カーレースの最高峰と言われるF1を始めとする各種レースが、自動車技術の発展に寄与し、現在の交通インフラとしての自動車の地位確立の一端を担ってきました。そんな展開が今後はドローンでも起こるかもしれません。
現在世界中でドローンを使った「ドローンレース」が開催されているのはご存じでしょうか? 中には賞金総額1億円を超える大会も登場するなど、その注目度を高めています。

ドローンビジネスの現状とは?

昨年から2年程前にかけて、国内でも「ドローン特区」の制定などドローンのビジネス化に向けた動きが多くありましたが、最近ぱったりと情報を耳にすることも減りました。そんな中、最もドローンの活用が定着したと言えるのが撮影(空撮)です。従来は不可能、または高額なコストが必要となる撮影をドローンで手軽に行えるようになり、TV番組でも空撮映像を目にすることが増えました。
しかし撮影をドローンのビジネス活用と言っても、いまいちピンと来ない方も多いのではないでしょうか。そういった面で期待されているのが、流通(宅配)と農業、検査・測量での活用です。

ドローン宅配に関しては海外での実証実験を始めとした検証が行われていますが、国内でも千葉県で実証実験が行われるなど、2019年の実用化に向けた取り組みが進んでいます。
農業活用に関しては、既に2017年に農薬散布用のドローンがリリースされています。農業は先進的なデジタルソリューションとの相性が良く、IoTの取り組みも進んでいる分野です。

ドローンレースはブレイクスルーとなるか?

しかし、ドローンをビジネス活用する面では課題も多くあり、その最も分かりやすいものが墜落のリスクです。宅配などでモノを運んでいれば、その破損のリスクがありますし、何より下を歩く人が怪我をしてはビジネスとして継続は困難になります。ドローンをビジネス活用するには、まだまだ機能性、安定性、操作性など様々な面での課題が残っているのです。

そのブレイクスルーの一端として期待されているのがドローンレースです。ドローンレースはその名の通り、ドローンを使用したレース競技で当然メインの目的はエンタメのコンテンツとしての活用。しかしそれだけでなく、多くのレース競技がそうであったように、レースで競うことを通して新たな技術や革新が産まれる可能性もあります。エンタメコンテンツとしてレースが注目され、プレーヤーだけでなく企業としてもスポンサードなどで参加するメリットが生まれれば、多くの資金が流入しその可能性もより大きくなっていきます。

ここまでドローンのビジネス・エンタメでの活用についてご紹介していきましたが、ドローンが今圧倒的に利用され、今後もその市場規模を伸ばすと予測されるのは実は軍事利用です。矢野経済研究所のレポートでは2015年時点で既に軍事用ドローンの市場規模は1兆円に近く、一方で民間利用では2020年に9,000億円程度の市場規模が予測されています。

IoTと同様まだ浸透しきってはいないドローンのビジネス利用ですが、ある時を境に爆発的な普及も起こるかもしれません。

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