ダイレクトメールといえば、有効な集客の方法として多くの企業で取り入れられているマーケティング手法の一つです。商品カタログや案内、お得な情報や最新情報などについて法人や個人向けに送ることで、ターゲットに何らかのアクションを促したり、効果的なコミュニケーションを取ったりすることができます。
このダイレクトメールに取り組みたいと考えているものの、まずは何から始めればいいかわからない、どうすれば効果のあるダイレクトメールが作成できるのかわからないとお悩みではありませんか?
そこで本記事では、このダイレクトメールの役割や種類などの基本事項から、効果的な制作のポイントをご紹介します。
ダイレクトメール(DM)とは?
ダイレクトメールは、頭文字をとってDMと略されることが多く、ダイレクトマーケティングの手法の一つです。ダイレクトマーケティングとは、ダイレクト、つまりテレビや新聞、ネットなどの広告、各種プロモーション、店頭の案内などのチャネルを介さずに、直接消費者とコミュニケーションを図るマーケティング手法のことです。
具体的には、郵便や他の配送方法によって直接、個人や法人に宛てて送付される案内状やカタログなどのことを指します。宛名が明記され、直接、相手に届くことから私的で個人的な性格を持つ送付物であるという特徴があります。顧客やターゲットに直接アプローチして商品を紹介できるのが特徴です。また宛名を特定しない、無宛名郵便もあります。
ダイレクトメールの種類を理解して使い分けよう
ダイレクトメールには、多数の種類があります。主に郵便、eメール、FAXの3種類があります。
郵便、eメール、FAXそれぞれにはメリット、デメリットがあり、用途によって使い分けると効果的です。例えば郵便は個人、法人共に送付が可能である上に、手にとって見てもらえる、インパクトのある色彩などで展開が可能、といったメリットがある反面、封入作業に手間がかかる、送付にある程度期間を要するといったデメリットがあります。一方、メールやFAXはよりスピーディーかつ手間がかかりにくいメリットがある反面、FAXは送付相手を選び、メールは迷惑メールに入ることもあるといったデメリットがあります。
また方法によっては住所やメールアドレスなどの個人情報の取得が必要になります。
もっと詳しく、これから郵便、eメール、FAXの違いをみていきましょう。
組み合わせ次第で印象を変えられる郵便
まずはDMを郵便で送る特徴を見ていきましょう。
郵便DMには、はがき、レターパック、圧縮はがき、ポストカードなどの種類があります。例えば、A4サイズの大判はがきDMや、ポストカードDM、二つ折りや三つ折りの圧着はがきDM、OPP封筒DMなどさまざまなDMを目にしたことがあるのではないでしょうか。このようにさまざまな種類があるというのがDM郵便という方法の一番の特徴といえます。
一般社団法人日本ダイレクトメール協会による「DMメディア実態調査2017」によると、自分宛に送られてきたDMの形状の内訳は次の結果となりました。
- 「はがき」41.4%
- 「封書」 23.5%
- 「A4サイズはがき」13.0%
- 「大型の封書」12.7%
特にA4サイズのはがきは、前年11.7%だったことから、着実な伸びが見られます。
また、チラシとDMとは似ているようで、似て非なるものです。チラシとDMの大きな違いは、ターゲットが明確になっているかどうかです。チラシは無差別的にポストに投函したり、街頭で配ったりするので、「誰宛て」というのが明確に定められていません。一方、DMは、直接指名して宛名を明記して送付・投函するのが一般的です。最近では無記名DMもありますが、一般的なDMは個人や法人宛てに届けられます。
このことから、チラシはターゲットを選べないというデメリットがあります。その点、郵便DMは私的な送付物であることから、相手に「自分宛ての手紙」という性格を持たせることができるため、ターゲットに身近に感じてもらえるというメリットがあります。
郵便DMで送付される郵送物の中身としては案内状などの印刷物やサンプルなど、さまざまです。
先の一般社団法人日本ダイレクトメール協会による同調査では、開封・閲読率は自分宛で74.3%を記録しており、DMの内容は「新商品・サービスの案内」「特売・セール・キャンペーンの案内」「商品・サービスの利用明細・請求書」などが多い結果となっていました。
ダイレクトメールを郵送して実感できる効果とは?
DMを顧客ターゲットへ郵送することにより、どのような効果が得られるのでしょうか。
- ●レスポンス率を計測できる
郵便DMは、必ずしも開封されたかどうかを知ることはできませんが、クーポンや割引券をつけることで、それを利用したかどうかは知ることができます。つまり、顧客の行動や反応などのレスポンス率の増減を計測できます。 - ●若年層だけでなく高齢の顧客もターゲットにしやすい
郵便DMは、ターゲットがeメール利用者に限られるeメールDMと比べて、若年層だけでなく、高齢層の顧客もターゲットにしやすいという特徴もあります。なぜなら一般社団法人日本ダイレクトメール協会による調査統計資料によると、紙のDMのほうがより幅広い年齢に好意的に受け入れられていることが分かっているためです。また高齢者にはeメールより紙の郵送物のほうが親和性が高いこと、見やすい、直接手に取るために視覚や触覚に訴えかけやすいといったことも推測できます。
【連載】「デジタル×アナログ」vol.1 マーケティングのデジタル化によってDMはどう変化する?!
郵便で送るダイレクトメールのメリットとデメリット
では、郵便で送るDMのメリットとデメリットをそれぞれ見ていきましょう。
<メリット>
- ●より多くの情報を伝えられる
カタログや封筒など紙に印刷して郵送することで、文字数や文字量、フォントサイズなどあらゆることを自由にレイアウトして作成することができるので、より多くの情報量を伝えられるというメリットがあります。
- ●視覚に訴えるインパクトのあるDMができる
デザインや色彩、素材などを工夫すれば、インパクトのあるDMを作ることができます、つまり視覚に訴えることができるというわけです。 - ●法人・個人のどちらにも活用できる
FAXは基本的に法人宛ての送付に限られますが、郵便なら個人宅に送付可能です。
<デメリット>
- ●開封されないことがある
紙のDMは、特に封書の場合、封を切るという工程が必要になるため、eメールやFAXと比べて、一動作では済まないことから、開封されないということが起きてきます。 - ●コスト高になりがち
紙のDMは、作成するのに手間と時間がかかることから、コスト高になりがちです。 - ●企画から発送までに時間を要する
企画してから作成、封入作業をして、そこから発送しても最短で届くのは翌日以降になります。とにかく郵便DMは時間を要します。
ダイレクトメールの郵送にはどのくらいの料金が必要?
DMを郵送で送る際には、どのくらいの料金が必要になるのでしょうか。
基本的に、発送数や封筒の厚さ、発送業者の選択などによって異なります。
送付方法には、自社で発送を行う場合と、DM発送業者に委託する場合とがあり、料金が異なってきます。
- ●自社で発送する場合
自社で発送する場合は、郵便や配送業者を利用することになるでしょう。基本的に定型内郵便であれば、郵送を選ぶのが一般的です。一般の料金ではなく、さまざまな割引制度がありますので、それらを駆使すれば安く抑えることもできます。
例えば、バーコード付郵便物は、一定の条件を満たす定形郵便物、通常はがき、往復はがきを同時に1,000通以上出すことで3%(往復はがきは1.5%)割引になります。その他、料金別納・料金後納については、1%~6%の割引が受けられることがあります。 - ●DM発送業者
DM発送業者に委託する場合、目安となる料金として、例えばある業者では、はがきDMを1000通送る場合、一通70円からとなるので、7万円になります。またはがして中身を見ることができる圧着はがきDMの場合、一通90円からとなるので、1000通送るのに9万円となります。封書DMは一通80円から、カタログは一通400円からになっています。もちろん、多く送付するほど安価になります、例えば、1万通、はがきDMを送る場合、55円からになるので、55万円になります。これはあくまで一例ですが、料金はこのように設定されているのが一般的です。
どんなタイミングで活用するのが正解?
郵便DMは、どのようなタイミングで活用するとよいのでしょうか。その活用事例パターンを見ていきましょう。
- ●顧客に届けたい情報量が多いとき
先に挙げた郵便DMのメリットとして、「情報量を多く掲載できる」というものがありました。このことから情報量をできるだけ多く載せたいものです。特にA4サイズの大判はがきのDMは、先にも述べた通り、一般社団法人日本ダイレクトメール協会による「DMメディア実態調査2017」によると、自分宛に送られてきたDMの形状の内訳として前年 11.7%から13.0%へと増えていることが分かっています。この増加の背景として、より情報量が定型サイズのはがきよりも掲載しやすいということがあると考えられます。 - ●高い開封率を目指したいとき
一般社団法人日本ダイレクトメール協会の同調査によると、封書、ハガキ、情報誌・カタログ、同梱パンフレット、折込チラシなどの紙のDM2,129通のうち、自分宛、家族宛含めて開封・閲読されたのは61.1%でした。特に自分宛のDM(1,225通)については74.3%と高い閲読率となっています。一方で、eメールの開封率は10%~25%前後であることが、ある米国の統計調査(Email marketing engagement and response statistics 2018)で分かっていることから、郵送物の紙によるDMは、高い開封率を目指したい場合に有効といえます。
まずは何から?郵便ダイレクトメールの手順
では、郵便DMを贈りたいと思ったら、どのような手順で企画・制作を行っていけばいいのでしょうか。まずは、企画立案から、制作まで、どのような流れで行っていくべきかをご紹介します。
- 1.コンセプトや目的を定める
まずは、DMのコンセプトや目的を明確に定めるのが先決です。DMは、高いレスポンスを出すことができる手法「リバース・エンジニアリング」を取り入れるとよいといわれています。これは、実際に贈られてきたDMを分解・解体することで、分析して改善点を見出す方法です。多くの高レスポンスの成功しているDMを見ていると、コンセプトや目的が非常に明確であるという特徴があります。そして誰にどのようなベネフィットをもたらし、どのように競合に対して差別化しているのかなどが明確に戦略立てて考えられているのです。このことから、DMを成功させるには、この第一段階のコンセプトや目的決定が非常に重要と考えられます。【連載】「デジタル×アナログ」vol.2 DM制作の課題あるある!リバース・エンジニアリングで解決しよう - 2.デザインや文章を考える
コンセプトや目的が決まったら、当然ターゲットも明確になっているはずです。その決定事項に基づいて、デザインや文章を考えます。このときにも、高レスポンスのDMに対してリバース・エンジニアリングを実施し、なぜそのデザインや文章が受け入れられたのか、ターゲットが行動したのかを明確にとらえることが重要です。 - 3.発送代行会社を選択
送付数が膨大である場合、発送代行会社を利用するのが一般的です。その場合、発送代行会社を自社の目的に合ったもの、コストなども考えて選びましょう。 - 4.ダイレクトメールのサイズを決める
業者選定と共に、予算を考える必要がありますが、そのときDMのサイズを検討する必要があります。 - 5.封筒の大きさとデザインを決める
封筒の大きさ、デザインを決めます。例えば、顧客の注意を引くために、紙の材質を触感が独特のものにする、開封させるために紙封筒ではなく、透明封筒を採用するといったことが考えられます。
ポイントを押さえてより効果的なダイレクトメールを作成
郵便DMは、ポイントを押さえて、より効果的なダイレクトメールを作成しましょう。
より効果を出しやすくするための方法として、次の方法をおすすめします。
- ●業種別や目的別で文章を変える
デザインはもちろん、キャッチコピーや文章などは、自社の業種や目的によって変える必要があります。一度効果の出たコピーがあれば、それを定型文として取り入れて利用するのもおすすめです。 - ●既存顧客向けや新規顧客開拓向けで文章を出し分ける
既存顧客と新規顧客とでは、当然、DMに掲載する文章は変える必要があります。うまく出し分けて、ポイントを押さえて効果的な郵便DMを作りましょう。
- 1.既存顧客向けの文章のポイント
既存顧客には、日頃の感謝の意味も込めて「親密感」「1対1」をベースに、DMを送ることの「特別感」を演出するといいでしょう。
例:
「先日はご来店ありがとうございました!また〇〇様にお会いできるのを楽しみにしております。」
「お誕生日おめでとうございます。この一年が〇〇様にとって幸せにあふれた最高の一年になりますよう、スタッフ一同祈っております。」
- 2.新規顧客向けの文章のポイント
新規顧客向けには、「キャンペーン・割引」といったお得な情報を一番に持ってくることがポイントです。また初回利用についてハードルを下げるための配慮、謙虚で丁寧な姿勢も重要です。また丁寧さと共に、堅くなりすぎないよう、親近感をプラスするといい印象になります。
例:
「ご新規様 特別キャンペーンのご案内」
「お2人様以上でご来店のお客様には、〇〇を進呈いたします。」
「2名様以上のグループでご利用のお客様には、〇〇をサービスいたします。」
「〇〇様のお役に立ちたく、このたび〇〇のご案内を送付させていただきました。」
手軽さがポイントのeメール
続いて、eメールによるDMの特徴や方法をみていきましょう。
DMは、広告メディアの一つです。広告メディアとして捉えた場合、eメールによるDMは、郵便やFAXと比べると手軽に始められ、コストも比較的抑えて実施することができるという特徴があります。
また、他にもレスポンスが計測しやすい、ターゲットを絞って送ることができるといったメリットもあります。
最低限必要な情報はメールアドレスのみで、既存の顧客リストを利用することもできます。また目的やコンテンツとしては、商品やサービスを得るため、疑問に答える、休眠顧客の掘り起こし、アップセルの案内、来店促進、自社サイトへの誘導などさまざまなことが考えられます。
eメールを送ることでどんな効果につながる?
eメールのDMを顧客に送ることで、どのような効果につながると考えられるでしょうか。
まず、商品を掲載しているインターネットコンテンツへつなげられるということは大きいでしょう。特に商品をECでも展開しているという場合は、ECサイトへ誘導することで、サイトアクセスが増え、その結果、売上がアップすることもあります。つまり集客の直接的な手段となり得るというわけです。
また、eメールによるDMは、インターネットを利用している若い世代にアプローチしやすいということもあります。
株式会社Finsightが2017年に20~60代に対して実施した、“プッシュ型チャネルで企業・ブランドから情報を受け取ること”に対する意識調査では、企業・ブランドからの情報を受け取ったことがあるチャネルは、eメールが86.8%、DMが60.4%となり、eメールのほうが多い結果になりました。
また「よく利用する企業・ブランドから情報を受け取りたいチャネル」も全年代eメールが最多でしたが、DMについては、20代は15%である一方。60代は49%と大きな開きが出ていました。20代などの若い世代は、やはり郵便DMよりもeメールDMのほうが親和性が高いようです。
知っておきたいeメールのメリットとデメリット
eメールによるDMは、どのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。それぞれ見ていきましょう。
<メリット>
- ●低コストで実現できる
eメールは紙のDMと比べて印刷の工程がなく、さらに発送もインターネット環境さえあればボタン一つで行うことができます。このことから、制作費、発送費などを含めたトータルコストが安価になる可能性があります - ●企画からeメール発送までが短期間で済む
eメールは郵送や配送と違い、送信すれば即座に到達させることができます。またデザインをはじめとした制作もデジタルデータで行い、印刷が不要であるため、短期間で実施できます。 - ●費用対効果が比較的高い
eメールによるDMは、郵便DMと比べて低コストに手間を最小限にとどめて実施できることから、費用対効果が比較的高いのもメリットです。 - ●商品サイトや企業のホームページへリンク付けできる
郵送DMでも、WEBサイトへの誘導を入れ込むことはできますが、eメールではリンクを貼っておけば、直接クリックするだけでWEBサイトへ即座に呼び込むことが可能です。
<デメリット>
- ●開封率が低くなりがち
eメールの開封率は、先にも述べた通り、郵便DMの開封率がと約60%であるのと比べて、10~20%といわれています。 - ●eメール利用者のみにしか送付できないため、ターゲットが偏りやすい
eメールは、当然、eメールを普段活用しているターゲットにしか有効ではないため、ターゲットが若い世代に偏りやすくなったり、範囲が狭くなったりします。 - ●「迷惑メール」扱いになることがある
eメールは受け取るメーラーなどによって、迷惑メールフィルターなどの機能により、自社で送ったeメールが何らかの理由で迷惑メール扱いになってしまうこともあります。
郵送と比べてどのくらい料金が安い?
eメールによるDMのメリットとして、低コストという点をご紹介しました。
では、郵送と比べて、どのくらい料金は安くなるのでしょうか。
まず、初期費用や基本料金が必要ないことが多い、もしくは安価で済むというメリットがあります。なぜなら、発送代行業者側としては、eメールは郵送や配送業者に依頼する必要がないため、そうした費用は不要になるケースが多いためです。
eメールDMは、1通2円ほどで送信できることが多いです。
発送業者によっては、配信数が増えればさらにコストを抑えられることもあります。
1通70~80円が相場のDMはがきと比べても、かなり安価に抑えられることが分かります。
こんな希望があるならeメール活用のタイミング!
もし、自社に次のような希望が出てきたら、それはeメール活用の良いタイミングと言えます。
- ●実用性の高いマーケティングを行いたいとき
とにかくDMをスピーディーに始めたい、まずはスモールスタートで、予算が限られている、よりコストパフォーマンスが求められるといった場合にeメールはおすすめです。導入ハードルが低く簡単に実施でき、低コストなのにも関わらずレスポンスが高く、反応が数値で分かる上に、テスト可能など、企業が導入しやすいことから実用的なマーケティング手法だからです。 - ●顧客の反応をオンタイムで確認できるマーケティングを始めたいとき
eメールによるDMは、郵便DMと異なり、開封後のアクションまでの期間が短縮でき、場合によってはオンタイムで確認できます。なぜなら、eメールにWEBサイトへのリンクを貼っておけば、eメールを開封し、そのリンクをクリックすれば、容易に計測できるためです。
eメール作成の手順をおさらいしよう
eメールによるDMを制作する際には、企画・デザイン、制作といった工程はもちろんのこと、発送代行業者の選定などさまざまな工程が考えられます。一度、その手順を確認しておきましょう。
- 1.コンセプト・目的を決める
郵便DMと同様、eメールを送ることのコンセプトや目的を決めましょう。同時にターゲットも明確にします。 - 2.発送代行業者を使う場合は業者を選定する
発送代行業者を利用する場合は、先に業者を選定するとよいでしょう。コストが決まり、必要な情報やコンテンツが自ずと決まっていきます。業者選定でポイントになるのは、コストが抑えられることと共に、対応スピードや修正に対して柔軟に対応してくれる、デザインに自信があるなど、自社が求める強みを持っているところを選ぶといいでしょう。 - 3.通知したい情報や商品を決めて文面を決める
どのようなeメールを作成できるのか業者に確認し、情報や商品を設定して文面を決めましょう。初めに決めたコンセプトや目的、ターゲットに合わせて作ります。メールの件名も重要です。 - 4.送信日時を決めてテスト配信を行う
送信日時が決まったら、テスト配信を行い、どのような見え方になるのか確認します。テスト配信後に問題があれば修正して本配信に備えます。 - 5.配信設定を行う
配信設定を行い、決められた送信日時に送信してもらいます。
顧客の心を掴むメール文面の作り方
eメールも、郵便DMと同様、デザインだけでなく、文面にも力を入れましょう。顧客の心を掴むためのメール文面の作り方のポイントをご紹介します。
- ●1人に向けて書かれた文章を意識して作成する
今の時代、各企業は顧客のニーズに合ったコンテンツをタイミングよく提供することに努めています。このような多数のメールやDM、広告の中から、自社のeメールに注目してもらうためには、1人、「あなただけ」に書かれた文章を意識して作成することがポイントになります。個人名が分かる場合、「〇〇〇〇様」と冒頭に掲げるというのもおすすめです。 - ●言いたいことが明確・親しみがある
また文章を書いた人は何が言いたいのか明確に伝わってくる文章が欠かせません。また親しみやぬくもり、人柄が分かるとより興味を持って読んでもらえるでしょう。 - ●「ご案内」といった「売り込み」文句は入れない
eメールで迷惑に感じるのは、「売り込み」のメールではないでしょうか。「〇〇のご案内」といったメールタイトルや本文の題名は、そもそも読んでもらえる可能性が低くなります。商品とは関係のないターゲットが最も共感し、同意を得られる話題から入るのが読んでもらえるコツです。「そろそろ春。新生活に向けて準備をはじめる時期です」など、季節ネタは一般的に共感しやすいでしょう。 - ●開封率アップに効果的な件名にする
開封率アップに効果的な懸命にするのも欠かせません。
例:
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見逃しがちなメリットも多いFAX
続いては、FAXによるDMについてご紹介します。FAXDMは、主に法人に向けて送付する方法です。FAXDMとは、通常、A4サイズの用紙1枚に文字やイラスト、写真などを含めた情報をFAXで送信するものです。
会社のFAX機に直接届くという特徴があり、もらう側は開封する手間はありません。
送付には、送り先の会社のFAX番号、FAX送信端末が必要になります
このFAXDMについては、郵便DMやeメールDMと比べて利用の機会が少なくなりがちな方法ですが、見逃しがちなメリットもあります。場合によっては利用すると有益なケースもありますので、その特徴やメリットを詳しく知っておきましょう。
意外と効果的なFAXの魅力
FAXDMには、意外と効果的な特徴があります。その魅力を知っておきましょう。
- ●一度に大量に送付することもできる
FAXDMは、一度に大量に同じ内容のFAXを送付することができます。 - ●ほぼ確実に手にとってもらえる
FAXDMは、ほぼ必ず一旦、FAXが届いた場所から手に取る必要があるため、一見もしくは一読してもらえる可能性が高いことから、商品やサービスのアピールにつながると言えます。 - ●開封率の高いダイレクトメールを実現できる
FAXDMはFAXとして用紙が届けられることから、人が手に取った瞬間に目に入ります。そのため、開封率の面からすれば高いと言えます。FAXなので、厳密には「開封率」ではありませんが、DMとして見てもらいやすい種類と言えます。
メリットとデメリットを天秤にかけて活用しよう
FAXDMのメリットとデメリットをみていきましょう。それぞれをよく考えて用しましょう。
<メリット>
- ●開封率が高い
郵便やeメールは必ず「開封」という作業が必要ですが、FAXはそれが不要なので、開封率、つまり直接見てもらえる可能性は高くなります。 - ●コストパフォーマンスが高い
FAXDMは一通当たりの値段が郵便DM、eメールDMよりも安価といわれています。また、作業工数も少ないため、作業工数という点も含めた場合のコストパフォーマンスもよくなる可能性があります。 - ●送付から顧客のレスポンスを受け取るまでの時間が短い
FAXDMは、開封という工程がないことから、その分、送付してから顧客からの何らかのレスポンスまでの時間が短くなります。
<デメリット>
- ●限られたサイズ・カラー送信ができない場合が多くデザインの幅が狭まりやすい
FAXDMは、基本的にA4サイズ1枚に表現する必要があり、さらにカラー送信できずモノクロ送信となるため、デザインの自由度が狭くなります。 - ●クレーム対応の準備が必要
もし一般消費者にFAXDMを送る場合、特定商取引法により、必ずFAXDM送付の同意を得ることが必要になります。相手が法人である場合は不要ですが、法人であっても配慮は欠かせません。例えば何度も同じ内容のFAXDMを送るといった行為をするのはもちろん、相手企業にとってそれほどベネフィットのない内容であれば、クレームにつながることもあります。
3種類中最安?FAXの料金
続いては、FAXDMの料金について見ていきましょう。
FAXDMは、発送代行業者に依頼した場合、送料は1枚約3円からで、4~5円というのが相場であるため、低コストで済みます。
また業者によっては規定枚数以上で手数料が発生しないところもあるため、数多く送れば送るほど安くなる傾向があります。
一般的に、郵便DMははがき一通あたり50~70円が最低価格になりますので、FAXDMは郵便DMに比べてトータルで考えても低コストで活用できる方法といえます。
FAX活用がおすすめなのはどんなタイミング?
FAXDMは、メリットも多い反面、クレームの懸念などのデメリットもつきまといます。常時FAXDMを活用するのではなく、必要に応じて、必要なタイミングで利用するのが賢い方法といえます。
例えば、次のようなタイミングはFAXDMのメリットを活用できそうです。
- ●スピーディーな送付とレスポンスを実現したいとき
FAXDMは、制作から送付、そしてレスポンスまでのスピードが速いのがメリットですので、とにかくスピーディーさを求める場合に向いているといえます。 - ●顧客の意見を直接聞きたいとき
アンケート形式は、FAXDMの反応率を高める手法の一つです。もしアンケートを募りたいことがある場合、反応のスピードも期待できるFAXDMは適しているといえます。 - ●興味関心の高いターゲットのとき
クレームが懸念されるのであれば、送られて迷惑に感じないターゲット、つまり自社に興味関心が高まっているターゲットであれば、FAXDMを選んでもクレームの懸念は少なくなると考えられます。
手順を押さえてスムーズにFAXを送信
FAXDMを送るときにも、次のように手順を押さえて、効率よくスムーズにFAXを送信しましょう。
- 1.コンセプトや目的を決める
コンセプトや目的を明確に決めて、ターゲットを選定することはFAXDMにおいてもかかせません。 - 2.通知したい情報を選択する
FAXDMは、まず通知したい情報をよく選ぶことが必要です。FAXDMに適した内容であるかどうかを確認しましょう。 - 3.文章とデザインを考える
中身が決まったら、具体的にFAXの文章とデザインを考えていきます。文章は、文字量や文字の大きさを踏まえて、よりキャッチーで分かりやすい文言が重要です。またデザインは、A4サイズにチラシ型やレター型があります。 - 4.顧客リストから顧客を選択
ターゲットとなる顧客リストから、送る顧客を選択しましょう。 - 5.発送代行業者を利用する場合はデータを送信する
発送代行業者に委託する場合は、データを発送業者に送信します。
簡単に実施できるFAX作成のポイント
FAXDMは、比較的手軽に実施できます。より効果的に実施するためには次のポイントを押さえましょう。
- ●効果的なFAXDMを書く
FAXDMの効果を上げるには書き方も重要です。 - ・宛先コピーの書き方
まずタイトルとなる宛先コピーは、ただ「◯◯の方へ」「◯◯様へ」とするのではなく、「□□でお悩みの◯◯様へ」といったようにターゲットの悩みを加えると「自分のことだ」「まさに今悩んでることだ」と思ってもらいやすくなります。 - ・キャッチコピーの書き方
キャッチコピーは、ベネフィットを含めるか、「これを知らないorやらないとデメリットがある」旨を示すかの、どちらかを行うとよいでしょう。 - ●特典や限定性を持たせる
「1月中にはがき持参で20%OFF」などの期間限定の無料オファー(購買・来店などのアクションへの動機づけ)や割引特典、アンケート回答と引き換えに特典をつけることなどにより、相手はベネフィットを感じやすくなります。 - ●デザインはチラシ型かレター型かを選ぶ
FAXDMのデザインは一般的にチラシ型かレター型だといわれています。チラシ型はチラシのように構成するため目立つことから広告色が強くなりますが、強みや売りを伝えたいときに向いています。一方、レター型は基本的に文章だけで、広告色は減るため読んでもらいやすくなります。より堅い、もしくは高額商材の場合に向いているでしょう。
ベネフィットの例
「30代の女性が〇年以内に〇〇する方法」
「○○できる秘密を限定公開!」
デメリットの例
「○○や△△のときにやりがちな、もっとも大きな間違いを避ける方法」「○○はあなたに不利益をもたらしていること、ご存知でしたか?」
ダイレクトメールを成功させるポイントとは?
郵便、eメール、FAXとさまざまな種類があるDM。成功させるためには共通したポイントがあります。
- ●買い手に訴えかけるコピーライティングを作る
DMで最も重要なのはコピーライティングです。コンセプトや目的を達成する行動をターゲットである買い手に訴えかけ、心を掴むためには、効果的なコピーライティングが欠かせません。
ポイントは、限定性や希少性を持たせることにあります。安さや価格優位性は買い手にとって一番魅力的なキーワードです。
例:「たった◯円で」「全品40%オフ」「今だけ無料」「限定◯個」
- ●ターゲットの設定を行う
DM成功のカギはターゲット設定にあるといっても過言ではありません。ターゲットを誤るとコストの無駄につながることもありますし、何より成果が出ません。正しいターゲット設定を行いましょう。 - ●送付後の振り返りで顧客の反応を確かめる
DMを送付したら、必ず振り返りを行い、顧客の反応率などを確かめましょう。目的・ターゲット・原稿はどうなのかと反応を多角的にみて、改善点を客観的に判断して、次回の施策に生かしましょう。
デザインに困ったらこれを思い出そう
もしDMを製作していてデザインに困ったら、次のことを思い出しましょう。
まず、郵便、eメール、FAXと、どの媒体を選ぶにしても「読みやすさ」を重視することです。読みやすさはとても大切です。
読みやすいDMの条件には主に次のものがあります。
- ・適度な余白
- ・適した書体やフォントサイズ
- ・シンプルさ
- ・目立たせたい部分が目立っている
また郵便の場合は、カラーを配色を意識して作成すると良いでしょう。
ターゲットにどのようなイメージを与えたいのかを明確にした色選びを行いましょう。例えば購買意欲をかきたてるには「赤」、高級感なら「黒」や「紫」、女性や子ども向けなら「ピンク」といった選色です。商品や企業のイメージカラーがあればそれを出すのも一つの方法です。
開封率アップを狙うダイレクトメール(DM)のデザインとは
【資料DL有り】紙のDMで効果を上げるための3つのポイント
ダイレクトメールで大切な「ストーリー」とは?
DMを制作、送付するにあたり、大切なのが「ストーリー」を意識することです。
「気づき・共感・行動」につなげるキャッチコピーやストーリーが必要です。例えば見込み顧客が何かの課題に気づき、その課題解決のために、商品が役立つことを知り、共感してさらに情報収集の行動に出る、もしくは来店、購買するというアクションを起こすというストーリーが考えられます。
こうしたアクションを促すことで、売上・利益につなげることがゴールになります。
また商品説明にストーリー性を持たせることも必要です。顧客からの口コミを載せて、どのように課題が解決できたのかを示すなどの方法もあります。
発送のタイミングに正解はある?
DMは、発送のタイミングはいつが良いのでしょうか。より効果的なタイミングというのはあるのでしょうか?
基本的には業種やおすすめしたい商品によってもタイミングが異なるため、一概には言えませんが、一般的には、購買意欲が高まりやすい給料日の後や、新生活がスタートする1月・4月・9月がよいとされています。また読んでもらうためには、時間に余裕が生まれやすい週末や長期休暇の直前もよいとされています。
自社の送るDMの目的や商材の特徴に合ったタイミングを見つけましょう。
開封率アップを目指すならオファーが大事?
DMを送ったら開封率アップを目指したいものです。そのようなときに有効なのがオファーです。
オファーとは、マーケティングにおいて、ターゲットに実行してほしいアクションを実行する動機付けとなる情報や価値のことです。
DMでは、顧客が行動に移したくなるオファーを提案することがポイントになります。例えば「ハガキ持参で15%オフ」「期間限定で割引」などがあります。
またオファーには、次のような種類もあります。プラスαで購入すると特典がある「2個お買い上げの方は送料無料」などや「対象商品をお買い上げの方全員に最大20,000円キャッシュバック」などのキャッシュバック、保証に関する情報などです。
これらのオファーをDMに付けることで、よりDMの反応率を上げることが期待できます。
デリバリー手段の選択でコスト削減も可能
DMを郵便で送る場合、どの手段で送付するかということで、DMのコストが左右されます。
そのデリバリー手段は複数あり、郵便だけでなくメール便をはじめとした宅配業者による宅配便も活用できます。
それぞれに特徴があり、DMのサイズ、通数、配達日数、配達されたかどうかの通知の有無など、送ろうとしているDMによって適しているものが変わります。
その上でコスト削減になるかどうかを計算してみましょう。
ターゲットセグメントで効果を実感できるダイレクトメールへ
DMの効果を実感するためには、ターゲットのセグメントが重要です。
ポイントは、企業が持つ課題や抱える悩みによって顧客をセグメントすることです。
例えばリピート率をアップしたいのか、新規顧客を開拓したいのかといったことで、対象となるターゲットは変わります。
また顧客をセグメントしてダイレクトメールを送ることもDMの効果を上げるためには欠かせません。
顧客リストをあらかじめ、重要顧客、休眠顧客、新規顧客などと細かく分けておき、送るDMに適したセグメント条件で送りましょう。
ダイレクトメール成功のカギを握るのはペルソナの設定にあり?
DM成功のカギを握るのは、ペルソナです。ペルソナをいかに設定するかが重要になります。
つまり、誰に届けたいのかというターゲットについて、年齢、性別、家族構成、職業、趣味などを設定して、ペルソナ化するのがポイントになります。このように細かく設定すると、ダイレクトにターゲットに訴えかけられる可能性が高まります。
そしてペルソナのニーズを満たすキャッチコピーや文章、デザインのダイレクトメールを作成するようにしましょう。
ペルソナ活用のススメ 「顧客」を知ればマーケティングが変わる!
CRM連動で顧客のためのダイレクトメールを作ろう
DMを作る際に、もう一つ、ポイントとして加えたいことがあります。それはCRM分析を行い、より顧客に寄り添うダイレクトメールの作成につなげるということです。
CRMとは「Customer Relationship Management」の略であり、顧客との関係を構築・管理するマネジメント手法です。CRMは顧客を中心にとらえ、嗜好に合った商品・サービスを提供する考え方に基づいています。
このCRMの考え方をDMに取り入れて分析を行い、その分析結果を踏まえて開封率や反応率の高いDMを作ることがポイントになります。
主な CRM分析の手法には、RFM分析、デシル分析、セグメンテーション分析などがあります。これにより、顧客がどのような特性、傾向を持っているのか知ることができます。
顧客について詳しく知ることで、よりターゲットを絞って効果的なダイレクトメールを送ることができるようになります。
効果測定は次へのヒントとなる?
DMを発送したら、その効果測定を実施し、それを踏まえて再考、改善していくことが欠かせません。その効果測定の具体的な方法について考えていきましょう。
効果測定を行うのにトータルのDM費、つまりそのDM送付でかかった総額コストを出し、費用対効果を出しましょう。計算式は下記のようになります。
総DM費 = 制作費 + 印刷費 + 封入などの発送作業費 + 郵送・配送費
この総DM費が分かれば、例えばCPR(Cost Per Response)つまり、レスポンス1件あたりの獲得単価を知ることができます。
CPR(円)= トータルのDM費 ÷ レスポンス件数
レスポンス件数は、効果測定で知ることができます。
効果測定を行う手段には、複数種類があります。
例えば、DMを送付した顧客へアンケート、口頭確認を実施する方法や、DMに割引券やクーポン券を付帯させておき店頭で使用された率を調べる方法、郵便DMやEメールにDM専用のURLを設定しておき、そのページへのアクセス数を調べる方法などがあります。
このように効果測定を行い、DM にどのくらいの成果が出たのか知ることで次へのヒントになります。
ダイレクトメールの効果を左右する印刷手法
郵送DMの場合は、印刷手法によっても成果は左右されます。
例えばDMの印刷用紙の選定は開封率に影響します。
DMによく使われるのは官製ハガキとほぼ同じ厚さの180kgです。斤量は用紙の厚さを表す単位で、原紙1,000枚の時の重さ(kg)で表します。一般的に、重厚感のある厚めの紙のほうが信頼感を醸成できることから反応率が高いといわれているため、より重い用紙を使用することもあります。
これだけで開封率が変わる?印刷の種類
DMの開封率は印刷の用紙や印刷の方法によっても変わってくると考えられます。
普通のはがきから、上質紙を利用したもの、またインクも耐水性や発色性に優れたものなどがあります。また、ラミネート加工などの特殊印刷を施すことでも効果が期待できます。
- ●印刷用紙
コート紙、マットコート紙、上質紙などがあり、それぞれ仕上がりが異なります。 - ●印刷用紙の厚み
一般的に、はがきは180kg以上、コート紙で薄いものは55~70kgほどですが、110kg~135kgにして厚みを上げることで上質にする方法もあります。厚手の紙になればなるほど料金が高くなります。 - ●加工
圧着はがきのように、フィルムを表面に貼るラミネート加工を施すといった印刷加工を行うことがあります。
DMの印刷は、印刷業者に依頼するのが一般的で、デザインから印刷まで請け負う会社もあります。上記のような印刷の種類は委託業者によって取り扱っているものや価格が変わってきますので、できることとコストを確認し、用紙別に与える印象などの知識のある業者に依頼するのをおすすめします。
視覚や触覚に訴えるダイレクトメールとは
DMは、手に取った瞬間に読み手がどのように受け取るかということがとても重要になります。開封する必要のあるDMになると、特に「開封したくなる」視覚や触覚に訴えるDMにする必要があります。
DMは、用紙のサイズや質感でっ随分印象を変えられます。紙の種類を変え、質感を変えることで高級感や手触りの良さを加えることができます。
例えば、コート紙はつるつるしている手触りで写真に向いており、マット紙は文字の多いものに向いており、上質紙はざらざらしていることから、書きやすさがあるためアンケート用紙などに向いています。このように用途や内容、与えたい印象に応じて用紙の質感を選ぶと良いでしょう。
また、文字を浮き立たせる「エンボス加工」などの特殊加工や、色鮮やかに印刷できる用紙を選ぶことなどでも、視覚に訴えるデザインにすることもできます。
顧客への第一印象につながる封筒選び
封筒についても重要です。封筒は、開封率に直接かかわってくる上に、顧客への第一印象を決めるものになるためです。
封筒は、興味を引くデザインにすることで開封率や効果も変化すると言えます。
- ●ティーザーで開封率アップ
封筒には「ティーザー」というテクニックを活用すると効果的です。ティーザーとは、「じらす」「好奇心をそそる」などの意味で、封筒に施すと思わず開封したくなる仕掛けのことを指します。例えば、気を引くコピーを載せるのが一般的です。
もし封筒に「割引券在中」「サンプル在中」などと書かれていたら、思わず開けたくなるのではないでしょうか。他にも割引やキャンペーンを記載したり、期限があることを知らせたりすることも有効です。 - ●封筒の材質を選ぶ
封筒には、紙の封筒の他に、透明のビニール封筒もあります。一般的に、紙の封筒のほうがコストが高いため、透明のビニール封筒にすることでコストが抑えられます。また透明のビニール封筒は中身が見えるため、信頼感を与えやすいですし、ビジュアルで訴求しやすい商品の場合、開封しなくても見えるというのは強みになります。一般的にはOPP封筒やCPP封筒と呼ばれます。【DL資料有り】DMの開封率を上げるために押さえておくべき2つの古典的テクニック
ダイレクトメールを利用して効果的なマーケティングにつなげよう
これまで、DMを利用して効果的なマーケティングにつなげる方法をご紹介してきました。
ターゲットを絞ったマーケティングや新規顧客拡大などにダイレクトメールの利用は効果的です。このことから、すべての種類のDMに共通して言えることは、ターゲットをしっかり明確にした上で行うことが大前提であるということです。
また、コストや目的に合わせてDMの種類やデザイン、印刷などの方法を変えてみるのをおすすめします。
効果測定をしっかり行い、たとえ良い結果が出なかったとしても、なぜ振るわなかったのかの課題の仮設を立てて改善し、成果を出せるDMを制作しましょう。