イギリス人は「保守的」といわれます。そんな典型的なイギリス人の旅行先といえば、国内と身近な南欧が主流です。しかし最近は、好奇心旺盛な若い世代を中心に、欧州以外への長距離旅行も注目を浴びています。今回は、子育てファミリーを中心に、イギリス人の定番の旅行先と今注目のスポット、旅行にまつわるサービス、人気の旅行グッズをご紹介します。

イギリス人の間で定番の旅行先と2016年注目スポット

BDRC Continental Holiday Trends 2016で予測される、2016年のイギリス人の旅行先は、イギリス国内が約3割を占めトップ、次にスペイン、アメリカ、ギリシャ、フランス、イタリア、ドイツ、ポルトガル…と、主に南欧の気候にめぐまれた国が並びます。しかし、アメリカも上位に含まれているように、最近は「保守的」と言われるイギリス人の中でも長距離旅行者数が増加傾向にあります。例えば、イラン、南米、中国、アイスランド、カナダ、日本なども注目されており、とくに、ジェネレーションYと呼ばれる18歳から34歳前後の年齢層を中心として、このような長距離旅行を好む傾向がみられます。ABTA Travel Trends 2016のレポートによると、イギリス人の5人に1人が「過去に訪れたことのない場所に旅行したい」と答えています。前年度の9%から大きく伸長しており、新たな旅行先に積極的に目を向けはじめています。

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子育てファミリー向け宿泊施設・サービス

夏でも曇り空が多く、天気が変わりやすいイギリスでは、全天候型ホリデービレッジがカントリーサイドに点在しています。ホリデービレッジ内には、宿泊施設やレストラン、動物と触れ合えるファーム、室内プール、キッズスペース、ゲーム・スポーツ施設、イベント用ホール、バーベキュー設備などがあり、天気に関わらず楽しむことができます。

一方、スペイン、イタリア、ギリシャ、ポルトガルなど、イギリスからわずか数時間のフライトで到着し、燦々と太陽が降りそそぐ南欧では、豊富なアクティビティが用意されたキッズクラブ(たいてい3、4歳以上から親の付き添い不要)、プレイエリア、プール、エステ、スポーツ施設、ライブ音楽ショーなど、一か所で食事、宿泊、娯楽、リラクゼーションが可能なビーチリゾートが子育て層に支持されています。全食事つきプランがあるリゾートも多く、日によってメニューが変わるバイキング形式の朝・昼・夕食とソフトドリンク、さらにはお酒まで含まれて、子どもから大人まで、気軽に、そして一日中リゾート内で楽しめます!

また、国内外とも、アパートタイプのホテルや貸しコテージが子育て層には便利で人気です。コンロ、調理器具、食器などの自炊ができる設備が付いているので、 現地の新鮮食材を使って料理ができ、食費を節約できます。赤ちゃん連れにとっては、離乳食の調理も可能な上、気疲れする子連れ外食も避けることができます。また、コインランドリーが設置されていたり、部屋に専用洗濯機や、テレビ・DVDプレーヤーの備わっている施設も多く、自宅さながらに快適な滞在ができます。

データで見るイギリス人の子育てファミリー旅行

イギリス人の年間平均旅行回数は、2014年が2.64回、2015年が2.83回と微増で推移。4人家族が2週間旅行に出かけた場合、平均費用は£4792(約78万円)、さらに旅先での食事やお土産、レジャーなどに1週間で使う平均金額は1人当たり£227(約3万7千円)という調査結果があります。

BDRC Continental Holiday Trends 2016によると、前年までの傾向と同様に2016年も、インターネットなどを利用し独自に予約する個人旅行が41%、フライト・宿泊・全食事つきパッケージ旅行が23%、その他のパッケージ旅行が16%となっています。また、イギリスの特徴として、口コミなどのレビューを信頼する旅行者が多く、何らかのレビューを参考にする旅行者は、子連れの場合で80%、子ども無しの場合で60%と、ファミリー層ほどレビューを重視し、特に安全面を考慮する傾向があります。

イギリスで人気の子ども向け旅行グッズは?

イギリスらしい子ども向け旅行グッズに、子ども用スーツケースがあります。中でもTrunki(トランキ)は、テレビ番組『¥マネーの虎』のイギリス版に登場したことがきっかけで人気に火が付いた、動物柄のカラフルなスーツケースで、子どもの乗り物としても使え、子どもが乗ったまま親が紐で引っ張ることもできるというアイデア商品。また、リュックに変身するタイプ、空気出し入れ可能で重量500g以下のタイプなどの多機能化が進むチャイルドシートも、子連れ旅行の定番アイテムです。

トランキの動画

イギリス人の旅行から学ぶ楽しい子連れ旅行のヒント

日本では「子連れ旅行は単に疲れに行くようなもので、行く前から気疲れしてしまう」という意見も多くありますが、イギリスや南欧では子育てファミリーの受け皿が大きく、子連れに比較的寛容な国民性も手伝って、子育て層は特に旅行に意欲的です。このようなイギリス人の旅行スタイルや各種サービスは、日本人のママやパパが感じる子連れ旅行への不安を軽減し、心から楽しめるファミリー旅行を実現するヒントになるのではないでしょうか?

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