新規顧客を獲得する際のCPA(顧客獲得単価)高騰に悩んでいませんか? そんなとき、検討する必要があるのが既存顧客の育成です。とはいえ、現状、顧客と継続的なコミュニケーションが取れておらず、どのように舵を切るべきか悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、新規顧客獲得コストが既存顧客維持の5倍であることを示す「1:5の法則」の概要や既存顧客の維持・育成を通じたLTV最大化と「ファン」を育てるためのポイントや手法をご紹介します。
「1:5の法則」とは?既存顧客維持の重要性

新規顧客の獲得にばかりコストをかけてしまい、CPA(顧客獲得単価)が高まっていることに課題を感じていませんか?
一般的に「1:5の法則」が知られていることから、既存顧客の維持にかけるコスト割合を増やし、バランスをとることが重要です。
「1:5の法則」とは?
「1:5の法則」とは、新規顧客の獲得コストは、既存顧客維持コストのおよそ5倍であるという法則です。その理由として新規顧客を獲得しても利益率が低いことが挙げられます。一度購入している既存顧客であれば、再度購入するハードルは低いと言えるのです。
既存顧客維持の重要性
実際、多くの企業が新規顧客の獲得に目が行きがちですが、コストがかさむため、既存顧客維持が重要になってきます。
既存顧客は、中長期的に自社商品・サービスの顧客となり得るため、生涯顧客になってもらえる可能性があるのも利点です。つまり、長きに渡って自社に利益をもたらす存在になり得るLTV(生涯顧客価値)向上が期待できます。また顧客ロイヤルティの高い存在は、売上だけでない利益を生み出します。
・LTV(生涯顧客価値)とは?
LTV(Life Time Value)とは、生涯顧客価値と訳される指標で、一人の顧客が自社との取引を開始してから終了までの期間にどれだけの価値をもたらしたかの数値です。
顧客との長期的な関係維持のために重要な指標として近年、重視されています。
・顧客ロイヤルティとは?
顧客ロイヤルティとは、顧客がブランドやその企業へ愛着や信頼を持っている状態の指標です。顧客ロイヤルティの高い顧客は再購買を繰り返してくれるほか、他者へとブランドを推奨してくれたり、SNSで良い口コミレビューを拡散してくれたりします。
新規獲得とのバランスが重要
しかしながら、事業成長のためには、新規顧客の獲得は必要です。そのため、コストを抑えることだけを考えて新規に取り組まないと、別のリスクが発生します。
そのため、既存顧客の維持率や離反率とバランスを見ながら、新規顧客獲得と既存顧客維持の両方を計画的に進めていくのが理想です。
LTV最大化のカギは「ファン」を育てることにあり

続いて、既存顧客維持のポイントを解説していきます。鍵を握るのはLTVの最大化です。
どうすればLTV最大化につながるのでしょうか。ポイントとなるのが企業やブランドに愛着を持つ「ファン」を育てることです。
なぜ「ファン」を育てることが重要なのか
企業やブランドに対するファンは、通常の顧客と比較して、強い愛着と共感を抱く存在です。ブランドや企業の価値観・理念に共感し、自らその価値や魅力を周囲やネット上で広く発信・拡散する行動を取るのが特徴です。
ファンは顧客ロイヤルティが高まった状態ともいえ、継続的に良好な関係を築くことができれば、長期的にLTV向上をめざすことができます。
「ファン」を育てるためには顧客のロイヤルティ向上が必要
ファンを育てる指標として、顧客ロイヤルティを利用できます。つまり、顧客ロイヤルティを向上させる施策を打つことが必要です。
LTV最大化をめざす「ファン」作りのためのコミュニケーション設計のポイント

既存顧客の維持のためには、LTV最大化をめざしながらファンを育成していくための顧客ロイヤルティ向上の長期的なコミュニケーション設計を行う必要があります。そのポイントをご紹介します。
組織的にLTV最大化の意識を持つ
最も重要なのは、組織全体が認識をすり合わせることです。
単発の売上獲得と、LTV最大化のためのコミュニケーションとは大きく意識と対応を変える必要があります。
例えば、営業部門は単に受注・契約に結びつけるだけでなく、長期的なサービスとのマッチングを重視する、カスタマーサポート部門は単なるクレーム処理に陥らず、顧客の愛着や好評の声を商品開発部へ積極的に流すなど、意識と行動を変化させる必要があるでしょう。
組織的にプロジェクト体制を構築する、認識合わせの会合と発信を繰り返すなどして組織文化として浸透させることが肝心です。
特別・限定を訴求する
顧客に特別感を抱いてもらうには、こちらから特別に対応することが必要です。「会員限定」「パーソナライズ」など、特別性のあるコンテンツ提供やプラットフォーム、コミュニティ形成が考えられます。
オンラインとオフラインを組み合わせた施策を設計する
施策はオンラインとオフラインを横断し、組み合わせた施策を行うことをおすすめします。顧客ロイヤルティを高めるためには、特別感のあるオファーが重要ですが、特にオフラインのDM施策のようなリアルでの体験価値は大きいものとなります。
心理・行動・経済すべてのロイヤルティを培う施策を設計する
ロイヤルティは、大きく「心理・経済・行動」の3つに分類されるため、それぞれを高める意識が必要です。特別オファー提供などの感情面だけでなく、行動を起こせるプラットフォームを用意する、特別割引クーポンで経済的な負担を減らすなど工夫をしましょう。
購買時期を予測した最適なタイミングでのアプローチ
ただ闇雲に均一な施策を打つよりも、顧客ごとの購買履歴などをもとに次の購買時期を予測し、最適なタイミングでアプローチすることで、再購買を促せます。
KPIを押さえる
効果測定は次のようなKPIを設定して進め、改善を繰り返しましょう。
| リピート率 | 一定期間内に商品を再購入した顧客の割合 |
|---|---|
| NPS(ネットプロモータースコア) | ブランドや商品を他人に推奨する意思の度合い |
| 解約率 | 一定期間内に利用を辞めた顧客の割合 |
| 顧客単価 | 一人の顧客が1回の購買当たりに支払う金額の平均 |
| 顧客満足度 | 商品や購買行動全般における満足度 |
| LTV | 取引のある期間に企業が得られる総利益 |
LTV最大化をめざす「ファン」作りのための具体策

顧客コミュニケーション設計を実施した後は、その設計を実行に移すため、部門間で連携しながら顧客データの統合や活用を進めていくことが重要です。その部門間連携・顧客データ統合の成功のポイントをご紹介します。
優待・キャンペーン
会員限定割引セールの案内や、キャンペーン応募権の付与などは、特別感を醸成できます。話題性があることから、新規顧客が獲得できる可能性もあります。
リワードプログラム
ポイント贈呈や長期利用特典などのリワードを提供するものです。絆を強化するとともに購買促進にも寄与します。
ファンコミュニティ構築
ネット上の会員限定サイトやプラットフォームを用意し、ファン同士の交流や「中の人」への直接的なコメント・意見受け付けなどを可能にするものです。ファンの絆強化やエンゲージメント向上に寄与します。
紙の特別DMの配信
他社も含めてデジタル施策が頻発するなか、紙によるDMとオファーは特別感や満足感を高めます。
直接メッセージのやり取り
DMやコメント欄、メールなど細かな個別対応は絆強化やロイヤルティ向上につながります。
まとめ
「1:5の法則」を踏まえると、既存顧客の維持に注力することは新規顧客獲得コスト高騰の対応策として必要といえます。効果を最大化するために、LTV最大化と顧客ロイヤルティ向上をめざし、組織的にファン化促進体制を作っていくことが何よりも重要になるでしょう。
しかし、自社だけでは体制作りやコミュニケーション設計に不安を感じることもあるでしょう。
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関連資料
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