突然ですが、皆さんは「クロスチャネル行動」をしていますか?
クロスチャネル行動とは、商品の購入やサービスの利用を決めるまでにECサイト・SNS・実店舗・アプリといった複数チャネルを行ったり来たりすること。
消費行動のプロセスは、
認知→興味→情報収集→比較検討→購入→利用→評価
このような7つの段階で構成されているとよく言われますが、これらのどの段階でも接触チャネルを限定することなくクロスチャネル行動をするのがOMO時代の消費者の特徴です。
自分が買い物するときのことを思い出してみてください。実店舗あるいはオンラインショップであったり、紙媒体やオウンドメディアやアプリであったり、自分が置かれているその時々の状況次第で接触チャネルをチョイスしているのではないでしょうか。
本稿ではこのような現代の消費者像を考察し、「フィジタル」の時代にふさわしい顧客コミュニケーションのあり方を探っていきたいと思います。
OMO時代のクロスメディア戦略とは
冒頭で投げかけた「クロスチャネル行動をしていますか?」という質問。HintClip読者の中には「仕事柄、実験的にあえてやっている」という例外的な方もいるかもしれませんが、多くの方は一消費者に立ち返って「そういえばやっているなぁ」と思われたのではないでしょうか。
能動的ではあるものの、クロスチャネル行動は「無意識」「無自覚」だったり、「なんとなく」「直感的」に行われていることがほとんどです。こうしたクロスチャネル行動をとる消費者は「ムービングオーディエンス(Moving Audience)」と呼ばれており、消費行動のどの段階でどんな接触チャネルを選んでくるか予測がつきません。カスタマージャーニーをどこからスタートするのかも、購入に至るまでに顧客接点(タッチポイント)をいくつ経由するのかも予測不可能です。
O2Oマーケティングの場合は、購買ヒストリー(いつどこで何を購入したかの顧客データ)に基づいてターゲットのカスタマージャーニーを想定し、オフライン(実店舗)へ送客するためのWeb施策を考えるのがセオリーでした。しかし行動パターンが読めないムービングオーディエンスに対して同じことをやっても効率的とは言えません。
では、どうすればよいのか?
答えは、オンラインだろうとオフラインだろうと、デジタルだろうがフィジカルだろうが、顧客がどの顧客接点(タッチポイント)を選んでも、統一されたメッセージやキービジュアルが一貫して届く顧客体験(CX)を用意すること。
そのポイントは、「ブレない」ことです。
「それだけ?」と思うかもしれませんが、「それだけ」のことができていないために商品やサービスの真正性(オーセンティシティ)を自ら毀損し、機会損失しているケースは少なくありません。
網の目のように張り巡らされた顧客接点の一つひとつにおいて、いかに徹底してブレない情報発信をするか。いかに消費者に真正性を認識してもらうか。この視点が、OMO時代のクロスメディア戦略では重要になってきます。

情報はなぜブレる?
単純接触効果(ザイアンス効果)と言って、人は繰り返し何度も接触するうちに対象に対して親しみを覚え、心を開いていきます。しかしすでにネガティブなイメージを持っている相手に対しては、これがむしろ逆効果になることが知られています。
例えばあなたが何気なくSNSを眺めていて、気になった投稿や広告からリンクをたどってオウンドメディアを訪問したとします。もしそこで微妙な「違和感」や「矛盾」、あるいは予想外の「意図」を感じたとしたらどうでしょうか。ひとまずそこはそっと離脱するでしょう。しかし遅かれ早かれあなたはリターゲティング広告を目にすることになります。そしてその広告で再び「違和感」を覚えたとしたら…。
OMOが進化すればするほど消費者のムービングオーディエンス化も進み、そのカスタマージャーニーはさまざまな顧客接点を順不同に何度も通過する変則的なものになります。そこで「ブレ」が繰り返されると、結果として真正性=ブランド価値が損なわれていくのです。
それにしてもなぜ、情報はブレてしまいがちなのでしょう?
要因はもちろんひとつとは限りませんが、コンテンツ制作はマーケティング活動全体からすると下流工程にあたります。複数チームでの制作が同時並行で進むため、それぞれの現場で場当たり的な現場判断が下された場合にこうしたブレが生じやすいと感じています。
[紙]×[Web]で統合的な顧客コミュニケーション
OMOマーケティングにおいては、自社で保有運営するオウンドメディアが顧客コミュニケーションの「ベース基地」に位置付けられます。見込み客がどこからカスタマージャーニーにエントリーしようともオウンドメディアが受け皿となり、そこで顧客が自分の関心にフィットする情報を手に入れ、ポジティブな顧客体験(CX)を記憶に残すことができれば顧客エンゲージメントの第一関門突破です。
このようにオウンドメディアが本来のパフォーマンスを発揮するためには、上流思想がプロジェクト全体で共有され、コンテンツガバナンスが正しく機能する制作体制のもとでその開発運用が図られることが重要です。
私たち共同印刷のオウンドメディア構築支援では、印刷物ベースあるいは印刷物と並行してコンテンツ開発を進めるケースがほとんどですが、紙・Webを俯瞰して制作統括するディレクション職を配置してコンテンツ品質の徹底に努めています。しかしどれだけ対策を講じていても、「現場判断」が必要となるシーンが制作現場では日常的に生じています。もしそこで「ブレ」が生じたとしても、チェック機能が働くように制作体制を確立することもその役割のひとつです。
![[紙]×[Web]で統合的な顧客コミュニケーション](/wp-content/uploads/2026/01/2972-02.jpg)
Web流入した見込み客にアプローチ ─ リードナーチャリング
さて、第一関門であるオウンドメディア訪問を達成したからといってホッとしている暇はありません。まずは最初の購入、さらにリピート購入、そして最終的にはロイヤルカスタマーへの道に乗ってもらえるように、適切なタイミングで適切なフォローを継続していかなければなりません。
まずは獲得したリードに対するリードナーチャリング(見込み客育成)です。顧客エンゲージメントをより強固なものにし、商品・サービスのユーザーになってもらうためのアプローチはここからが正念場。以下に挙げたようなさまざまな手法がありますが、オンライン施策の選択肢がぐんと広がるのはオウンドメディアを立ち上げることの大きなメリットです。
リマインド効果の高いリターゲティング広告でオウンドメディア再訪を促し、リード母集団がニーズごとにセグメントできる規模になったところでそれぞれに有効な施策を打ったり、いくつかの手法を組み合わせた相乗効果の高い施策を打ったりするなど、Web流入したリードに対しては幾通りもの戦術が考えられます。
オウンドメディアは構築したら終わりではありません。このようにマーケティングに利用することでコンテンツ資産としての価値を最大化することができます。そしてこれこそがOMOの醍醐味とも言えるでしょう。

まとめ
販売チャネルのオン/オフ融合が進むOMO時代の今、ムービングオーディエンス化する顧客を捕捉するには、フィジカルとデジタルの垣根を感じさせないシームレスな顧客体験(CX)を提供する顧客接点設計が必要になっています。
その核となるのがオウンドメディア。顧客コミュニケーションの「ベース基地」であるオウンドメディアには、オン/オフ問わずあらゆる顧客接点からカスタマージャーニーにエントリーしてくる顧客の受け皿としての役割だけでなく、商品・サービスの真正性の拠り所としてのコンテンツ品質が求められます。
共同印刷では、フィジカルからデジタルまで幅広くカバーするサービスを網羅しており、紙媒体・Webメディアのトータルプランニングはもちろん、店頭/店舗での販売促進施策、商品パッケージ、Web広告、SNS運用など多岐にわたるOMO支援を展開しています。
ぜひ当社リソースをご活用いただき、
- ・ブレの無い顧客コミュニケーション
- ・構築して終わりにしないオウンドメディア運営
を実現いただければと思います。
リードナーチャリング施策で集積した顧客データをMAツール・CRMツールに統合するアドバイザリーも可能です。
貴社のOMO推進において、ご一緒できる機会がございましたら幸いです!
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フィジタルの時代を勝ち抜くOMOマーケティング
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