Z世代とミレニアル世代といった、生まれたときからデジタルに親しんできたデジタルネイティブ世代は、それより前の世代の感覚とは、また違う感覚を持っているといわれています。特に注目したいのが、Z世代の購買行動の特徴です。
これからますます、彼らが主要な顧客層となってくる中、店舗側はその傾向をとらえ、ニーズを満たすサービスを提供していくことが重要です。今回は、特にZ世代の購買行動の傾向から、今後求められる店舗の在り方や施策について探ります。

Z世代とは?ミレニアル世代との違い

世間で「Z世代」と呼ばれているのは、主に1990年代後半~2000年代序盤に生まれた世代を指します。別名「ジェネレーションZ世代」とも呼ばれます。

その前の世代が「Y世代(ジェネレーションY世代)」、そのさらに前が「ミレニアル世代」と呼ばれており、それらは一部重なることもあります。

ミレニアル世代、Y世代、Z世代の共通の特徴は、デジタルネイティブであるということです。

一方で、各世代には特徴があり、細かな違いが表れているといわれています。

ミレニアル世代は、インターネットやSNS、デジタルデバイスが浸透し始めた時期に生まれ育ちましたが、Z世代はすでにある程度完成され、浸透しきった時期に生まれ育ったことから、違いが生まれているようです。

例えば、Z世代はミレニアル世代よりもSNSに親しんでいることから、社会問題についての興味関心が高いといわれています。

仏発のマーケティング会社Criteoが実施した「Criteoショッパーストーリー2017」の米国におけるZ世代への調査結果によれば、Snapchat(写真共有アプリ)やInstagram、Facebookについて、Z世代の約半数近くが1日に複数利用していることが分かっています。

出典:Criteo資料P10
http://www.criteo.com/jp/wp-content/uploads/sites/6/2018/12/Criteo-2018-Gen-Z-Report-JP.pdf

Z世代が重視するのは「リアル」

Z世代は、特に「リアル」を求める傾向があるといわれています。デジタルデバイスやインターネットが当たり前の彼らが、なぜリアルなのかと疑問に感じるかもしれません。

その理解の大きな手掛かりとなるのが、SNSや動画配信といった“個人と個人とがつながるしくみ”の中でアイデンティティを築いてきたことが考えられます。

昔はテレビや映画の中のタレントや有名人、芸能人といった、「バーチャルな世界の人物と一般人」という構図が成り立っていましたが、SNSの普及や動画によるコミュニケーションが根付いたZ世代の感覚としては、もはや作られた架空の世界やアイドル的存在ではなく、リアリティのある個人同士のつながりのほうが自然であると感じる傾向があるといわれます。

個性ある個人とのSNSでの唯一無二のコミュニケーション、発信者の日常の情報をリアルに見ることができる動画視聴などを、日々当たり前のように行っているZ世代にとって、何よりも「リアル」がベースとなっているのです。

Z世代の購買行動は「実店舗」重視

このようなZ世代の注目すべき特徴の中でも、リアルを求める傾向がある点は、彼らの購買行動にも表れています。

Z世代の購買行動の傾向

Z世代は、デジタルネイティブでありながら、何かモノを買うなどの消費活動時においては、リアル店舗志向が強いといわれています。

・実店舗での体験を楽しみたい
Criteoの調査によれば、Z世代の80%が「時間が許す限り、実店舗でのショッピングを楽しみたい」、65%は「新商品は、実際に触ってみるまで購入しない」と回答しています。

・オンラインショッピングも有効利用
「なるべくオンラインショッピングを利用したい」と答えているのも75%いることから、そのオンラインショッピングの利便性も享受し、オンライン・オフラインをうまく使い分けていることが分かります。

・ウェブルーミングの傾向が強い
購買行動において、Z世代は、まずオンラインで入念に情報収集をし、購入に値するかを検討した上で、実店舗で購入する傾向が強いといわれています。

・ソーシャルメディア広告・動画広告の購買への影響力が高い
デロイト トーマツ コンサルティングが2018年に実施した「デジタルメディア利用実態調査 —日本編—」によると、「オンラインで見かける広告について考えたとき、商品・サービスなどの購入の決定に大きく影響する広告は?」の問いに対し、14~20歳のZ世代は「ソーシャルメディアプラットフォームで表示される広告(Facebook、Twitterなど)」の割合が最も高く47%、次いで「バナー広告」「オンライン動画の途中で表示される広告」が38%という結果に。特にソーシャルメディア広告と動画広告については他世代と比べて最も高い割合となっており、共有性やリアル性が購買意欲を高めると考えられます。

Z世代は実店舗で何を求めているのか?

Z世代は、実店舗でどのような店舗体験を求めているのでしょうか。その具体的な行動から、傾向をみていきましょう。

●積極的に情報収集
Z世代は、店舗での買い物中に直接、店員たちと関わり、質問する傾向が強いといわれています。オンライン上で知った商品を実際に手に取って見定め、より多くの情報を入手したいという欲求があると考えられます。

●友人や家族と情報共有
Z世代は、店舗での買い物中に、友人や家族にテキストメッセージやSnapchatによる写真を送るなど、情報共有の頻度が高いといわれます。これは、買い物体験そのものを友人や家族と共有したいという欲求が背景にあるといわれます。

●ユニークな商品を探す・見て、使って楽しむ
Z世代は、ユニークな商品を見つけたり、見て楽しんだり、試着したり試用したりする店舗体験を求めているところもあります。

●買う前提で店舗に赴く
Z世代は買いもしないのに店舗には訪れないといわれます。つまり、買う前提で店舗に訪れるのです。

Z世代の集客するのに店舗に求められることは?

今後、ますます購買力が拡大していくと予想されているZ世代の集客のために、店舗はどのような戦略で、集客や販促を実施していくべきでしょうか。ポイントを挙げてご紹介します。

●実店舗での体験を重視する
ECの台頭から、実店舗よりもオンラインに切り替えて注力していた企業は、今後は改めて実店舗の有効活用を見直すしてみるのもいいかもしれません。行動力のあるZ世代が求める実店舗でのショッピング体験を提供できる環境作りのためにも、実店舗の再構築にも注力する必要があります。
例えば、コミュニケーション力の高い店員の配置、商品を網羅しておくこと、ユニークでパーソナライズ化された商品展開などが必要になると考えられます。

●個々人へのオファーの提供・パーソナライゼーション
Z世代は、ユニークさを重視する傾向があるといわれることから、ものを購入するにおいても、ユニークで、パーソナライズ化された商品、及び購買体験を好みます。そのため、購入履歴をもとに割引オファーを企業から広告として受け取ることに対する抵抗が低く、レコメンドや“あなたに最適で特別な商品”であることを伝えるといった、マーケティングにおける「パーソナライゼーション」への期待値が高いといわれます。このことから、企業側は店舗誘導時のみならず、日頃のプロモーションにおいても、積極的にパーソナライゼーション施策を打っていくアプローチが有効と考えられます。

まとめ

Z世代は、それ以前の世代が持っている当たり前の感覚とは違う、ユニークな感性と行動傾向を持ちます。ECの台頭で消費者の実店舗離れがいわれていたのは今や昔の話となり、これからは、さらに先を行く実店舗作りと共に、オンライン・オフライン共に有効活用して、消費者ニーズを満たしていくことが求められています。

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