「商品を探してネットをさまよっているうちに関係のない動画を見ていた」
「目当てのものとは別のものを買ってしまった」
「店舗に行ったけど『やっぱりネットで』と思ってそれっきり」

こんな経験、皆さんもしたことがあるのではないでしょうか。

一消費者としてなら「よくあること」で済む話ですが、マーケティングや販促に携わるあなたならもうお気づきのことでしょう。これこそカスタマージャーニーから離脱する実際のシーン。「ロストジャーニー」にほかなりません。

ではその離脱、いったいどこで起きているのか?何が要因なのか?

本稿ではそれを探る手段として、私たち共同印刷が実践している「コミュニケーションマップ」をご紹介します。

コミュニケーションマップから始めるコンテンツ戦略最適化

近年、顧客体験設計(CXデザイン)やコンテンツマーケティングについてお客さま企業からご相談いただく機会が増えるなかで、意外にも多いのが「自社で制作している販促ツールやコンテンツを把握しきれていない」という声です。

「経営基盤としてのコンテンツ資産」という考え方が浸透してきてはいるものの、日本の企業ではCCO(Chief Communication Officer=最高コミュニケーション責任者)のような役職は一般的ではなく、コンテンツ制作やその管理運用の指針となるガバナンスも形成途上というのが大多数の企業の実情なのかもしれません。

しかし現行施策に潜んでいる課題が見えてこなければ、めざすべきゴールを設定することもできません。そこでこのような場合、「今やっているコンテンツ戦略を可視化するところからスタートしましょう」と私たちは提案しています。ここで登場するのが「コミュニケーションマップ」です。

コミュニケーションマップの作り方

「でもコミュニケーションマップを作ると何がわかるの?」

ここがやはり気になるところだとは思いますが、マップが完成すればそれは自ずと明らかになります。まずは作業を進めていきましょう。少々根気がいる作業ですが、関係する部署や社員にも声を掛け、チームで協力しながら進めていくと客観性もよりアップすると思います。

作成するマップは4つです。以下にポイントを整理します。自社用に要所要所をアレンジしていただいてもちろんOKです。

[1]顧客行動

消費行動を時系列に整理し、各プロセスにおける顧客の行動・心理を言語化してみましょう。

[2]現行施策

顧客接点として現状稼働しているメディアやコンテンツをマトリクス上にすべて書き出してみましょう。

[3]接触チャネルの役割

[2]に基づき、現行施策で各媒体がどんな役割を担っているかを言語化してみましょう。

[4]情報の流れ

[2]に基づき、現行施策がどのように相互に作用しているか相関図にしてみましょう。

顧客接点の偏在が「見えないロス」を生んでいる

マップを作る過程で、「なるほど!見えてきた!」という手応えを早々に感じる方もおそらくいらっしゃると思います。ただしその時点で満足してしまい、マップを完成させて終わりにはしないでください。

この作業によって可視化されるのはあくまでも「現状」。しかしこの現状を共有できなければ、社内の関係各所や協力会社が同じスタート地点に立つことができません。コミュニケーションマップの果たす役割はまさにそこにあります。

さて、コミュニケーションマップが完成したら、いよいよ課題抽出を進めていきます。
ここからは「マップをどう読み解いていくか」を、具体例を用いて見ていきましょう。

4つのマップのなかでも、顧客接点の偏りや不足に気づきやすいのが[2]現行施策のマップです。下図は、横軸が顧客の関与度(ライト〜ヘビー)と縦軸が提供価値の軸で、現在の施策を整理したものです。

このマトリクスを俯瞰すると、特定の領域に施策が集中している一方で、赤字で示したように「顧客接点がほとんど存在しない空白地帯」が浮かび上がってきます。特にライト層においては、情報接触はあるものの「役立ち」や「楽しさ」につながる体験が十分に設計されていない可能性が考えられます。

このように現行施策を可視化することで、これまで見落とされがちだった課題や、
次に着手すべきポイントが明確になります。

このような顧客接点の空白地帯では、顧客との関係が途切れてしまっているにもかかわらず、企業側では気づきにくい「見えないロス」が生まれている可能性があります。こうした状態が積み重なることで、顧客が検討・理解のプロセスから離脱してしまう
いわゆる「ロストジャーニー」の要因となっているケースも少なくありません。
4つのマップ作成を通してすでに頭の中は整理されているはずです。そこで「見えないロス」を共通テーマにディスカッションしながら具体的な改善アクションを探っていきましょう。

[ディスカッションのポイント]

●どんなミスコミュニケーションが起きているか?
 具体的にシーンをイメージしてみましょう。

●改善するためにすべきことは?
 顧客接点の新設?既存接点の再構築?

●顧客接点を新設するとしたらメディアは?
 Web?紙媒体?フィジカル?

●そこで求められているのはどんな顧客体験(CX)?
 どんなコンテンツを提供したらよい?

「顧客接点の棚卸し」はオン/オフ統合の第一歩

OMOの進化に伴い、現代の消費者はフィジカルとデジタルの境界を意識することなく、紙媒体・マス媒体・Web・フィジカル(実店舗)をシームレスに行ったり来たりするようになりました。「クロスチャネル行動」や「フィジタル購買」と呼ばれる消費行動です。

こうした消費者に対応するには顧客接点の網の目を密にしていくことが基本になります。しかしこの時、販売チャネルとコミュニケーションチャネル、それぞれのオン/オフ統合が整合していなければ「形ばかりのOMO」と言わざるを得ません。

  • ・顧客接点がムダに集中しているところがないか
  • ・顧客接点として十分に機能していないメディアやコンテンツがないか
  • ・再構築することで活性化できる顧客接点はないか

こうした点にも着目しながら、コミュニケーションマップをOMO実現に役立ていただければと思います。

共同印刷をコンテンツ戦略のパートナーとして起用していだたく場合は、マップ作成、課題抽出、またそれに基づく改善アクション立案まで一貫して私たちがアテンドしながら進めていきます。なかでも私たちは、前項で解説した[2]現行施策の書き出しを「顧客接点の棚卸し」と呼んでいます。

この「棚卸し」をやってみると、すでに効果が薄くなっている過去の施策や、ぽつんと孤立している顧客接点などが明らかになることが珍しくありません。自社がめざすOMOに本当に必要な顧客接点か。機能していない顧客接点にムダなコストをかけていないか。こんなところも「棚卸し」で見極めていきましょう。

まとめ

「OMOの実現」が企業にとって大きなテーマとなっている今、自社の現行施策を把握できていないために、販売チャネルとコニュニケーションチャネルのオン/オフ統合を一体的に進めることができず二の足を踏んでいる状況にしばしば遭遇します。

このような場合に私たちが提案するのが、コミュニケーションマップによる課題の洗い出しです。現状の顧客接点を「棚卸し」してみると、すでに機能していない施策や、アプローチできていない顧客層などが見えてきます。

コミュニケーションマップは、社内や協力会社との意思疎通を効率よく進めるのにも役立ちます。

本稿ではそんなコミュニケーションマップの活用シーンの一部をご紹介しましたが、より詳細な情報を網羅したホワイトペーパーもご用意しています。以下よりダウンロードページにお進みいただき、改善アクションを導き出す手法としてぜひお試しください。

関連資料

顧客接点を可視化する「コミュニケーションマップ」活用術

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