長 杉山 毅

■企業情報誌とは、戦略的なマーケティングメディア

「企業情報誌」とは、社外向け広報誌や会報誌などの企業が発行する紙のオウンドメディアのこと。自動車、住宅、美容・健康、航空・鉄道、金融・クレジットカードなど幅広い業種で発行されていますが、その大半は月刊・季刊などの「定期発行」です。
読者(顧客)にとって定期発行媒体には、最新号が届くことが一つの喜びになるという独特の効果があります。あなたにも、愛用する商品の情報誌が届いた際にうれしくなった経験があるのではないでしょうか。この特長は、顧客が自らアクセスしなければならないWebメディアでは得がたい、価値ある体験といえるでしょう。また、「商品○○の活用術・春夏編」「冬のキャンペーンのお知らせ」のような、その季節ならではの「旬の情報」を掲載・訴求しやすいというメリットもあります。
企業情報誌の中には熱烈なファンを数多く抱え、数十年にわたり発行し続けている人気媒体が存在します。しかし一方で、リニューアルや規模縮小を繰り返し、最終的には廃刊となるケースも…。その原因の多くは「戦略性の欠如」にあるようです。「マーケティングにおける役割が不明瞭だった」「ターゲット設定が曖昧だった」などの理由から目的に合ったコンテンツを制作することができず、期待した効果を得られないのです。
企業情報誌は自社のマーケティング戦略の一端を担う、重要なコミュニケーションメディアです。したがって掲載するコンテンツも、戦略性の高いものが常に求められます。情報誌を制作する際は優秀な「編集者」の存在が欠かせませんが、同時に戦略的視点を持った「マーケター」も必要です。そして、成功している企業情報誌の多くは、編集面・マーケティング面の両方が優れています。つまり読者(顧客)にとっては読んで楽しく役に立ち、企業にとっては継続的に売り上げに大きく貢献できる…そんな情報を定期的に発信していくのが理想です。

■企業情報誌の役割は「ロイヤリティ向上」

企業情報誌のマーケティング戦略上の役割は、「顧客ロイヤリティ/エンゲージメントの向上」にあるといえます。
その効果は二つあります。一つ目は「LTV(※1)の最大化」です。企業情報誌を定期的に送付することで、商品の継続購入やアップセル、クロスセルを実現します。
二つ目の効果は「ファン化/エバンジェリスト化」です。「エバンジェリスト」は、キリスト教における「伝道者」が語源。ブランドを自ら推奨・拡散してくれる顧客のことを指します。つまり顧客ロイヤリティ/エンゲージメントを高めることで、顧客が自ら、「私のお気に入り」として商品を身の回りの人に勧めたり、SNSで積極的に情報発信するようになる状態をめざします。

企業情報誌の役割

※1 LTV:Life Time Valueの略で、「顧客生涯価値」のこと。一人の顧客が、特定の企業やブランドとの取り引き開始から終了までの間に、どれだけの利益をもたらしてくれるかを表す指標。

■企業情報誌の「3つの機能」

企業情報誌をより戦略的に活用するためには、掲載するコンテンツの役割や機能を明確化した上で、マーケティング施策として企画立案する必要があります。そこで役立つのが、コンテンツをAD・SP・PRの「3つの機能」から作成するという手法です。
AD(広告)は商品やブランド、店舗などを認知させ、好感を高めるためのコンテンツ。裏表紙などに“純広告”を掲載したり、編集部がビジュアル重視でキャッチーなコピーを組み合わせた純広告的誌面を制作する場合もあります。
SP(販促)は、購買を促すための情報です。誌面で商品・サービスの機能や価値を訴求したり、優待価格のキャンペーン情報や読者プレゼント(サンプリング)などが相当します。「読者限定」にすると、注目率や利用率が高まる可能性があります。企業情報誌自体の媒体価値も高まります。
最後のPR(広報)は、もっとも企業情報誌らしいコンテンツ。商品やブランド、社員、ご愛用者などに関する情報を掘り下げてユニークな「読み物」として紹介することで、理解促進や共感形成を実現します。

企業情報誌の「3つの機能」

大切なのは、これらの機能の「バランス」です。ベストバランスを実現し続けることで、情報誌の魅力や媒体価値が高まり、マーケティングツールとしての戦略性も向上します。

■編集企画に役立つ「8つの切り口」

顧客・消費者向けの企業情報誌では、以下の「8つの切り口」からコンテンツを制作するのが効果的です。それぞれが、前述の「3つの機能」のいずれかに該当します。本稿ではその概要だけを簡単にご紹介します。詳細な説明は、ダウンロード資料に掲載しているのでご参照ください。

企業情報誌の「8つの切り口」

■まとめ:理想的な企業情報誌は、新規顧客獲得にも貢献できる!

一般的に「新規顧客を獲得するには、既存顧客の5倍のコストがかかる」といわれています。企業情報誌は既存顧客向けのメディア/施策ではありますが、その役割の一つに「エバンジェリスト化」がある点を考えると、新規顧客獲得にもつながっているといえます。つまり高コストになりがちな新規顧客獲得施策に、既存顧客向け施策が(副次的にではありますが)貢献できるのです。したがって、企業情報誌は「どうしたら継続購入してもらえるか」に加えて、「どうしたら既存顧客から家族や友人に商品をレコメンドしてもらえるか」まで考えた上で、企画立案することが大切です。
また、企業情報誌は顧客向けだけでなく、自社商品を取り扱ってくれる小売店・特約店や販売員向けも多く作られています。この点については、ダウンロード資料で詳しく解説しています。こちらもあわせてぜひご一読ください。

kakui-portrait-small.jpg共同印刷株式会社 ビジネスマーケティング部
Hint Clip 編集長

杉山 毅
1982年共同印刷株式会社入社。商業印刷部門の企画営業を経て、1987年よりセールスプロモーション部門でクライアントの事業戦略・マーケティング戦略のプランニングから、広告・広報・販促の各種ツール・メディアのクリエイティブ・ディレクションを担当。2008年からコーポレートコミュニケーション部門にて広報、IR・総会、CSRなどを部長として担当。2017年の自社の創立120周年では、CIとコーポレートブランド構築を含む周年事業の全体を統括管理。2020年から4月から現職。


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