写真左から株式会社ノーリツ マーケティング本部ブランドマーケティング推進室 宮田朝衣さま、同本部マーケティング企画部 企画室長 清水敬介さま、共同印刷株式会社 OneDougaチームリーダー 磯野周司、同チーム 満尾崇

前編では、株式会社ノーリツ マーケティング本部 マーケティング企画部 企画室長の清水敬介氏に、創業の理念に根付いた確固たる企業アイデンティティを起点としながら、新たな領域を切り開くために求められるマーケティング戦略と、デジタルコンテンツの有効性について、HintClip編集長の杉山がインタビューしました。
後編では、実際に共同印刷開発の「OneDougaクラウド」パーソナライズド動画が、ノーリツさまの戦略に果たした役割と実際の効果について、ハイブリッド給湯システムの販売促進に当社サービスを採用した背景や、今後のデジタルコンテンツの可能性などについてお聞きします。

「OneDougaクラウド」について

私たちがお役に立てること国内運用実績 No.1One to Oneコミュニケーションに最適な動画ソリューション企業と生活者のコミュニケーションが「One to One」へシフトしていくなか、「パーソナライズ」と「動画」を組み合わせた「パーソナライズド動画」が注目されています。OneDougaはパーソナライズド動画の制作と配信、視聴履歴分析を簡単に実現できる動画ソリューションです。詳細はこちら

経済性だけでなく、レジリエンスな社会に貢献するハイブリット給湯機。

杉山:貴社の製品のなかでも特に「ハイブリッド給湯システム」は、経済性・環境性に優れた高付加価値な製品だけに、説明が難しいのではないでしょうか。
清水:このシステムは、ヒートポンプ技術の進化によって、大幅にエネルギー効率が良くなり、環境的にも経済的にも大変優れています。しかし、寒冷地などでは放熱しやすいため、地域によって数値上の性能に差が出てしまい、経済性の訴求が難しいという課題がありました。
とはいえ近年では、国策もあって太陽光などを利用したZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)や、レジリエンス(災害時にもライフラインを維持できる強靭性・対応力)を備えた住宅が急増しています。そのため、こうした住宅との相性が良いハイブリッドシステムの性能をきちんと伝えるのは、ビジネス上のメリットが大きいだけでなく、サステナブルな社会に貢献するという視点でも重要なことだと考えています。

杉山:エネルギー事情として、太陽光発電は「売電」よりも「自家消費」がお得な時代ですね。
清水:確かに今は買い取り価格の関係で売電が安くなっているので、自家消費で経済性を担保することが大切です。当社の「ハイブリッド給湯システム」では、日中に太陽光の電気をヒートポンプで効率よく使いながら入浴タイムまでにお湯をタンクに貯めておき、それでも湯量が足りなくなったらガスのエコジョーズでちょっと沸かすという仕組みなので、とてもスマートなのです。
しかし、そういった説明を、工務店やハウスメーカーなどが完璧にこなすのは難しいものがあります。ガス器具だけでなくトイレやシステムキッチンなどの多彩な製品を抱えるなか、毎年最新機種の特長を把握する余裕はありません。そこは我々が、デジタルコミュニケーションツールを通して、エンドユーザーにより直接的なサポートをすべきところなのです。

杉山:ノーリツのハイブリッド給湯システムの一番のメリットは何でしょうか。
清水:強みは経済性と緊急時の対応です。まずプロパンガスをお使いの一般的な地域のご家庭では、年間でおよそ8万円*の節約が可能です。
「ハイブリッド給湯システム」は使用するエネルギーが分散しているので、仮に停電しても、ガスが供給されている限り太陽光発電や蓄電池を使いながらお湯が出せます。逆にガスが止まっても、ヒートポンプが動くのでお湯を貯めることができます。さらにタンクに貯まっているお湯は、緊急時は抜けるようにしてあるので、安心感はより高まります。そういったレジリエンスの部分でも、大きなメリットがあります。日本は災害の多い国ですから、“ハイブリッドならではの柔軟な強さ”は、今後ますます重要になると思います。
*経済性は使用状況により変動します。


[ハイブリッド給湯システムの3つの特長]

  1. 経済性と環境性を高次元で両立させた次世代の給湯システム(サステナブル)
  2. ガスと電気が使えて、貯湯タンクもあるので災害時に強い(レジリエンス)
  3. 太陽光発電との相性が良い(ネット・エネルギー・ゼロ・ハウス)

お客さまごとのライフステージに合わせたパーソナルな提案が可能に。

後編_清水室長(左向き)_DSC8739.png

杉山:そういった、強みの訴求に課題を持たれていた「ハイブリッド給湯システム」の販促にあたり、当社のパーソナル動画を採用していただいた背景や理由をお聞かせください。
清水:「ハイブリッド給湯システム」は、お客さまのライフステージや家族構成、使っている設備、地域などによって、コストパフォーマンスが変わってきますので、それを通り一遍等の動画で伝えることはできません。共同印刷さんのパーソナル動画を選んだ決め手は、コストシミュレーションの条件を細かく設定できる点です。簡単なアンケート形式で、家族構成や設備などを入力すれば、それぞれのお客さまに最適な動画を自動生成してくれる。そのお客さまに合った「適正な情報」だけを「適正なタイミング」で、つまり、住宅を購入する際に“給湯設備を選ぶタイミング”に、しっかりと最適な情報が得られる。しかもその情報はプリントすることもできるし、QRコードを保存すれば、いつでも動画を見返せる。こうした細やかな配慮も、とても気に入った部分ですね。

[ユコアHYBRID パーソナル動画のアンケート入力画面]

Webサイトのアンケートで「家族構成」「設備」「光熱費」に答えるだけで、瞬時に個々のお客さまごとの「動画商品プレゼンテーション」「光熱費シミュレーション」を生成して提供します。

給湯器パーソナル動画アンケート画面.png

「ユコアHYBRID パーソナル動画」サイトはこちらです。
実際にお試しください。

パーソナル動画だからできること。

杉山:パーソナル動画の一番のメリットはどのような点でしたか。

清水:やはり「全光熱費シミュレーション」の結果を(お客さまを待たさずに)、その場ですぐに出せるところですね。このパーソナル動画を導入する前までは、お客さまから事前に必要情報をいただいて、それを元に私どもや販売店が既存の経済性シミュレーションシステムを共有し、計算をして紙に出力してご提示していました。パーソナル動画の導入後は、その労力がなくなり、販売店との連携も格段にしやすくなりました。音声やビジュアルを使ったわかりやすい動画で、商品説明と年間コストの目安を同時にご提示でき、さらにそれを紙に出力して持ち帰っていただける。デジタルと紙の良さのいいとこ取りができますよね。


[「OneDougaクラウド」パーソナライズド動画の採用理由]

  1. システムの優位性
  • ・お客さまごとの「光熱費シミュレーション」を手作業から自動化できた。
  • ・「光熱費シミュレーション」の条件を細かく設定できるので、提案精度を上げられる。
  1. デジタルマーケティングの利便性
  • ・Webからの動画配信により、詳しい製品特長や経済性を、効率的にお客さまに伝えられる。
  • ・販売店や工務店などの流通向け販促支援ツールとしても最適。
  1. ユーザーエクスペリエンスの向上
  • ・お客さまの使用環境や要望をアンケートで答えれば、瞬時にパーソナライズされた動画プレゼンテーションを受けられる。
  • ・パーソナル動画による「商品情報」「光熱費シミュレーション情報」はプリント可能で、QRコードを保存すれば、いつでも見返しが可能。

カスタマージャーニーを重ねて最適なコンテンツを創る。

後編_清水室長(右向き寄り)_DSC8708.png

杉山:パーソナル動画の導入にあたり、こだわった点や苦労された点をお聞かせください。
清水:やはりシナリオ作りです。どのようなストーリーを立てて、どういう質問へ絞り込んでいくか。カスタマージャーニーを経ていくことで、より様々なお客さまの生活スタイルを思い浮かべて、試行錯誤を重ねました。
そこからさらに回答内容と商品をマッチングさせるマップを作成し、最終的には34通りのシナリオパターンに行き着きましたが、ここに至るまでもかなりの苦労がありました。家族構成や家の設備など、お客さまに入力していただく条件を細かくすればするほど、より正確な診断結果にはなりますが、細かくし過ぎるとURLも入力操作も複雑になりますし、お客さまや工務店などの労力が増えて離脱率も高くなります。
けれどもハイブリッド給湯システムの場合は、家族構成や太陽光発電の有無だけではなく、床暖房や空調設備の有無でも診断結果は変わりますし、電力会社やガス会社、地域指数なども影響してくる。そこから重要な設問だけをピックアップして、お客様が短時間でサクサクと入力できるように整理していく。この辺りのバランス取りに、最も注意を払いました。

流通からも消費者からも評価されるコンテンツ。

杉山:実際にパーソナル動画をお使いになって、社内や流通・工務店などからの評価や満足度は、いかかでしょうか。
清水:評判は全体的に良いですね。特に、工務店やハウスメーカーなどに出入りしている営業部隊からの評価が非常に高いと聞いています。操作が簡単な上、今まで時間をかけてお客さまに口で説明していた大量な情報を、パーソナル動画を見ていだだくだけで、正確にお伝えできるのが良かったようです。
Webでの、このパーソナル動画の視聴維持率は70%くらいありますから非常に高いです。当社にはそれ以外の動画コンテンツも色々とありますが、そちらの視聴維持率と比べても数値は高く、それだけパーソナル動画は、しっかりターゲットに合った動画に仕上がっているということだと思います。
かなり簡潔に作っているとは言え、プロモーション動画としては長尺だと思いますから、普通だったら離脱されてしまう。欲しい情報が、シンプルにわかりやすく提供できているという証拠だと思いますね。

杉山:極めて高い視聴維持率ですね。パーソナルに提供するコンテンツへのニーズの高さと、わかりやすさの証明ですね。

社会課題を解決し、未来の給湯器戦略を共につくるために。

杉山:今後に向けてのマーケティング課題や抱負についてお聞かせいただけますか。
清水:もっと幅広いお客さまに、ハイブリッドの良さを伝えて行きたいですね。この分野は、現状ではサブユーザーであるビルダー、ハウスメーカーなどに採用していただいて販売が成り立っている商品です。直接お客さまが、例えば設備交換の際に、ご自身で調べて選んでいただくというところまでは、まだ十分に到達できていません。
今後は、世界の意識が、ますます脱炭素社会へ向かっていくのは間違いありません。当社としても、カーボンニュートラルやSDGsに貢献できるハイブリッドの市場を広げていきたいと考えています。

そのためには、「興味関心」から商品の「理解検討」、そして「購入」に至るまでの動線をプロモーションのなかにしっかりと作り込んでいく必要があります。特にハイブリッドのような複雑な商品は、興味関心を持っていただくことが大切です。そこが強化されれば、パーソナル動画の有用性もさらに高まりますから。

杉山:では最後に、共同印刷に対するご要望などがあればぜひお願いいたします。
清水:昨年末に5分で見られるインセンティブ付きの動画キャンペーンを行いました。今後もそういったものをより幅広く展開していくつもりですので、また違った展開のパーソナル動画をご提案していただけるとありがたいです。
加えて共同印刷さんは、イベント系のノウハウを含めたトータルなプロモーションにも強いので、そこにも期待しています。
我々は毎年多くの会場で「ガス展(ガス機器の展示・実演・販売イベント)」に参加しいるので、その度に什器などの出し入れを繰り返しています。以前は小さな7インチくらいのモニターなどを使っていましたが、昨年からはコロナ対策もあって、サイネージくらいの大きさのモニターを導入して、「無人ガス展」「無人接客」などを一部地域でトライアルしました。
こうした無人接客型のツールも、これからより充実させていきたいので、共同印刷さんの「デジタルゴンドラ(配信型デジタルサイネージ一体什器)」と、お客さまに合った情報が自動生成できるパーソナル動画などを絡めた“複合的なご提案”をお願いしたいです。

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杉山:これからも貴社のマーケティング課題解決のために、よりお客さまに寄り添ったトータルなソリューションをご提案させていただきます。本日はお忙しいところありがとうございました。


kakui-portrait-small.jpg株式会社ノーリツ
マーケティング本部 マーケティング企画部
企画室長 清水 敬介 さま

2003年 当社入社(宇都宮営業所配属)
2013年 兵庫支店 営業課
2018年 営業企画グループ
2020年 マーケティング企画部 企画室 室長

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