単独世帯のクリスマス!リアルな食事データからひも解く消費者インサイト

「夫婦と子からなる世帯」はこれまで一般世帯数の40%以上を占める主要な類型でしたが、2040年までには23.3%まで低下することが見込まれています。

お茶の間で楽しまれている「クレヨンしんちゃん」のような、「夫婦+子2人」で、夫が働き、妻は専業主婦という世帯構成は、今や「標準」ではなくなりつつあり、逆に「単独世帯」は急速に増加しています。2015年には一般総世帯数に占める割合が34.5%、2040年には39.3%にのぼり「夫婦と子からなる世帯」を超えると予想されています。
このような人口構造の変化は、消費行動にも大きな影響を及ぼします。
今回は、「リア食」の開発者である、共同印刷トータルソリューションオフィスの今井孝典にインタビューし、2040年には一般世帯数の4割近くを占めると予想されている「単独世帯」に着目し、リアルな食事データからわかる、消費行動の変化や消費者インサイトにせまります!

■『クリスマス』の食卓調査からわかる「単独世帯」の傾向

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2017年12月22日~26日の『クリスマス』の食卓調査から、「単独世帯」の傾向を見てみると「夫婦のみ」や「夫婦+子」の世帯に比べ、参加率が若干低下しますが、世代を問わずクリスマスのお祝いが広く実施されていることがわかります。

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また、「クリスマスの食事でこだわったこと」という質問では、単独世帯の男性は「十分なボリューム」と「価格を抑えた」がそれぞれ40%を占め、男性はボリューム勝負であることがわかります。

単独世帯の女性は「特になし」が29.4%で一番多くなっています。クリスマスというイベントに対して、あまりこだわりを持っていないということがわかります。その次に「家族みんなが楽しめるメニュー」で23.5%。単独世帯とはいえ、年末年始に近いため、実家に帰省する人も多く、家族でクリスマスを過ごす場合も多いようです。

単独男性
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単独女性
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次に時間別に食事内容を見てみると、「朝」はケーキを食べる世帯が比較的多く、前日の残りを翌日の朝食や夜に食べることが多いのがわかります。
また女性の場合、いろいろな種類を食べたいという傾向にあるため、一度に食べきることができず、クリスマス当日だけでなく、その前後をクリスマスメニューの残り物で済ませていることもわかります。
子どもがいる世帯になると、「クリスマスの当日だけクリスマスメニュー」というようにはっきりしていますが、単独世帯の場合は、クリスマス前後の長い期間にわたりクリスマスメニューを楽しんでいることがわかります。 

「夕食」になると、男性はとにかく「肉」祭りです。野菜など栄養バランスは関係なく、とにかく肉!肉!という食事になります。七面鳥を丸ごと一羽という人もいます。
単独世帯なので、食べたいものを気が向くまま何でも食べることができます。
こういった人たちに対して、栄養バランスがどうこうという提案をしたところで意味はありません。欲望をかきたてるような、オードブルならぬ「肉プレート」を用意した方が効果的かもしれません。一つのプレートに甘い味付けの肉があったり、辛い味付けがあったり…と欲に忠実な提案が刺さると思います。
逆に女性は、野菜が目立ってきます。また特徴的なのが、小分けになったおかずを何種類も買って、自分用のプレートを作り上げることです。男性はコンビニで食事を買う場合、おかずもご飯もすべて入ったお弁当を買うことが多いですが、女性は違います。
クリスマスの食事を見てもわかるとおり、「チキン+野菜メニュー2種類」というように、自分なりの食事を構築する傾向にあります。

 この結果から、男女によってアプローチを変えると効果的なのではと考えられます。
例えば、いろいろなものを食べたい女性に対しては、小分けのおかずを数種類用意してリーズナブルに提供したり、買いすぎて食べ残してしまうことを見越して、食べ残した部分だけを保管できるパックの形状にしたりするなど、工夫の余地はありそうです。
写真を見る限り、ほとんどの人が残して翌日以降も食べています。
お惣菜を販売する立場としては、衛生上その日のうちに食べてもらいたいと思いますが、消費者インサイトをうまく拾った販売方法が考えられるといいのではと思います。

「夜食」では単身赴任中の男性のコメントが特徴的です。
ケーキの写真と一緒に「単身赴任の淋しいクリスマス」というコメントが添えられていたりします。
これはバブル世代に多く見られる傾向です。最近の若い世代はクリスマスを一人で過ごすことに抵抗は感じていませんが、バブル世代にとっては「淋しい人」というイメージがあるのが特徴です。 

■「親+子ども世帯」との食卓比較

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「単身世帯」との比較として「親+子ども世帯」の夕食を見てみると、テーブルがとても賑やかになります。メインの食事にはお寿司が多く見られます。

クリスマス時期スーパーのお惣菜コーナーでは、お寿司が一番売れています。普段のパックに柊のシールを貼るなどして、クリスマス仕様にしているお店を多く見かけます。
洋食文化の頂点であったクリスマスですが、食卓を見ると和洋折衷なメニューがならび、非常に大衆化していることがわかります。
では同じ海外から入ってきたイベントである、ハロウィンはどうかというと、お寿司の出現率は1%以下。クリスマスがいかに日本人の生活に馴染んでいるかが良くわかります。 

「クリスマス」の食事データから見える「単独世帯」の傾向を話してきましたが、これに世の中の平均的なお財布事情データを掛け合わせるとより深い考察が可能になります。
厚生労働省が行っている「各種世帯の所得等の状況」(平成29年調査)では、平均所得金額(560万2千円)以下の割合は61.5%としています。
また世帯主の年齢階級別の所得状況でみると、「単独世帯」の割合が多い29歳以下の平均所得金額は350万円で最も低くなっています。
このような各世帯の経済状況を背景に、若い世代の食離れが進んでいると言われています。
リア食を始めて3年ほどですが、明らかに食事の品目数が減ってきていることがわかります。
とにかくお腹が満たされればいいという人も少なくなく、安く大量に仕入れることができて、長持ちする食材を買い求める傾向にあります。
また自炊に当たる「内食」をとる人は少なく、「中食」と呼ばれるお惣菜などを1品購入し、後は家で炊いたご飯と食べるという人が圧倒的に多いこともわかります。

こういった食への関心の薄れを防ぐためにも、「クリスマス」のようなイベントが起爆剤となり、「食べる楽しみ」を知る機会になればいいなと強く感じています。

「食」は必ずしも食品メーカーやスーパーのような小売りに限った話ではありません。
飲食店やクリスマスイベントを企画する旅行会社、食べ物を特集したWebサイトや雑誌、健康促進を推す家電メーカー、トレタリーメーカーなども「食」生活に関するデータは活用可能だと考えています。
共同印刷では、食卓調査サービス『リア食』を提供しています。リア食は全国約5000人の生活者モニターから収集した食卓画像および画像と紐づいたアンケートデータをマーケティングデータとして提供しています。“いつ・どこで・誰と・なぜ・何を”という「食卓の実態」を浮き彫りにして、生活者のニーズをより具体的に把握できます。また、リア食による具体的実態を踏まえた上での、商品開発支援、販促支援なども提案しています。

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ワークショップURL
https://riashoku.com/User#info

共同印刷株式会社
トータルソリューションオフィス
マーケティング企画部 担当課長
今井 孝典

シンクタンク、Webマーケティング会社を経て、2009年共同印刷入社。サービス開発分野、マーケティングリサーチ分野、Webマーケティング分野、組織開発・人材育成分野を中心に担当。2016年には、食卓調査サービス『リア食』をリリース。

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