近年、多くの業界で販促活動にデジタルやオンラインを活用する流れが起きていましたが、このコロナ禍で加速しています。特に住宅設備・建材業界においては、動画による物件紹介やオンライン接客など、これまでにない新たな顧客コミュニケーション手法が多く取り入れられています。またデジタル化が進んだからこそ、従来からある紙カタログの有効性が再評価されている部分もあります。
そこで今回は、住宅設備・建材業界のデジタルと紙、両方の販促トレンドをご紹介します。

■住宅設備・建材業界の販促トレンド

1.動画活用

新型コロナウイルスの感染拡大により、多くの業界にとって店舗や施設への集客面でのハードルが高くなりました。そのようななか、住宅設備・建材業界でも、住宅展示場や店舗への集客に支障が出たことから、販促活動をオンラインへと切り替える流れが起きました。
ここでは、注目の施策である動画活用とオンライン接客を取り上げます。

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●YouTubeチャンネルの開設

住宅や建材を紹介する際、静止画ではどうしてもわかりづらい部分があります。その点、動画による案内は、物件や施工事例の紹介にマッチします。そこで住宅設備・建材メーカーの間で、物件や施工事例、モデルハウス紹介のYouTube動画などが活発化しました。
例えば、YouTubeに自社の公式チャンネルを開設した企業のケースでは、自社のテレビCMや家づくりに役立つアイデア、施工事例やモデルハウスの紹介、社長によるトークなど、さまざまな内容が動画で発信されています。

YouTubeチャンネルによる動画公開では、これまで接点がなかったユーザーにも広く情報を訴求でき、認知度アップやブランディングに役立つと考えられます。また家づくりに役立つコンテンツを配信すれば、コロナ禍で情報収集が困難な見込み客をカバーすることもできます。

●公式サイトでの動画配信

自社の公式サイトに動画コンテンツを掲載し、商材をわかりやすく伝えるという方法もあります。住宅や建材の場合、施工事例なしでは顧客に情報を伝えるのが困難であるため、動画による商品説明や性能、仕様の説明は適しているといえます。

また、顧客ごとにパーソナルな商品情報を提供したり、見積もり情報などを生成して配信する「パーソラナイズド動画」のトレンドも業界問わず起きており、住宅設備・建材メーカーにおいても活用が進んでいます。パーソラナイズド動画についての詳細や事例は後ほどご紹介します。

●オンライン接客

感染への不安や外出自粛要請から、モデルハウスやショールームに直接足を運びづらい顧客に対して、オンラインで接客を行う住設メーカーもあります。

ある住設メーカーは、2020年5月からショールームのオンライン接客を始めました。スタッフが顧客の要望をヒアリングし、希望商品の動画やデジタルカタログのほか、360度カメラでショールームのキッチンやバスルームなどの施工例を撮影した画像をさまざまな角度から見ることができるコンテンツを共有しながら商品説明を行いました。またプランの見積もりや3Dの完成予想イメージ作成などもオンライン上で行い、感染への不安を解消して安心を保ちながら集客し、販売機会の拡大へとつなげました。

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2.紙カタログの活用

近年、カタログのデジタル化が進んでいますが、従来の紙カタログが廃れたわけではありません。もともと住宅設備・建材メーカーにとって紙カタログは“商談ツール”として有効な媒体です。むしろデジタル化が加速するなかで、その価値が再評価されています。ここでは住宅設備・建材メーカーにとっての紙カタログのメリットをご紹介します。

●“商談ツール”になる

当社のお客さまである住宅メーカーでは、紙カタログは実際に展示場などへ来場された“購入可能性の高いお客さま”に対して直接手渡しており、営業担当者のセールスツールとして活用されています。それに対してデジタルカタログやwebの情報は認知・誘導ツールの位置付けとなっています。

またある建材メーカーでは、紙カタログが営業窓口のツールになっています。営業担当者は、まずはお客さまである工務店や設計事務所などに紙カタログを持参します。その際、いかに目立つように事務所の本棚に置いてもらえるかが大事なポイントとなります。常に自社のカタログを手に取ってもらえれば注文が取りやすくなるなど、紙カタログが重要な役割を担っています。

また紙カタログの場合、顧客からWebや電話などによって資料請求された後、郵送でお届けして商談が始まります。このように紙カタログは、“商談ツール”として活用できる貴重な存在です。デジタル化が加速する今だからこそ、紙カタログの価値が際立っており、再評価されています。

●色や質感が閲覧環境に左右されない

紙カタログは、閲覧環境によって色や質感などの見え方が左右されない点が特長です。デジタルカタログはディスプレイなどによって見え方が異なってしまうため、色や質感が特に重要となる設備や建材などの商材には、紙カタログが適しているといえます。

●リッチコンテンツによるブランディング効果

紙媒体は写真やデザインのクオリティをどこまでも高く追求できることから、よりリッチなコンテンツを制作できます。そのため、紙カタログのほうが、クオリティ訴求やブランディングに適していると考えられます。
また、資料請求した紙カタログのページを直接手でめくるという一連の“体験”は、手触りや重厚感などを通して読み手の感覚を刺激します。デジタルコンテンツをただ眺めるのと比べ、印象に残りやすいという側面があることも、紙カタログのブランディング効果を後押ししていると考えられます。

●ショッピングを楽しめる

紙カタログのページを一枚一枚、ペラペラとめくって欲しい商品を探すのは、リアルのウィンドウショッピングに近い楽しみがあります。時に、思いがけない商品と出会うこともあります。

●スピーディーかつ検索性が高い

デジタルカタログは、スピーディーに開いて閲覧できるイメージがありますが、実は紙カタログのほうが、指でページを素早く簡単にめくることができます。また誌面を開いて広く見渡せる?ことから、お目当ての商品をすぐに見つけやすく、その検索性の高さもメリットとなります。

●比較検討しやすい

メーカーごとに商品を詳しく比較をしたいときなどは、紙であれば同時に複数のカタログを開いて並べられるので、デジタルカタログと比べて圧倒的に便利です

●ドッグイヤーや付箋、マーカーを付けやすい

気になる商品があったときには、紙カタログであれば、手軽にドッグイヤー(ページの角を折り返して、しおりの代わりにすること)をしたり、付箋・マーカーなどの印をつけることができます。デジタルカタログで付箋やマーカー機能がついているものもありますが、導入しているメーカーは多くありません。、また当然ですが、紙カタログのほうが簡単に付けられます。

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3.情報メディアの開設

Web上で自ら情報メディアを開設するメーカーも出てきています。例えば、注文住宅を検討しているユーザー向けに、土地相場や住環境などの情報を提供したり、ハウスメーカーやビルダー、デザイナーなどの情報を載せたりと、役立つ情報を網羅してまとめたサイトを開設する手法が見られるようになりました。
モデルハウスへの集客効果が住宅ポータルサイトへの掲載以上に出た例もあり、新しい販促手法として期待が高まっています。

■「OneDouga」によるパーソナライズド動画の成功事例

先述した動画活用のトレンドでは、パーソナライズド動画を取り上げました。パーソナライズド動画は、不特定多数や特定の層が同じ内容を視聴する一般的な動画とは異なり、一人ひとりにパーソナライズされた動画です。

共同印刷では、「OneDouga」というサービスで、パーソナライズド動画の制作・配信を行っています。パーソナライズド動画は顧客ニーズに対応した個人ごとの動画を生成し、配信することを実現するワンストップ型のソリューションです。

具体的にどのような内容をパーソナライズドして動画を作ることができるのか、事例を通してご説明します。

私たちがお役に立てること国内運用実績 No.1One to Oneコミュニケーションに最適な動画ソリューション企業と生活者のコミュニケーションが「One to One」へシフトしていくなか、「パーソナライズ」と「動画」を組み合わせた「パーソナライズド動画」が注目されています。OneDougaはパーソナライズド動画の制作と配信、視聴履歴分析を簡単に実現できる動画ソリューションです。詳細はこちら

●株式会社ノーリツ 給湯システム製品のパーソナライズド動画

ガス給湯器のトップメーカー株式会社ノーリツでは、「ユコアHYBRID」というハイブリッド給湯システムのパーソナライズド動画で、一般のお客さまごとの商品提案とコストシミュレーションを提供しています。
家族の人数や居住地域、現在使用中の暖房設備、ガスや電気の光熱費などをWebサイト上のフォームに入力すると、個々のお客さまごとの 「動画商品プレゼンテーション」と「光熱費シミュレーション」を瞬時に生成し、お客さまは自分だけのパーソナルな商品情報やコストシミュレーションを動画で見ることができます。また、光熱費シミュレーションはプリントアウトもできるため、お客さまの検討にも役立ちます。
結果、視聴維持率は70%ほどと非常に高い成果を出しています。

OneDougaが提供するパーソナライズド動画は、お客さまのレスポンス率を向上し、商品・サービスの理解を深めてもらうことが可能です。

さらに、パーソナライズド動画は、誰が、いつ、どれくらいの長さを視聴したのかデータを取得できるため、マーケティング・販促に役立つ側面もあります。お客さまごとにエンゲージメントを計測することもできます。

まとめ

住宅設備・建材業界の販促トレンドをご紹介してきました。動画活用やオンライン接客など、オンラインを活用した販促のほか、紙カタログの有効性も再注目されています。
また、業界全体として“商流はBtoB。コミュニケーションはBtoC”といった戦略の見直しも進んでいます。この機会に、一度、有効な施策を検討してみてはいかがでしょうか。


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