「アンノウンマーケティング」という言葉をご存じですか?
Unknown=まだ正体の分からない見込み顧客に対して個別化されたアプローチをかけていくという、数十年前には考えられなかった魔法のような手法が、デジタルテクノロジーによって可能になりました。その背景には、日本国内におけるマーケティングオートメーション/DMPの急激な普及があると考えられています。

この記事では、昨今注目を集めているアンノウンマーケティングについて説明します。

アンノウンマーケティングとは

アンノウンマーケティングとは、アンノウン(Unknown=まだ知らない)ユーザー(匿名ユーザー)に対して行われるマーケティング施策です。
一般にマーケティングコミュニケーションというと、資料請求や商品購入などのアクションを通じてメールアドレスや住所、SNSアカウントなどの連絡先を獲得できているリードを対象として行われるのが普通です。

しかし、Webサイトを訪れはしたものの資料請求などのアクションには至っていない「アンノウン・リード(正体不明の潜在顧客)」は思いのほか多く、一説によればサイト訪問者の98%以上がアンノウン・リードであるとも言われています。

このような「顔の見えないリード」に対して適切なアプローチを展開していくのが、アンノウンマーケティングです。

なぜ今、アンノウンマーケティングなのか?

アンノウン・リードは有力な見込み顧客になり得ますが、従来はこうした「正体不明の潜在顧客」に対して高度に個別化されたアプローチをかけるのは非常に難しいことでした。

しかし、Web技術やDMP参考リンク:DMPがデータ駆動型マーケティングを加速するといったテクノロジーの進歩を受けて、こうしたアンノウン・リードに一意なIDを割り当てて特定し、行動履歴などに基づいて、個別化されたWeb接客を行うことが可能となってきたのです。また、データ解析や人工知能などの技術も目覚ましく発達し、行動履歴を分析してコンテンツの出し分けまでを半自動的に行うようなツールも次々に登場してきています。

このような状況を背景として、昨今、急激にアンノウンマーケティングへの関心が高まりつつあるようです。

アンノウンマーケティングはどのように行われるのか

アンノウンマーケティングでは、Webサイトを訪問したユーザーにCookieなどを利用して個別のIDを割り当て、「顔は見えないが一意に特定された一人のユーザー」として扱うことを可能とします。
そのうえで、Web上でのユーザーの行動履歴を差しさわりのない範囲でモニターし、それに基づいて適切なコンテンツを出し分けたり、バナー広告の表示を切り替えたりといったアプローチを展開します。

昨今はパブリックDMPとWebサイトのCMS、広告出稿システムなどをシームレスに連動させ、計算されつくしたアプローチを自然な形で行うことができるようになりました。

楽天市場やAmazonなどのショッピングサイトで何気なく閲覧した商品がFacebookやTwitterなどに広告として表示され、驚いた経験をお持ちの方は少なくないのではないでしょうか。あのような追跡型の広告も、アンノウンマーケティングの1つの形だと言うことができるでしょう。

気づかないうちに行動履歴を追跡されていることを不快に感じる顧客もいるため、アンノウンマーケティングは慎重な計画に基づいて行わなければなりません。しかし、うまく活用すれば今後のWebマーケティングシーンにおいて、非常に強力な武器になるはずです。

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