文具・事務用品からオフィス家具、学校・幼保園向け用品、介護施設用品まで。プラス株式会社 ジョインテックスカンパニーでは、さまざまなお客さまのニーズに応える複数の通販カタログを展開し、その総ページ数は年間約7,000ページに及びます。
膨大な商品点数と情報量を抱えながら、お客さまに必要な商品を確実に届けるために、どのような方針や体制でカタログを制作しているのでしょうか。共同印刷の担当者が、年間約7,000ページを支える仕組みとノウハウについて伺いました。
※発言者名に付したアルファベットについて:[J]はプラス株式会社 ジョインテックスカンパニー、「K」は共同印刷株式会社を表します。
プラス株式会社の流通事業カンパニー
K斎藤:まず読者の皆さまのために、ジョインテックスさまの事業について教えてください。
J中:ジョインテックスカンパニーは、プラス株式会社の流通事業カンパニーとして、文具・事務用品・オフィス家具・日用品などを、販売店ネットワークを通じて全国のお客さまへお届けしています。オフィス向けが中心でしたが、学校・幼稚園・保育園、医療・介護施設、官公庁・自治体向けなどへと市場を細かくセグメント化しサービス提供の領域を広げてきました。
K岡島:対象市場の広がりに合わせて、カタログのカテゴリーも増えていきましたね。
J中:そうですね。現在は、市場ごとに複数のカタログを展開していて、年間では約7,000ページ規模になります。各市場ならではの「専用品」も掲載しているため、カタログごとに内容も異なります。
K斎藤:共同印刷との取り組みは、どのように始まったのでしょうか。
J高橋:最初は家具カテゴリー(約280ページ)の撮影からでしたね。その後、同カテゴリーの制作、文具カテゴリー(約950ページ)の制作・撮影へと少しずつ領域が広がっていきました。
K岡島:現在では、ほぼすべてのカタログの制作・印刷をお任せいただいています。
J高橋:媒体数が増える中で、データや制作ノウハウを横展開しながら制作できる体制が、徐々に出来上がっていった感じですね。

「1冊ですべて揃うカタログ」の実現
K斎藤:ジョインテックスさまは、お客さまにとってどのような価値のあるカタログを目指しているのでしょうか。
J中:それぞれの市場のお客さまに必要な商品を、「1冊ですべて揃う」状態でお届けすることが、カタログで提供すべき価値だと思っています。オフィス向け、学校向け、介護施設向けなど、市場により必要な商品は異なりますので、それぞれのカタログには、その市場ならではの「専用品」を充実させています。
J高橋:例えば学校向けであれば、行事用品や教材など、オフィス向けにはない商品も多く掲載しています。逆に、文具や日用品など、どの市場でも共通して必要な商品もあります。
J中:その専用品と共通品を組み合わせながら、各市場のお客さまにとって使いやすい構成を考えています。
K岡島:ジョインテックスさまは販売店さまと共にビジネスをされているので、カタログ自体が営業活動を支えるツールにもなっていますよね。
J中:はい。ジョインテックスは、営業担当が介在しながら提案を行う「人介在モデル」を強みとしているので、販売店さまがお客さまに提案しやすいことも重要です。
「約7,000ページ」の制作体制

K斎藤:ここからは、約7,000ページに及ぶカタログの制作方法についてお話したいと思います。やはり「体制づくり」が重要なのでは?
J中:そうですね。ジョインテックスでは、商品選定や掲載内容を決めるMD、制作進行を担う制作チーム、そして共同印刷さまが連携しながら、複数のカタログを同時に進めています。
K斎藤:商品点数も膨大ですね。
J高橋:なので、共同印刷さまの制作チームとの連携は欠かせません。双方が原稿や商品情報を共有しながら、協力し合ってページ構成や進行を組み立てていきます。
K岡島:カタログへの名入れ対応や印刷、発送などもありますので、制作だけではなく、後工程も含めたトータルな調整が必要になります。
K斎藤:1冊あたり1,000ページ以上のカタログが複数、並行して動いている状態ですから、制作体制は非常に重要になりますよね。
J中:そのとおりです。私たちは「発刊日を守ること」を重視しているのですが、そのためには、関係者間で役割分担を明確にしながら、全体の進行をしっかり管理していくことが大切だと考えています。
カタログ制作の効率化・システム化

K斎藤:ディレクターとして制作に関わる中で感じることですが、合計約7,000ページに及ぶ複数のカタログを、いかに効率的に制作していくかは非常に重要ですよね。
J中:そうですね。商品情報の管理や、数年前に導入した自動組版など、効率化できる部分については、かなりシステマチックに進めています。複数のカタログで共通して掲載する商品もありますので、データを連携しながら制作できる体制は重要です。
J高橋:校正についても、紙だけではなくデジタル校正を活用し、ペーパーレスを実現しています。スケジュール管理についても、オンライン上で共有しながら進めています。厳重なセキュリティポリシーのもと、共同印刷さまを含めた関係者がリアルタイムに最新情報を共有できる環境を整えました。
K斎藤:「すべてをデジタル化する」のではなく、必要なところに適切な仕組みをうまく導入することで、全体を巧みに効率化できていると感じています。この点はどうお考えですか?
J中:すべてをデジタル化すれば良いとは考えていません。人が確認したほうが良い部分は、しっかり人が見る、アナログも含めて最適な方法を選ぶことが大切だと思っています。
K岡島:そうですね。実際、サプライヤーさまに確認を取る作業や、販売店さまの名入れ印刷の管理などは、デジタルによって大幅に効率化できました。
J中:共同印刷さまとは長年にわたり連携しながら、カタログ制作を進めてきました。サプライヤーさまへの対応も含め、共同印刷さまの知見や経験も生かしながら、制作プロセスの効率化を着実に進められていると思います。
「効率化」の先にある課題

K斎藤:ジョインテックスさまのカタログ制作は、システム導入による効率化が他社と比較してもかなり高いレベルまで進んでいると思いますが、今後さらに改善していきたい課題はありますか。
J中:効率化できる部分についてはある程度実現できていると思います。一方で、カタログそのものの品質については、まだ改善できる余地があると考えています。
例えば、商品の見せ方です。同じ商品でも、実際のサイズ感や使い勝手までしっかり伝わるかどうかで、お客さまの受ける印象は大きく変わります。商品担当MDとも連携しながら、より良くしていきたいと考えています。
J高橋:実際に制作する立場としても、商品の特長や違いが伝わりやすい紙面にしたいという思いはありますね。情報量が多いカタログだからこそ、見せ方の工夫は重要だと思います。例えば、「容量違い」のバリエーションがある商品では、できるだけ写真を見ただけで理解できるように工夫しています。このような気配りを、もっと増やしたいですね。
J中:もう一つは、紙面全体のメリハリですね。すべての商品を同じように掲載するのではなく、注力商品や重点カテゴリーをどう見せるかは、今後も取り組んでいきたい課題です。例えばPB商品や注力商品など、お客さまに特に見ていただきたい商品をどのように見せるか伝えるか、紙面全体の中でどう位置づけるかは、今後も改善していきたい部分です。
K岡島:効率化が進んだ今だからこそ、品質面でさらに追求できることがあるということですね。
J中:はい。私は、カタログは「広告の集合体」だと思っています。どのページを開いても、どの商品を見ても、広告として成立していることが理想です。だからこそ、商品の見せ方や紙面のメリハリなど、まだまだ挑戦できる部分はあると思っています。
「約7,000ページ」を支える知見とノウハウ
K斎藤:共同印刷に対して、どのような印象をお持ちですか。
J中:私たちが「発刊日」を重視していることについては、貴社は十分理解していただけていると思います。
J高橋:納期厳守のために、スケジュール管理や確認作業を丁寧に行っていただいていますね。また、販売店さまの名入れ情報などを管理する「事務局」の役割も担っていただけて、とても助かっています。

J中:当社の事業や商品、カタログの役割などを深く理解していただいているとも感じますね。すべてを説明しなくても、意図を理解していただける。そうした蓄積があるからこそ、約7,000ページ規模のカタログの制作・印刷が成立しているのだと思います。
紙面資産の新たな活用へ
K斎藤:最後に、今後の展望・計画について教えてください。
J中:まずは、カタログそのものの品質向上ですね。商品の見せ方や情報の伝え方など、まだまだ改善できる部分はあると思っています。また、もう一つの大きなテーマが次世代に向けたカタログのデジタル化です。
J高橋:制作現場でも、これまで積み上げてきた紙面データを別のメディアなどへどう活用していくかは、重要なテーマになっています。
J中:紙面データは、非常に価値のある資産だと考えています。現在は電子カタログなどへの活用が中心ですが、アナログとデジタル、それぞれの良さをどう組み合わせて展開していくかは、今後の大きな課題ですね。
K岡島:共同印刷としても、長年の制作を通じて蓄積してきたデータやノウハウがあります。それらをどのように活用し、新たな価値につなげていくかは、私たちにとっても重要なテーマだと考えています。
J中:共同印刷さまには、アナログ×デジタルの新しい提案を期待しています。これまで築いてきた基盤を生かしながら、次のステージに向けて、共に一歩ずつ進んでいきたいですね。
プラス株式会社 ジョインテックスカンパニー
商品本部 メディア制作部 部長
中 直人
メディア制作部にて、カタログ・販促物・Webサイトなどの設計、コスト管理、および進行管理に従事。20年以上にわたり広告制作業界で培った豊富な知見と経験を生かし、常にお客さまの目線に立った制作を徹底。「伝わるカタログ」の具現化に日々邁進中。
プラス株式会社 ジョインテックスカンパニー
商品本部 メディア制作部 カタログ制作課 課長
高橋 牧子
メディア制作部カタログ制作課に所属。商品データベースや自動組版ソフトの導入・データ管理をはじめ、Web画像作成から校正、詳細情報の生成までメディア制作の実務全般を幅広く担当。長年の現場経験に基づく正確なディレクションと媒体を問わない制作ノウハウを生かし、業務の効率化を推進している。
共同印刷株式会社
プロモーションメディア事業部 営業推進部 部長
岡島 真
共同印刷入社以来30年、商業印刷の営業として、数多くの通販会社さまやメーカーさまのカタログを担当。マーケティング・クリエイティブ領域から、製造・発送までのOne Stopサービスの構築が強み。長年のキャリアで培ったノウハウを生かして、カタログの品質はもとより、現在はお客さまの負荷軽減や制作過程の見直しなどのコンサルティングに注力している。
共同印刷株式会社
プロモーションメディア事業部 コンテンツプロデュース部 コンテンツプロデュース第三課 ディレクター
斎藤 祐輔
制作会社に入社後、営業兼ディレクターとしてカタログ・雑誌の制作を担当。2014年共同印刷株式会社に入社。営業部門を経て2017年よりクリエイティブ部門でカタログ・パンフレットを中心とした制作ディレクションを担当。近年は制作業務効率化の視点でシステム開発やツールの導入・活用に取り組んでいる。
関連資料
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メーカー向け 6W2H式 カタログ制作提案依頼書(RFP)の書き方
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