拡大するフェムケア関連市場! 差別化に必要なプロモーションの切り口とは?

近年、女性の活躍推進やジェンダー平等への意識が急激に高まっていることを背景に、フェムケア関連市場が拡大を続けています。市場競争が激しくなるなか、参入企業においては他社との差別化が求められています。

今後、フェムケアをはじめとした女性向け商材のプロモーションにおいては、どのような工夫や見せ方が必要になるのでしょうか。近年のフェムケア関連市場の動向や特徴と共に、プロモーションにおける女性顧客とのコミュニケーションの切り口を探ります。

■拡大するフェムケア関連市場

フェムケア(Femcare)とは、「feminine(フェミニン/女性の)」と「care(ケア/お手入れ)」の2つが組み合わせて作られた言葉です。主に女性のデリケートゾーンをケアする商品やサービスを指しています。

例えば生理(月経)や不妊、妊娠・産後、更年期、生涯に渡るヘルスケア・セクシャルウェルネスの分野における商品やサービス全般が該当します。

フェムテックという言葉もありますが、これは「tech(テック)」つまりテクノロジーを活用した女性向けアプリやオンラインサービスなどを指します。フェムテックは、2013年頃に月経管理アプリを開発するドイツのスタートアップ起業家が提唱したといわれています。
近年、世界的にSDGsへの取り組みが活性化するなかで、フェムケア・フェムテックはSDGs目標5の「ジェンダー平等を実現しよう」に該当することから、欧米を中心に認知度向上や製品化などが進んでいました。

その後、日本でもSDGsへの意識の高まりや国による補助事業の実施、女性活躍推進も背景となり、普及しはじめています。

株式会社矢野経済研究所が行った日本国内のフェムケア&フェムテック(消費財・サービス)市場調査の結果(※1)によれば、2021年は前年比107.7%の642億9,700万円と推計されています。

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(株式会社矢野経済研究所の調査結果を元に編集部が作成)

2020年は前年比103.9%となり、2021年に入ってさらに拡大しており、今後も拡大し続ける見込みがあります。

国内フェムケア関連市場が拡大している背景としては、主に労働力不足やSDGsの認知度向上によるジェンダー平等や女性のエンパワーメント、社会的な活躍に注目が集まっていることなどが挙げられます。

実際、2021年には「ユーキャン新語・流行語大賞」に「フェムテック」がノミネート(※2)されるなど、ここ数年で大きな飛躍を見せています。

2021年6月に閣議決定した「経済財政運営と改革の基本方針 2021(骨太方針)」(経済産業省)においては、すべての女性が輝く社会を実現するための施策の一つとして「フェムテックの推進」が含まれたことから、今後もさらに普及していくものと考えられます。

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■フェムケア関連市場の動向と特徴、ニーズ

フェムケア関連市場では、すでに細かくさまざまなジャンルが形成されており、多様な商品やサービスが提供されています。

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出典:フェムテックジャパン
https://femtech-japan.com/

フェムテックも含めたフェムケア市場の2022年におけるカオスマップでは、「生理・PMS、妊活・不妊・妊よう性、妊娠期・産後、セクシャルウェルネス、デリケートゾーンケア、ウェルネス・疾患ケア、メンタルヘルス、更年期」の8つのジャンルがあり、形態としては「医薬品やサプリメント、アパレル・雑貨、医療機器、検査や検査キット、アプリやオンラインサービス」などが存在します。今後も新たなジャンルや形態が増えていく可能性があるでしょう。

●フェムケア関連市場の特徴

フェムケア関連市場の特徴として、近年の市場拡大を背景に市場競争が激化していることから、差別化のために女性に対して訴求力のあるアイデアが求められています。それは商品やサービス開発、提供方法はもちろんのこと、プロモーションや販促コミュニケーションにおいても言えることです。

そして、フェムケア関連市場の大きな特徴として、啓発活動も重要である点が挙げられます。

なぜなら、従来は話題に上らせることもタブーとされていたテーマもあることから、そもそも女性自身に認知がされておらず、正しい知識を持たないケースも多いためです。例えば、月経カップはその代表です。使い方が分からない場合には、購入に至るまでに知識取得が求められます。

さらに正しい知識を持ってセルフケアをする意識を高めることも求められますし、テーマによっては周りの男性や家族の理解や配慮を促すことも必要になります。

ただ単に購買意欲を高めることだけが販促コミュニケーションではないという点は、フェムケア関連市場の特徴といえます。

●フェムケア関連市場のニーズ

フェムケア関連市場におけるニーズを探ってみると、現在はすでにアパレル大手や総合スーパー大手などの量販店が参入していることから、商品が一般に普及しつつあります。

例えば、アパレル大手が販売している吸水サニタリーショーツは大きな話題を呼んでおり、これまで利用したことのなかった女性たちの利用促進に寄与したことは間違いないでしょう。今後も認知が進むことでニーズも高まっていくと考えられます。

さらに、2021年からは法人向けのフェムケア関連サービスが目立って増加しました。例えば、企業が女性従業員に対して福利厚生などの位置付けで提供する、専門家による妊活サポートサービスや専門医派遣セミナーなどがその代表です。今後、法人向けニーズも増えていく可能性があるでしょう。

■フェムテックプロモーションの切り口とは?

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フェムテック関連市場の特徴やニーズを踏まえると、プロモーションはどのように行っていくのが良いのでしょうか。切り口としては、まず「女性向け」や「啓蒙」が考えられるでしょう。

●女性向け切り口

フェムテック関連商品やサービスは基本的に女性向け(夫やパートナー向けサービスもある)であるため、女性が興味関心を寄せやすく、抵抗なくスッと理解できるような切り口によるプロモーションが求められます。

【事例】
女性の健康管理アプリ「ルナルナ」などを手がけている株式会社エムティーアイは、「FEMCATION(フェムケーション )」というFEMALE(女性)とEDUCATION(教育)を掛け合わせた同社独自の造語をもとに、女性の心身について正しく学ぶ機会を創出する理解浸透プロジェクトを実施しています。

そのプロジェクトの取り組みの一つとして、「FEMCATION白書」と題して女性特有の健康課題に関連する調査結果を情報発信しています。

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出典:LunaLuna(@lunaluna_mti)
https://www.instagram.com/lunaluna_mti/

2021年には第一弾として「〜男性1,000人に聞く。生理周期に伴う女性のカラダとココロの変化の認知・理解度調査〜」を公表し、多くの女性が親しんでいるSNSでの情報発信を行いました。特にInstagramの公式アカウントでは特集を組み、投稿やストーリーズにおいて思わず目を引く印象的な方法で、調査結果の一部を掲載しています。
この事例は、女性向けに工夫されたプロモーション手法として参考になります。

●啓蒙切り口

女性の知識や意識の向上と共に、男性や家族といった周囲の理解を促す切り口によるプロモーションも重要といえます。

そもそもフェムケアやフェムテックの目的は、女性が抱える健康課題を解決し、社会的に活躍しやすくすることにあります。そのため、それらの製品やサービスを当たり前のように利用できる環境づくりも欠かせません。

人に話すことをタブーとされてきた女性の健康やライフイベントに関わる事柄を、男女問わず皆で共有できる環境をつくるためには、男性の意識の変化や本質的な理解が重要となってきます。

【事例】
更年期カップル向けにコミュニケーションサービスを提供する株式会社よりそると、「経営者の妻のための情報サイト つぐのわ」を運営するエヌエヌ生命保険株式会社は共同で、「“妻の気持ちが手に取るようにわかる”男性経営者向けオンラインセミナー」を開催しました。

同セミナーにおいては、更年期の女性と、その夫との関係やカップル間のモヤモヤを解消し、共に更年期を乗り越えて幸せになるオンラインプログラムを提供しました。このプログラムは1人用と2人用があり、2人用では男性にもパートナーの不調やアドバイスが送られる仕組みにしました。

この事例では、当事者である更年期女性だけでなく、その夫に対しても問題解決アプローチ方法を提供することにより、真の意味での解決に向かえるきっかけを与えている点が啓蒙切り口のプロモーションとして参考になります。

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■まとめ

フェムケアやフェムテック向けのプロモーションでは、女性に寄り添う施策のほか、啓蒙や教育コンテンツなど家族やパートナーも合わせて訴求するコミュニケーションが求められています。

共同印刷は化粧品メーカーさまやサプリメントメーカーさまが手がける情報誌やカタログ、Webサイト、アプリのほか、店頭販促ツールなどの制作実績を豊富に持っており、女性市場のプロモーションに強みがあります。

フェムケア関連市場におけるプロモーションにご興味のある方は、お気軽にご相談ください。最適なご提案をさせていただきます。

●女性市場に関連したHint Clipバックナンバー

ファンケルらしいコミュニケーション(前編)
お客様と多面的につながり、ブランドロイヤリティを高める
https://hc.kyodoprinting.co.jp/20230519/
ファンケルらしいコミュニケーション(後編)
本質的な価値を伝えて、感動を生み出し続ける
https://hc.kyodoprinting.co.jp/20230526/
63a2e717e438ec763d568d653f68e3ce_f1546_(1).jpg 肌への触れ方をビジュアル化 KANEBOが実現!
アプリ活用の新しい店頭コミュニケーション手法とは【前編】
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aaa_(1).jpg 肌への触れ方をビジュアル化 KANEBOが実現!
アプリ活用の新しい店頭コミュニケーション手法とは【後編】
https://hc.kyodoprinting.co.jp/20191008-02/

●サービス例「WIC@LAB」

「WIC@LAB」は、多様化する女性のインサイトを研究するために2019年から毎年10,000件の女性アンケートを取得しています。2022年より男性データ取得もスタートし、美容健康意識やSDGs価値観、化粧品購買意向など男女の視点から価値観を見ることができるようになりました。

https://wicalab.com/

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生活者の働き方が変わり、価値観やライフスタイルが多様化している現代。WIC@LABは生活者の意識や行動データを収集・分析しながら新しい価値を研究し、創造するためのマーケティング・ラボです。企業の垣根を超えた共創力で、次世代につながるマーケティングを追究します。


【出典】
※1 株式会社矢野経済研究所「フェムケア&フェムテック(消費財・サービス)市場に関する調査(2022年)」(2022年11月17日発表)

※2 ユーキャン新語・流行語大賞 第38回 2021年 授賞語
https://www.jiyu.co.jp/singo/index.php?eid=00038

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