企業内の情報共有の手段として、欠かすことのできない社内報。コロナ禍にあって、テレワークの定着とともに問題視されるようになった、社内コミュニケーション不足の打開策としても、その存在意義の高さがあらためて見直されているようです。従来主流だった、紙に印刷したものを社員全員に配付する方法に加え、Web版を同時に作成する企業が増加の一途をたどっています。一人でも多くの社員の目に触れる機会を増やし、伝えたい情報をしっかりと届けるための手段として、紙媒体とWeb、双方のメリットを生かしながら、効果的に併用していくための秘訣を紹介します。
■紙媒体で「読む」、Webで「見る」
紙媒体の社内報は、休み時間や通勤時の電車の中などで、思いついたときにいつでも手に取り、どこでも「読む」ことができるのが最大の特徴です。自宅に持ち帰って家族に見せたり、保存がしやすいという性質もあります。
デジタル化が進む現代だからこそ、実際に手に触れることのできる、紙媒体の社内報のリアルな存在感を大切にしているという企業も少なくありません。また、PCを使用しない社員がいる部署などでは、紙媒体の社内報が情報共有に果たす役割は依然として大きいものがあります。
ただし、紙面のすみずみまで情報を詰め込み過ぎると逆効果。必要な情報がどこにあるのか、探し出すのに時間がかかってしまう場合があります。目を惹く表紙デザインだけでなく、ページごとのレイアウトにもメリハリをつけるなど、紙面構成には工夫が必要です。それぞれの項目の文章量は適切か、写真や図などの使い方や大きさ、配置はどうかなど、読み手にとってのわかりやすさを優先することが必要です。
一方のWeb社内報は、PCやスマートフォンなどのデバイスを利用して閲覧することができます。紙媒体に比べて欲しい情報を容易に見つけることができるため、情報伝達のスピードアップやスムーズな共有化が図れるなどのメリットが期待できます。情報を「見る」ことに適した社内報といえるでしょう。
デバイスを含め閲覧できる環境が必要なこと、紙媒体に比べてデザインやレイアウトの自由度が低いといったデメリットはありますが、ひと目「見る」だけで伝わる情報提供を可能にします。文章は可能な限り少なくし、画像中心の視覚的な記事に仕上げることが重要なポイントです。
■深掘りした記事は紙媒体で、即効性のある情報はWebで
紙媒体の社内報の強みは、手にとってじっくりと「読む」ことができるという点にあります。紙に印刷されているため、記録性が高いことも特徴の一つです。会社の経営方針やプロジェクトの成功事例など、社員に内容を伝えるだけでなく、理解を深め思考を促したい内容を掲載するのに適しているといえます。
一方、Web社内報の最大の強みは即効性にあります。情報の更新がしやすいというWebならではの特質を生かし、素早く伝えたいニュースなどを発信するのに威力を発揮します。
制作に要する時間を比較してみましょう。紙媒体の場合、全ページの印刷用のデータを準備し、一度にまとめて入稿しなければなりません。印刷後の追加や修正も容易には行えず、結果、多くの時間や手間がかかる傾向にあります。
その点、Webは社内報の発行後にも最新の記事を投稿することができ、内容の追加や修正も容易に行えるなど、効率的な運用が図れるといった違いがあります。
こうした双方の性質を生かし、深く読み込ませたい情報は紙媒体で、鮮度の高い旬の情報はWebでというように、掲載内容を臨機応変に使い分けることが効果的です。紙媒体よりWebを発行する頻度を上げるなど、周期的な間隔にも変化をつけることで、常に新鮮で拡張性の高い社内報の運用がめざせます。
■紙媒体とWebで相乗効果を生む
せっかく2種類の社内報を制作するからには、同じ記事を形を変えて掲載するだけでは意味がありません。紙媒体とWebの相乗効果で、お互いの魅力を強調し合える社内報のスタイルを確立することが鍵になります。
例えば、紙媒体の社内報で取り上げたプロジェクトの成功事例紹介を、Webでは人にフォーカスして担当者のインタビュー記事を中心に構成するなど、メディアの性質に合わせた異なる切り口を駆使することで、一つの情報を多角的にとらえた表情豊かな情報に生まれ変わらせることができます。
また記事に関連する詳細な情報は、該当するWebサイトへURLで誘導するなど、連係プレーにより相乗効果を最大限に引き出すことで、読者の関心をより高め理解を深めることにつなげられます。
■紙とWebから動画への誘導
文章だけでは伝わりにくい動きや音声で表現したい内容も、動画にすれば一目瞭然。一気に訴求力が高まります。紙媒体の社内報の記事中などに、QRコードやARマーカー*などを仕込んでおき、スマートフォンなどで読み取ることで動画に誘導。Webには、動画と記事をセットで投稿します。展示会の様子を撮影したものや新製品紹介をはじめ、予算があれば、360度のパノラマ映像によるバーチャルな工場探検ツアーなども可能になります。臨場感たっぷりの情報提供で、社内報の表現力の幅を立体的に広げます。
*ARマーカー: AR(Augmented Reality=拡張現実)コンテンツを表示させるための印。拡張現実とは、実在する風景に仮想の視覚情報を重ねて表示するなどの技術。
■デジタルブックによるスムーズな閲覧
社内報は、企業にとって貴重な情報資産の一つです。印刷データをPDF化して、バックナンバーページとして必ず保存しておくようにしましょう。ただしPDFを閲覧用として使用するには、ダウンロードに時間がかかる、ブラウザの影響を受けやすい、スマートフォンで閲覧する場合などに拡大表示がしにくいといった、いくつかの問題点があるので検討が必要です。
そこでおすすめなのがデジタルブックです。PCやスマートフォンなどで、印刷物のようにページをパラパラとめくりながら読むことができるウェブアプリケーションです。動画や音声などのコンテンツの配置がページ上で自在にでき、テキストを検索するなどのデジタルらしい機能も備えています。ちょっとした隙間時間にも快適な社内報の閲覧が可能になり、Webとの連動も図りやすくなるなどのメリットが得られます。
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関連資料
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6W2H 社内報の作り方
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紙媒体・Webどちらでも使える 社内報制作のポイント 基本のきほん
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