推し活市場は4兆円を超えており、今後も伸長の見込みのある市場です。公式グッズやデジタルコンテンツの提供はもちろんのこと、リアルイベントや聖地巡礼ツアーなど、推し活を行う人々のニーズを満たす体験価値の提供が求められています。
マーケティング・販促担当者にとっては、推しコンテンツであるまんが・アニメ・ゲームなどのキャラクターを「自社製品の商品開発やパッケージ、広告に採用したい」「キャンペーンの景品やイベントに活用したい」などのニーズがあるかもしれません。
しかし、どのように活用・展開できるのかわからない、運用負荷が高いなどの課題を感じていませんか?
そこで今回は、推し活層向けにまんがなどのコンテンツを活用するIPマーケティングの方法から効果、成功のポイントまで解説します。
「推し活」市場規模4.1兆円!?マーケットが急速に拡大中

近年、推し活市場が拡大しており、2026年1月時点では4.1兆円と推計されています。
推し活人口は1,940万人で、昨年2025年の1,384万人から556万人程度増加しています。これは15~69歳の日本在住男女約2.3万人に対する「第3回 推し活実態アンケート調査」の結果から推計された数字です。
調査結果によれば、約24%が推し活をしていたことから、約4人に1人が推し活を行っていると考えられています。
また推し活の年間出費額の全体平均は約21万円となり、1ヶ月あたり約1.75万円、推し活にお金をかけていることがわかります。
性別と年齢別で見ると、2025-2026年において特に男性10~40代で10ポイント近く増加しています。
推し活市場は近年、性別年齢問わず興味関心が高まっており、伸長を続けている注目の市場といえます。
【推し活コンテンツ】IPマーケティングの効果が期待できる理由
昨今の推し活市場の高まりを受け、まんが・アニメ・ゲームなどのIP(IntellectualProperty/知的財産)を活用するプロモーションは、大きな効果が期待できます。
その理由として、次の3つが挙げられます。
① 推し活消費の高まり
推し活市場における消費は、主に次のようなものがあり、いずれもまんが・アニメ・ゲームなどのコンテンツとの相性が良いものです。
推し活グッズ:まんがなどのキャラクター公式グッズのキーホルダーや缶バッジ、アクリルスタンドなどを収集します。
ぬい活:ぬいぐるみ活動の略称で、ぬいぐるみを使ってさまざまな方法で推し活を楽しむことを指します。お出かけ先でぬいぐるみと一緒に写真を撮る「ぬい撮り」や、ぬいぐるみと一緒に旅を楽しむ「ぬい旅」などがあります。
カフェ活:推し活グッズやぬいぐるみなどを携えてカフェで食事をしながら、写真撮影などを通して楽しむ活動です。
ライブ遠征:推しのライブに参加するために、長距離を問わず参加することを指します。新幹線代や飛行機代などの移動費をかけて、遠くからはるばる推しのライブに参戦します。
聖地巡礼:本来の意味は宗教における聖地を訪れることを指しますが、推し活においては、まんがやアニメ、ドラマ、映画といった作品の縁のある土地や思い出のある場所を旅することをいいます。
② CX(体験価値)の提供が必要不可欠
二つ目の理由は、カスタマーエクスペリエンス(CX)、つまり体験価値の提供が必要不可欠になってきていることです。
顧客が商品を選定する段階から購入、使用後のアフターフォローまで、一連の流れの中で体験する価値を指します。
どの市場も商品のコモディティ化が進んでおり、機能においては差別化が難しくなってきています。どれも似たような機能や性能を持っている商品やサービスを売るためには、差別化のためにほかの要素が求められます。そこで重要視されているのが体験価値です。
推し活市場で生き抜いていくためには、ただグッズを販売するだけでなく、グッズを使うことの楽しみや遠征、旅、カフェの体験など、推し活自体を楽しむための体験価値を提供することが重要です。そして推し活の体験価値に、まんが・アニメ・ゲームなどのコンテンツは非常に相性が良いといえます。
③ Z世代のトキ消費の傾倒
三つ目の理由は、Z世代をはじめとした若年層は、従来の「モノ消費」だけにとどまらず、体験価値を求める「コト消費」のほか、近年は「トキ消費」と呼ばれる、“今この瞬間しか得られない特別なイベントやリアルの場での体験”に価値を見出し、お金をかける消費スタイルが注目されています。
ぬい旅や遠征、聖地巡礼などは、まさにトキ消費を象徴する活動です。そして、まんが・アニメ・ゲームなどのコンテンツは非常に相性が良いといえます。
【推し活コンテンツ】の活用方法と具体例
続いて、まんが・アニメ・ゲームなどのコンテンツの活用方法を具体例と効果と共にご紹介します。
コラボイベント(単発)
コラボイベントとは、単発で開催される、まんが・アニメ・ゲームなどのコンテンツとコラボレーションして企画運営するイベントです。
具体例:商業施設や自店舗において、人気のまんが・アニメ・ゲームなどの作品とコラボして期間限定の展示会イベントを開催。推し層の多いまんが作品を選ぶことで話題を呼びやすく集客しやすい。
効果:新規顧客の獲得、話題性の創出、企業ブランドイメージの向上など
コラボグッズのポップアップストア
コラボグッズとは、自社製品とまんがなどのキャラクターとコラボレーションして制作するグッズです。そのグッズを期間限定のポップアップストアを展開するなどして販売します。
具体例:人気のまんがのキャラクターとコラボして、ぬいぐるみやTシャツ、キーホルダー、アクリルスタンド、お菓子などを制作し、ポップアップストア限定グッズとして販売する。
効果:自社ブランドや商品の認知拡大、売上アップ、顧客とのコミュニケーション、効果測定など
コラボカフェ
コラボカフェとは、単発もしくは長期的に実施するまんが・アニメ・ゲームなどのコンテンツとコラボしたメニューを提供するカフェです。コラボイベントの一つとして期間限定で設置されることもあります。
具体例:まんがキャラクターをイメージした料理や、キャラクターがカフェスタッフの装いをしている限定イラストを描きおろしたグッズを展開。また店舗に訪れた人向けに無料特典としてノベルティグッズの提供なども行う。
効果:ブランド認知度向上やファンの満足度、ロイヤリティ向上、SNSによる拡散効果、関連グッズの販売による売り上げアップなど
コラボグッズの企画・制作・販売
自社店舗やブランドの既存商品と、まんが・アニメ・ゲームのコンテンツとのコラボにより、新たな商品を生み出す方法です。まんがなどのファン層へのアピールはもちろんのこと、既存顧客にも興味を持ってもらうように工夫することで、幅広い効果が期待できます。
具体例:インテリアのメーカー・ショップが、まんがコンテンツとコラボして、マンガのキャラクターを家具・雑貨にプリントして付加価値を付ける。
効果:新規顧客層の獲得、店舗やブランドの認知度アップ、売り上げアップ、話題性の創出など
自社店舗や商業施設におけるタイアップによる原画展の開催
大型ショッピングモールやデパートなどのイベントスペースで、まんがの原画展を開催します。原画とは、まんがの作者が自ら描いた作品のことです。コアファンが喜ぶイベントとなります。
具体例:大型商業施設のアートスペースを用いて、現在上映中の映画アニメ作品の原画展を開催。限定グッズも制作・販売し、レアなグッズとして話題を生み出す。
効果:コアファンを引き付け、話題性を創出。新規顧客の獲得と店舗の買い回り促進など
【推し活コンテンツ】活用時のよくある課題
まんが・アニメ・ゲームのコンテンツを活用するIPプロモーションは、さまざまなアプローチ方法や効果が期待できることがわかります。一方で、実施する際には、次のような課題に直面することもあるのではないでしょうか。
リアルに落とし込む知見とノウハウに欠ける
優れた人気作品はぞくぞくと生み出されており、コラボしたいまんが・アニメ・ゲームのコンテンツは多い一方で、「どのようにイベントなどのリアルの場に実装すべきかわからない」悩みが生まれます。知見とノウハウに欠けるという課題です。
グッズ化の知見とノウハウに欠ける
同様に、まんがなどのコンテンツをグッズに反映したいものの、うまく落とし込めないということもあります。そもそも、推し活層はどのようなグッズを好むのかの調査が必要です。高い体験価値を提供するためには「どう使われ、どのような価値を生み出しているのか」を知らずにグッズを制作することはできません。
イベントやグッズ制作の予算と時間、リソースに限りがある
コラボカフェなどの期間限定イベントの開催やグッズ制作などの展望がある一方で、予算と時間に限りがあることもあります。人手不足で稼働に限界があることもあるでしょう。
コラボグッズなどのクオリティに懸念がある
優れたコラボグッズを企画したとしても、実際に制作する際にクオリティ面で不安が出ることもあります。推し活層にとって「推し」のクオリティは重要であるため、手は抜けません。
【推し活コンテンツ】施策の成功のポイント
まんが・アニメ・ゲームのコンテンツを十分に活用するには、先述の課題を解決しながら、効果的に進めていく必要があります。そこで、まんがなどのコンテンツ施策の成功ポイントをご紹介します。
推し活層への深い理解
推し活層やオタク文化への理解不足は、ファンのニーズからずれてしまい、最悪の場合、クレームやネット上の炎上などにつながりかねません。一般的な顧客とは異なり、対象のまんがなどコンテンツに強い愛着と傾倒があることを忘れずに、深い理解を進める必要があります。
推し活層のリサーチ結果の活用や、ファンへの直接的なヒアリングやアンケート調査の実施などがおすすめです。
目的の明確化とKPI設定
まんがなどのコンテンツの活用を企画する際には、まず目的を明確にすることが肝心です。目的が定まっていなければ、明確な効果につながっていきません。
例えば、「新規顧客層の獲得」が目的であれば、ただまんがなどのコンテンツとコラボするだけでなく、自社ブランドや店舗を継続的に利用してもらうためのベネフィット訴求も合わせて行う必要があるでしょう。
また目的と出したい効果を明確にするとともに、中間指標としてKPI設定を行うことで、着実に成果を出していけるでしょう。
【まんがコンテンツ活用のKPI例】
| 目的 | KPI設定例 |
|---|---|
| 売上向上 | 売上額、販売数量、客単価、購入意向 |
| 認知度向上 | ブランド認知率、想起率 |
| 顧客獲得 | 新規顧客数、リピート率、NPS(他者への推奨意向度) |
| エンゲージメント | SNS投稿数、SNS言及量、SNSシェア数、好感度 |
限定性の訴求
「今しか体験できないイベント」「イベント限定グッズ」など、限定性を訴求することで、「今、購入しなければ」という心理を生むと同時に、ファン同士の間で「自慢」や「共有」の材料となります。その結果、同じまんがなどのコンテンツの推し活層への拡散につながる可能性もあります。
SNSシェアを促す仕組み作り
まんが・アニメ・ゲームのコンテンツ活用施策は、SNSとの相性が非常に良いため、拡散にとって重要な「シェア」を促すアプローチと仕組み作りがポイントです。
ただキャンペーンを実施するだけでなく、ファン同士での盛り上がりを促す仕組みを作りましょう。
例えば、シェアをキャンペーンの応募条件としたり、クイズやアンケートの回答を、X(旧Twitter)のリツイートで行ってもらうなどの手法があります。
専門的な知見を持つパートナーの活用
課題に直面した際には、まんが・アニメ・ゲームのコンテンツ活用の専門家に尋ねることで早期解決が見込めます。企画から制作、運用までまんがなどのコンテンツ活用の実績を持つ優良パートナーを見つけ、タッグを組んで進めていくことで、競合他社との差別化につながる戦略を立てられるでしょう。
まとめ
推し活市場の伸長を受け、まんが・アニメ・ゲームなどのコンテンツを活用するIPマーケティングは、効果が期待できる取り組みといえます。成果を出すには、今回ご紹介した課題を一つひとつ解決していくことがポイントです。
まんが・アニメ・ゲームなどのコンテンツ活用の知見やノウハウ面、リソース不足などの課題を抱えている方は、共同印刷におまかせください。
当社では、まんが・アニメ・ゲーム などのコンテンツを活用したイベントやPOPUPショップの企画運営を行っています。「コンテンツの世界観」を会場装飾やアトラクション演出、グッズのデザインなどを通じて表現します。さらに協賛やオリジナルグッズの開発など、貴社にとって新たな市場やターゲット層にアプローチするお手伝いも可能です
多数の実績によって蓄積されたノウハウに基づく確かな対応力、社内外のリソースの活用による確かな品質にてサービスをご提供します。
直近では次のようなコンテンツを活用したイベントを展開しています。ぜひ参考になさってください。
■「ジャンプスクエア」の『ギャグマンガ日和』連載25周年を記念した展覧会が開催決定!
登場キャラクター・夢野カケラ氏による作中作「ソードマスターヤマト」原画展も同時開催
https://www.kyodoprinting.co.jp/release/2024/20241211-8787.html

■大人気アプリ『にゃんこ大戦争』のオフラインイベント『みんなで出撃!にゃんこ大戦争展』の巡回展を札幌で開催
https://www.kyodoprinting.co.jp/release/2026/20260108-8998.html

■劇場映画シリーズ第 3 弾『パディントン 消えた黄金郷の秘密』公開に合わせ、「映画『パディントン』の世界」の展示イベントを神戸にて開催!
https://www.kyodoprinting.co.jp/release/2025/a121c0f10582414c85270ba4530bada8.pdf

当社は、出版社などの著作権者・クリエイター・アーティストなどとの関係性を生かし、今後もキャラクターIPを使用した催事展開・商品化・コラボ施策などのライセンスビジネスに取り組んでいきます。
【調査出典】
推し活総研「第3回 推し活実態アンケート調査」
関連資料
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カスタマージャーニーマップを基にプロモーション施策を解説!デジタルとフィジカルを融合する参考書
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