今までは人がネットワークを利用するためのデバイス(PCやスマートフォン)を通して、限定的にネットワークを活用していました。しかし、IoT(Internet of Things)が普及すれば身の回りのすべてのモノがネットワークに接続された状態となり、モノからサービスへと変化します。
生活と経済に対するインパクトは絶大で、第4次産業革命とも言われるIoT。活用事例や今後の展望をご紹介してきます。
15年前からIoT iポット
象印は2001年にネットワーク接続した電気ポット「iポット」を利用した、「みまもりほっとラインサービス」の提供を開始しました。iポットで給湯などをすると、その情報が登録された家族のもとに送信され、通常の生活を送れているか確認することができるサービス。サービスインから約15年が経つ、まさにIoTビジネスの先駆けと言える事例で、このようなヘルスケア分野はIoTのキラーコンテンツになると見られています。
家まるごとIoT スマートホーム(スマートハウス)
照明、空調、冷蔵庫、洗濯機、テレビなどなど、家庭にある家電をすべてIoTで管理しようと言うのがスマートホームです。住人が部屋を移動すれば自動で照明が切り替わり、全室快適な温度が保たれ、冷蔵庫の食材のストックがなくなればネット注文、仕事から家に帰る時間に合わせて洗濯が終わり、お風呂の準備ができている。と、便利(過ぎる?)な生活が待っています。
しかし、スマートホームの実現に向け現在ネックとなっているのが、各デバイスをまとめて管理するプラットフォームです。海外の有力企業Google、Apple、Amazon、さらには国内企業も参入し規格がまだ定まっておらず、IoT家電の開発が十分に進みにくい状態となっています。
IoTで農業改革
農業の自動化は日本よりも海外の大規模農業で特に進んでいる分野ですが、その中心となるのがIoTです。気温、湿度、日照時間、土地の乾き具合などをセンサーで把握し、連携した水・肥料・農薬散布機が自動で最適な量を撒く。これらにより農業の大部分を自動化することができ、従業者が足りない日本の農業をソリューションとなるかもしれません。
肥大化するビッグデータの管理
現代マーケティングの主役ビッグデータですが、IoTにより多種多様なデバイスからの情報取得が始まると、そのデータはさらに膨大なものとなります。そのビッグデータを効率的に管理・分析・運用するためのサービスも需要を伸ばしそうです。
現在マーケティング・オートメーション(MA)が注目されていますが、IoT時代に手動でのデータ管理には限度があり、MAも利用必須のソリューションとなりそうです。
デジタルセキュリティ市場の拡大
IoTの普及によりネットワークに接続されるデバイス数は爆発的に増加します。そこで大きな課題となるのが、デジタルデバイスのセキュリティ。従来とは比べ物にならない数のデバイスを管理するため、B2B、B2C共に新たなセキュリティ・ソリューションの研究・開発競争が予想されます。
ここまでコンシューマー向けの内容を中心に紹介しましたが、IoTは製造や流通にも大きな変化をもたらします。概念が理解しづらく、逆になんとなく分かった気持ちになってしまいがちですが、今後のビジネスに大きく関わるIoTのチェックは欠かせません。