【フランスのDM活用事例】ハガキでリピーター維持!? パーソナライズの徹底で顧客とつながる自然派コスメブランド「イヴ・ロシェ」

リピーター客の確保は小売業界全体の課題と言えますが、紙メディア(印刷)とデジタルマーケティングを上手く活用し、顧客の信頼を得ている企業がフランスにあります。一体どのような企業なのか、そして成功の鍵は何なのかを紐解いていきましょう。

パラグラフ1:幅広い世代に愛され続ける「イヴ・ロシェ」とはどんなブランド?

フランス、ドイツ、オランダを始め、ヨーロッパを中心に世界展開する自然派コスメブランド「イヴ・ロシェ」。日本未進出ですが、本国フランスでは3人に1人の女性が使用しているというほどポピュラーな存在で、早くから顧客のセグメンテーション(分類)を行い、ダイレクトマーケティングを取り入れてきた企業です。

現在は6つの化粧品ブランドを傘下に置き、世界30カ国で年間20億ユーロ(1ユーロ130円計算で約2,600億円)を超える売り上げを保持しています。全世界に構える店舗は4,000店(うちフランス国内は680店舗)。1991年に進出したロシアでは、マクドナルドに次ぐ2番目の外資系企業として話題になりました。

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イヴ・ロシェの強みは、植物由来の自然派コスメを、多くの消費者が求めやすい価格で販売していることがまず挙げられます。さらに、ロレアルを筆頭に強豪がひしめくフランスのコスメ業界においても、イヴ・ロシェは世代を超えて多くの熱心なファンを抱えています。リピーター客が絶えない理由には製品のコスパの高さに加え、そのマーケティング手法にも秘密があるようです。

パラグラフ2:「フランス通販のパイオニア」が辿ってきた販売網の歴史

それではイヴ・ロシェがどのように着実に販売網を広げて顧客を獲得し続けてきたのか、まずは同社製品の販売の歴史とともに見ていきましょう。

舞台は1956年のフランス北西部ブルターニュ。自宅にある30平米の屋根裏で1人、植物由来の美容クリームを開発していたのは、後に一大コスメ企業の創業者となる故イヴ・ロシェでした。研究開発は約3年に及び、新聞のアナウンスを通じて販売を始めたのが1959年のこと。植物が持つ力に着目した美容製品は瞬く間に評判となりました。

製品カタログによる通信販売は、1965年に始まります。「フランス通販のパイオニア」とも例えられる同社のカタログは、現在約1000万部の発行部数を記録し20ヶ国語に翻訳されています。2008年に発行した目の不自由な人向けの点字カタログは、その新しい試みが反響を呼びました。

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1969年には店舗販売をスタート。前述通り2018年現在、フランス国内の店舗数は680店に及び、いずれも都市部の中心街やショッピングモールなど立地のよい場所にあります。店頭ではポイントカード発行の他に、他社が行っていない独自のサービスへいち早く取り組んできました。それが次の章でご紹介する「DM(ダイレクトメール)のパーソナライゼーション」です。

パラグラフ3:パーソナライズドマーケティングで顧客の心をつかむ

イヴ・ロシェより3週間ごとに郵送されるハガキDMは、フランス国内居住者なら誰でも無料で会員登録ができ、登録後間もなく下記写真のようなハガキDMが指定先の住所に届くようになります。

ハガキの通信面には、その時期に企画しているプレゼント(左は店頭へ出向くだけでもらえる無料のもの、右は特別価格で買えるバッグなど)の告知、全商品が対象となる割引や会員カードに付くボーナスポイント、そして「1つ購入したら2つめは無料」などのキャンペーン情報が掲載されています。こちらは全会員へ向けた共通のお知らせとなっています。

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一方で、顧客の購入履歴を基にパーソナライズ化されている宛名面には、写真入りで「普段購入している商品」と「(年齢や肌タイプ、好みに合わせて)顧客に試してもらいたい商品」のセール情報が出ています。前者においては、もうすぐストックがなくなりそうな絶好のタイミングで受け取ることが多く、顧客情報管理が行き届いていることが容易に想像できます。他にも「ポイントカードに現時点でいくつポイントが溜まっているか」、「現在のポイントで得られる特典は何か」など、個人宛にお得な情報も知らせてくれます。
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この「共通の告知」と「個人へ向けたお知らせ」がバランスよく配置され、押しつけがましくないことが同社のハガキDMとして上げられる特長のひとつです。電子メールで同じものを受け取った場合には軽く流してしまいそうな情報も、改まって紙に印刷され手元に届くことでより顧客の印象に残りやすくなるのかもしれません。

まとめ

コアなリピーターの多いイヴ・ロシェが手掛けるハガキDMの事例は「プル型×プッシュ型」販促の面においても、参考になるところがあるのではないでしょうか。顧客心理を読み解き、時代に沿ったクロスメディア戦略を実践する同社の動きに今後も注目です。

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