近年のインターネットとSNSの発展により、情報収集の形は大きく変わりました。インターネットで情報を検索したり、入手した情報を仲間と共有したりするスタイルはごく一般的なものとなりつつあります。
それに比例する形でいわゆる「Webコンテンツ」の存在感はますます高まり、マーケティングにおいても重要なツールとして認識されるようになってきました。この記事では良質なWebコンテンツを作成するためにぜひ押さえておきたい、ライティングのテクニックについてご紹介します。
コンテンツ時代がやってきた!
2011年にGoogleがZMOTという概念を提唱したのは記憶に新しいところです。
ZMOTは「Zero Moment Of Truth」の頭文字を取ったもので、SNS時代の新しい消費者の購買モデルをあらわす言葉です。昨今の消費者はCMなどを見て商品に関心を持つと、まずWebやSNSなどを検索して商品に関する情報を収集します。かつてのように店頭を訪れてから何を買うのかを決めるのではなく、店を訪れる前に情報検索によって購買意思決定がなされるようになりました。
こうした消費者行動の変化に伴い、Webコンテンツはますます重要なマーケティングツールとなりつつあります。
企業がマス広告などを利用して一方的に情報を「押し付ける」のではなく、消費者の求める情報をコンテンツとして提供し、消費者の側から自社を「見つけてもらう」、コンテンツマーケティングと呼ばれる手法が一般化してきているのです。
このような流れにのって日々大量のコンテンツが量産されていくなかで、消費者の目を引きつけ、信頼に足るコンテンツを開発するためには、どんなところに注意すればよいのでしょうか?
「良質なコンテンツ」の定義
Web記事のようなテキスト型コンテンツの品質は、「内容の品質」と「文章の品質」の二つの軸で定義できます。
どんなに素晴らしい文章であっても、内容の薄いコンテンツは良いコンテンツとはいえません。また、どれほど素晴らしい内容であっても、読みづらい文章で書かれていては消費者に受け入れられません。消費者の求める内容を読みやすい文章で記事に仕上げるのが、良いコンテンツを作る秘訣です。
昨今、「コンテンツを大量に登録すればSEO上有利である」という偏った考え方に基づいて、内容の薄いコンテンツを量産するケースをしばしば目にします。コンテンツの量を増やすこと自体が無意味だと言い切ることはできませんが、消費者のニーズに合わないコンテンツを量産するだけでは、マーケティング本来の目的を果たすことはできません。自社の製品・サービスについて深く理解し、ターゲットのニーズを正しく捉えたうえで、 ターゲットに役立つ内容をWebコンテンツにふさわしいライティングテクニックを用いて読みやすい文章に仕上げる――これこそが「良質なコンテンツ開発」のあるべき姿だと言えるでしょう。
Webライティングで絶対に押さえておきたい3つのポイント
では、具体的にどのようなテクニックを用いれば読みやすいコンテンツを作成できるのでしょう?
Webライティングのコツはいろいろありますが、ここではこれからライティングに取り組む方に向けて、ぜひとも押さえておきたいポイントを3つご紹介します。
1.「事実」と「私見」を混同しないこと
これから書こうとしていることが「事実」なのか「自分の意見」なのかを明確にし、事実は事実、私見は私見として切り分けて書くことが大切です。また、事実を記載する際は可能な範囲で根拠(出典)を示すようにすると信頼度が上がります。
2.正しい文法を用いて文章を書くこと
どんなに立派なことが書かれていても、誤字脱字や文法の誤りが散見されるようでは、消費者の印象を損ねます。文豪のように美麗な文章を書こうと肩肘を張る必要はありませんが、最低限「てにをは」などの基本的な文法は正しく用いるように心がけましょう。
3.コンテンツのタイトルを工夫すること
文章それ自体ももちろん重要ですが、インターネットユーザは検索時に表示されるタイトルでページを訪問するかどうかを決める傾向にあります。たとえば、同じ「写真の撮り方を解説するコンテンツ」でも、単に「よい写真の撮り方」というタイトルよりは、「思わず二度見したくなる!ハッと人目を惹く写真を撮る3つのポイント」のようなタイトルのほうが「読んでみようかな」という気持ちをそそります。コンテンツの内容を簡潔に表しつつ、かつ思わず「読みたい」と思わせるようなタイトルをつけるように工夫しましょう。
「コンテンツ時代」を勝ち抜くために
以上、コンテンツマーケティング時代を勝ち抜くための、Webライティングのポイントをご紹介しました。
マーケティングにおいてWebコンテンツが重要な位置を占める傾向は、今後もしばらく続くでしょう。そして、この流れに乗ってWebコンテンツは今後も増え続けていくはずです。
大量のコンテンツの中に埋もれてしまうことのない「良質で長生きするコンテンツ」を開発するために、ここでご紹介したような技術を身に付けるとともに、消費者のニーズに合ったコンテンツを企画する力もぜひ磨いていきましょう。