古くは結婚相談所や音楽雑誌のバンドメンバー募集コーナーのような、人と人を繋ぐマッチングサービス。現在はウェブサイト(SNS)・アプリにメディアを移し、趣味や趣向で人を繋ぐサービスとして人気を博しています。
今回はいち早くマッチングの概念を取り入れた、ゴルフのラウンドマッチングサービス「1人予約ランド」を例に、ソーシャルマッチングサービスの概要とその可能性について紹介していきます。
1人ではできないけど…のニーズにマッチ
競技内容、またはプレー場所を確保する際の予算的な問題により、一人ではなかなか練習もできないスポーツがあります。ゴルフもそのひとつ。打ちっぱなしならまだしも、一人でラウンドできるゴルフ場は限られているのが実情でした。
そんな中サービスをスタートさせた1人予約ランドは、ゴルフ場、日時、最小催行人数が決められたプランから参加したいものを選ぶというシンプルなもの。これが「身近にゴルフ仲間がいない」「突然スケジュールに空きが出てゴルフがしたい」という人々のニーズにマッチしたのです。
サイトのユーザーにとってはラウンドできる機会が増え、ゴルフ場としてもコースの利用率を高めることができる有効なサービスとなり、現在では競合他社も参入するひとつの市場として確立。同様にフットサルやテニスなどのソーシャルマッチングサービスも利用されています。
また、スポーツ以外にも「食」や「体験」など、様々なジャンルにソーシャルマッチングサービスは展開しています。
ソーシャルマッチングを読み解くC2CとO2O
ウェブプロモーションやサービスにおいて、ここ数年定着した手法にC2CとO2Oがあります。
「1人予約ランド」をはじめ、ソーシャルマッチングはC2Cサービスとして提供されるケースがほとんど。C2CはCustomer to Customerの略で、顧客同士が取引を行うサービスの総称です。
サービスを提供する側は顧客が利用するプラットフォームを提供し、顧客がプラットフォームを介して他の顧客とコミュニケーションを取っていきます。代表的なサービスとして「ヤフオク!」をイメージすると、仕組みも把握しやすいのではないでしょうか。
C2Cのマネタイズは
- サービスの登録料
- マッチング時の手数料
- 広告掲載
などによって行われますが、KCC(京都クロスメディアクリエイティブセンター)などは、市場の開拓や育成を目的としおり、C2Cサービス自体でのマネタイズは行っていません。
O2OはOnline to Offlineのことでウェブから実店舗への送客施策のこと。(昨今では、OfflineからOnlineへ誘導する施策や、相互送客施策なども考えられる)
SNSなどで誰でも手軽に自らのメディアを持つことが出来るようになって以来、O2O施策はある程度の規模を持った企業だけでなく、個店にまで広く普及しています。最近の例ではLINE@を活用してのクーポン配布などがSNSを活用したシンプルで分かりやすいO2O施策です。
ウェブ上のプラットフォームで顧客同士がマッチングを行い、マッチしたメンバーがリアルの場に集まるソーシャルマッチング。
ニーズの多様化、高度化によって、今後サービスもそれに合わせていく必要がありますが、その一つの形がC2CやO2Oと言えるでしょう。
ソーシャルマッチングは、旅行、仕事、趣味趣向、運送、流通、金融など、様々な分野で利用されつつあります。まだまだ粗削りな部分もありますが、地域活性化や発展途上の分野などにも活用できるのではないでしょうか。