昨今、急速に進むデジタル化の流れのなかで、紙のDMやカタログなどのアナログ施策のデジタル化を検討している方も多いのではないでしょうか。例えば、

  • ・紙DMのメッセージとLPの内容が噛み合わない
  • ・オンラインのコンテンツ制作が別部署で連携が取れない
  • ・施策は増えたのに顧客体験がバラバラ

このような課題を抱えていませんか?

オンライン化が進むなか、オフライン施策に強い企業ほど、デジタルとの連携に壁を感じやすいものです。そこで今回は、オンラインとオフラインを融合させる施策「OMO」に基づくコミュニケーション設計の方法をご紹介します。特にこれまで紙DMやカタログ施策を率先して行っていた企業がOMOに取り組むポイントをご紹介します。

オフライン施策の価値とデジタル連携の重要性

近年、オンライン化に伴い、紙DMやカタログなどのオフライン施策の価値が再評価されています。その価値を生かしながら、オンライン化への対応を進めることが重要視されています。

オフライン施策の価値が再評価されている

紙DMやカタログは、見込み顧客の五感を刺激し、信頼感を醸成する効果があります。また紙DMはメールと比較して、特別感も生み出し、プレミアム感などの付加価値を生み出します。各種調査では、反応率はメールよりも紙DMのほうが高い結果も見られ、購買意欲を高めるのに効果的な側面が示唆されています。このデジタル旺盛時代だからこそ、オフライン施策の価値が再評価されている節があります。

デジタル施策との連携の重要性

オフライン施策は有効でありながら、デジタルとの連携は欠かせなくなってきています。その背景として、顧客の購買行動のオンライン化やニーズの多様化などが挙げられます。顧客はECサイト、実店舗、予約、デリバリーなど好みの場所や手段で、好きなとき、好きな場所で買い物をしたい、サービスを利用したいというニーズを持っているのです。

こうした背景から、今後はオンラインだけでなく、オフラインの価値を享受する意味でも、あらゆるチャネルや施策を融合させる「OMO」が重要視されていると考えられます。

OMOとは?従来の手法との違い

そもそもOMOとはどのような手法なのでしょうか。その基本と、従来からある手法との違いを押さえておきましょう。

OMOとは?

OMOとは、「Online Merges with Offline」の略称で、簡単にいえば、「オンラインとオフラインを融合させるマーケティング施策」を指します。つまり、オンラインとオフラインを区別することなく、消費者にその垣根を感じさせない状態で購買体験を提供します。

OMOとO2O・オムニチャネルとの違い

OMOと似た概念にO2Oとオムニチャネルがあります。

O2Oは、「Online to Offline」の略で、オフラインの実店舗へ送客するための一手段としてオンラインを重要視することです。例えば実店舗で使えるクーポンをオンラインで配信することで、実店舗へ送客する手法は典型的な例です。

またオムニチャネルとは、オフラインとオンラインのあらゆるチャネルの区別をなくし、総合的な販売網を作り上げる手法です。実店舗やECサイト、SNS、コールセンター、メールなどあらゆるチャネルがつながります。

OMOと似ていますが、オムニチャネルはあくまでチャネル、つまり顧客との接点をメインとするものである一方で、OMOは顧客の体験をメインとする概念である点が異なります。

OMOでは顧客のニーズによってどこにアクセスしてもスムーズに体験が進むよう設計します。オンラインとオフラインのデータを連携させることで、利便性を高めることができ、カスタマーエクスペリエンス(CX/顧客体験価値)の向上につながります。

OMOのメリット

OMOを実現することで、企業にとっては顧客満足度やCXの向上を実現できるとともに、販売機会の取り逃がしも防ぐことができます。またオンラインとオフラインの顧客データを統合して管理できることから、より顧客ニーズを把握しやすくなります。そのような有益なデータを今後の施策に活用できるメリットがあります。

結果的に顧客生涯価値(LTV)(※)の最大化につながり、顧客の新規獲得コストと比べてコストを抑えながら利益を上げることが可能になります。

※顧客生涯価値(LTV):顧客から取引期間を通じて得られる利益の総額のこと。

OMOにおけるコミュニケーション設計のステップ

これからOMOを実践したいと考える場合は、顧客とどのようにコミュニケーションを行っていくかが重要です。多くの企業は、設計ステップ自体は知っていても、「部署間で統一されない」「施策が点で終わる」という壁にぶつかります。だからこそ、各ステップで“何を揃えるべきか”の観点が欠かせません。
そこで、効果の出る設計のステップをご紹介します。

1.現状の顧客コミュニケーションの課題洗い出しと目標設定

まず現状の顧客とのコミュニケーション課題を洗い出します。顧客対応の担当者へのヒアリングや顧客へのアンケートなどを通じて現状を理解しましょう。そして問題を解決するための目的と目標を設定します。

2.ターゲット設定

ターゲットとなる顧客を絞り込みます。デモ/サイコ属性(※)や関心度でセグメント分けし、施策を行う優先順位を取り決めていきましょう。例えば購買意欲が高まっている顧客なのか、女性なのか男性なのか、家族構成などでセグメント分けして、優先度も決めておきます。

※デモグラフィック属性とサイコグラフィック属性の意。デモグラフィック属性は年齢、性別、職業、年収などの客観的な属性のこと。サイコグラフィックはアンケート調査などで得られる主観的な属性で、価値観や趣味・嗜好、ライフスタイルなどを指す。

3.カスタマージャーニーの洗い出し

顧客が商品・サービスを認知し、いずれかのチャネルを利用して購買に至るまでのプロセスであるカスタマージャーニーを洗い出します。

4.各プロセスに対する最適な施策の立案

それぞれのプロセスで提供できる体験価値を、セグメントした層別に設計します。

5.施策の実行

設計した施策を実行します。

6.効果測定・設計の見直し改善

Webサイトのアクセス履歴や店舗での購買履歴などのデータをもとに施策の効果測定を行います。測定結果に基づき、設計の見直し・改善を進めましょう。

OMOコミュニケーションのよくある課題

OMOに基づくコミュニケーション設計と実行を進める際には、次のような課題に直面しがちです。

各施策が「点」で行われている

オンラインとオフラインの施策を実行しているものの、「点」で行うことにとどまっているという課題です。

例えば紙DMのメッセージと、オンライン広告の誘導先であるLP(ランディングページ)の内容がまったく異なっていたり、SNSと店頭POPの言及内容が矛盾していたりすることがあります。これでは顧客に一貫した体験を提供できないばかりか、最悪の場合、クレームにつながることもあるため深刻な問題といえます。

設計はできても実装がむずかしい

コミュニケーション設計は見よう見まねで何とか行うことができても、DM制作チームとSNS制作チームが異なる部門であり、制作に関して整合性が取りにくいという課題があります。

その結果、先述のように「点」での施策にとどまってしまいます。この場合、実装面で取りまとめる立場の管理者が必要になってきます。

OMOコミュニケーションの成功ポイント

OMOコミュニケーションの課題を解決しながら、成功させるポイントをご紹介します。

チャネル間で一貫した顧客体験の設計

オンライン、オフライン問わず、チャネル間で一貫したメッセージや訴求を行うことが重要です。顧客体験が統一されていてはじめてOMOが成り立つからです。

実装を最適化する

チャネル横断の情報設計は、簡単なように見えてむずかしいところがあります。部署間でコンセプトに同意が取れていても、現場レベルの“制作物”の整合性が取れていないケースは多いのです。

原因は、紙もWebもSNSも“別チーム”で作っていることが挙げられます。顧客体験を設計しても、統一できず、「実装」が追いつかず体験が崩れてしまうのです。

この課題を解決するには、チームとチームをつなぐ橋渡し役が求められます。専門家の手を借りるなどして実装面のテコ入れを行うことをおすすめします。

顧客データ活用(CDP)によるマネジメント

OMOの実施においては、オンラインとオフラインの顧客データを連携させることで、顧客ニーズの把握と一貫した顧客体験の提供が可能になります。そこで顧客データ基盤としてCDP(※)を整備することが一つのポイントになります。

しかし単に基盤を整えるだけでは不十分です。マネジメントと部署間の連携を、KPIとして指標を設定して共有しながら進めていく体制づくりをメインとしましょう。

※(Customer Data Platform:顧客データ基盤)の意、企業が持つ顧客データを、オンライン・オフライン問わず収集・統合・管理し、マーケティングや顧客体験向上に活用するプラットフォームを指します。

まとめ

OMO時代にはオンラインとオフラインを融合させ、顧客にその垣根を感じさせない情報設計が重要になります。成功の鍵を握るのは、一貫した制作物の設計と実装体制を整えることにあります。

一方で、設計と実装をつなぐ役割を自社では用意できないことも多いのではないでしょうか。

そのようなときには、共同印刷にご相談ください。当社は印刷会社として紙DM施策の支援を強みとしていると同時に、そのオフライン施策とオンライン施策を専門的なノウハウと実績から有機的につなぎ合わせることにも長けています。

当社が支援できるOMOコミュニケーションの詳細については、ぜひホワイトペーパーをご覧ください。無料でダウンロードいただけます。

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