SDGsで変わり始めた消費者インサイトと求められる店頭販促の変化

私たちが現在と未来を語る上で欠かせないキーワード、SDGs。その一般認知率は2021年度に50%を超え(※1)、一部の消費者には「SDGsに貢献できるから買う」という意識も芽生えつつあります。この大きな変化は、当然ながら販促やマーケティングの領域にも押し寄せています。SDGsに対応した商品の最適な訴求方法は? SDGsに対応した販売促進とは? 何から始め、何をどのように変えるべき? ——今回のHint Clipは、これらの問題に対し共同印刷が見つけた「ベストアンサー」をご紹介します。
なお、本記事は当社プロモーションメディア事業部の領家隆志が2022年3月に登壇した、 “MarkeZine Day 2022 Spring”のウェビナーを編集・再構成したものです。お時間のある方は、動画コンテンツもぜひご視聴ください。

※1 株式会社電通 第4回「SDGsに関する生活者調査」(2021年)

[SDGsで変わり始めた消費者インサイト-1]「意向」と「行動」の乖離

SDGs最大の特徴は、企業がプレイヤーとなることを推奨し、環境や人権だけでなく経済成長も重視しているという点にあります。つまり「環境にやさしいから」「人権に配慮して生産しているから」といった理由から購入する「エシカル消費」が広がりつつある現在、企業はSDGsに取り組むことで、消費者からの信頼を獲得しやすくなるのです。
しかしSDGsの認知率は向上しているものの、消費者における実際の購買意識に大きな変化はないようです。エシカル消費は、意向こそ約8割と高いものの、実際に購入したことがある人は4割以下(※2)。また食品・日用品以外の業界では、エシカル消費の経験者が2割以下という状況です(※3)。
では、どうして意向と実際の購買行動に乖離が生じているのでしょうか。ここで一つ、注目したい調査結果があります。消費者がエシカルな商品を購入する際の条件を調査したところ、その商品が社会や環境に与えるメリットを「理解できること」が上位になりました(※3)。これは、見方を変えると以下のように言い換えることができるでしょう。
「多くの消費者は、どの商品を買えばエシカル消費ができるのかがわからない。また消費者の大半は、企業がきちんとSDGs視点のメリットを伝えてくれないから、エシカル消費をしたくてもできない」

[図1]エシカル消費の購入理由.jpg
※2 博報堂「生活者のサステナブル購買行動調査」(2019年)
※3 電通「エシカル消費 意識調査2020」(2020年)

[SDGsで変わり始めた消費者インサイト-2]店頭でのエシカル訴求の重要性

企業は消費者に対して、より丁寧にSDGsへの取り組みを伝える必要があることがわかりました。しかし、どの媒体で、どうやって行えばよいのでしょうか?
この問題の解決にヒントになる調査結果があります。消費者庁の調査によると、消費者から一番求められているのは「店頭での訴求」だったのです。そして店頭での訴求は、購買判断につながると答えた消費者は全体の60%以上に。この傾向は男性より女性のほうが高く、30代以上に顕著であることもわかりました(※4)。

[図2]店頭での訴求が購買判断に効果的.jpg[図3]店頭で情報を表示している商品を購入したい.jpg
※4 消費者庁「倫理的消費(エシカル消費)」に関する消費者意識調査報告書」(2020年)

これらの調査結果をまとめると、以下のことが言えます。
「エシカル消費をさらに拡大するには、30代以上の女性に対して、商品購入によって得られる社会的・環境的メリットやその根拠を、店頭でわかりやすく説明する必要がある」

[SDGsで変わり始めた消費者インサイト-3]SDGs関心層にアプローチするには

ここからは、エシカル消費のコアターゲットである30代以上の女性について考えてみましょう。この層に対し、店頭でどのようにアプローチすればいいのでしょうか?
ここで活用したのが、当社の女性インサイト発見とペルソナ作成に特化したマーケティングプラットフォーム「ペルソナキューブ」です。蓄積されたデータから、女性のSDGsに関わる価値観は以下の4つに分類されることがわかりました。

[図4]SDGsに関するペルソナ.jpg
これらのうち、高関心層と言えるのが「先駆タイプ」と「環境タイプ」の二つです。「先駆」は社会課題全体に関心が高く、情報収集も積極的。そして知識を得てから納得のいく消費をしたいと考えています。このタイプに対し、企業は「表層的でなく、本気で取り組む姿勢」を伝える必要があると思われます。
一方、「環境」は特に地球環境保全に関心が高い層です。自分で何かをすることに幸福感を感じる傾向があり、自分が参加・貢献しているという実感を重視しています。このタイプには、「環境に配慮した商品の説明に加えて、自分がよいことをしている実感を得られるような内容」を伝えることが大切です。
つまり「同じSDGs商品でもターゲットによって『買う意味』が異なるため、店頭では、それぞれに応じた訴求が必要になる」のです。

[店頭販促におけるSDGs上の課題]POPはSDGs訴求に適していない

SDGsを訴求すべき「情報」「場所」「ターゲット」がわかったところで、次は「なにで」「どのように」伝えるかを考えてみます。
店頭で「買う意味」を伝えるとなると、マーケターなら誰もがまず「POPの活用」を検討するのではないでしょうか。しかし、ここには二つの問題が存在します。一つ目は「情報量」です。SDGs的な特徴や購入メリット、購入意義などをターゲット別に語ろうとすると、どうしても情報量が多くなります。インパクトや直感的な理解に適した従来型のPOPは本来、「モノ消費(商品の所有価値・機能価値)」や「コト消費(商品で得られる体験・使用価値)」の訴求には適していますが、社会的価値や文化的価値といった「イミ消費」の訴求には適していないのです。
二つ目の問題は「訴求手段」とSDGsとの親和性です。POPは製造数に対して店舗設置率が低く、短いスパンで更新されるため、大量生産・大量廃棄になりがちです。持続可能性を訴えるという目的からすると、POPの活用は本末転倒であると言えるでしょう。仮にSDGsを訴求したPOPを作成しても、それを掲出するか否かは店舗の判断によるところが大きい点も問題です。
つまり「店頭でSDGsを訴求するには、従来型POPに代わる手法が必要」なのです。

[店頭販促での解決方法-1]「デジタルサイネージ」が最適だが、注意点も

共同印刷では「店頭でのSDGs訴求に最適なのは、『デジタルサイネージ』を用いた動画による説明」であると考えています。その理由は三つあります。
一つ目の理由は「表現力」です。映像と音声で、膨大な量の情報を感覚的に伝えることができます。
二つ目は「汎用性」。動画コンテンツを差し換えるだけでさまざまな情報を伝えられるため、繰り返し使うことができます。大量生産・大量廃棄になりません。
そして最後の理由は「作業効率」です。従来型POPのような、店舗での組み立て・設置作業が不要になるため、関係者全体の作業工数を削減できます。業務効率化に貢献できるため、店舗への設置交渉もしやすくなります。
しかし活用にあたっては注意も必要です。特に以下の点をクリアしていないと、想定した効果が得られないだけでなく、運用面にも問題が生じてしまいます

  1. ①広告用サイネージを使わない…通路や待合室などに設置された広告用サイネージは店頭販促とは目的が異なるため、SDGs商品の店頭訴求には不向き。
  2. ②小さすぎない/電子POPではない…小型では十分なアテンションや訴求力が得られない。
  3. ③スタンドアロン型ではない…コンテンツの入れ換え作業が非効率的。
  4. ④管理システムが使いやすい…運用コストがかかると、日常的な運用が困難に。
  5. ⑤商品の近くに設置できる…どの商品に関連した動画なのかがわからないと、効果が得られない。
  6. ⑥組み込み型ではない…什器に組み込んで使うタイプのサイネージは用途が限定され、サステナブル性も低くなる。単体のサイネージ、あるいは汎用性のある什器一体型がベスト。

[店頭販促での解決方法-2]SDGs訴求に最適なサイネージ「デジタルゴンドラ」

これらのポイントをすべてクリアできるデジタルサイネージがあります。それが、共同印刷が提供する配信型デジタルサイネージ一体什器「デジタルゴンドラ」です。
デジタルゴンドラは、「販売什器」「デジタルサイネージ」「動画コンテンツ配信」を一体化させた商品。店頭に設置し、商品から最も近い場所である「売り場」で、魅力的な商品訴求動画を作成・配信することによりSDGsと消費行動をつなぎ、ターゲットに「買う意味」を与えることができます。コンテンツは簡単に作成でき、複数拠点にあるサイネージを一括管理できるため、運用性にも優れています。また当社が試算したところ、紙製フロア什器と比較して5年間で100t以上のCO2排出量を削減できます。詳しくは本記事の最後に掲載するリンク先のページをご覧ください。

[図5]デジタルゴンドラの仕組み図.jpg

[まとめ]店頭販促そのものを、SDGs対応にするために

店頭でのSDGs訴求はデジタルサイネージがベストです。しかし従来型サイネージは、サステナブルな視点から見るとまだまだ無駄な部分が多く注意が必要です。サイネージの選定はしっかり要件定義をしてから行いましょう。
今後、SDGs訴求に限らず店頭販促はデジタル化・動画化に向かうことは間違いないでしょう。とはいえ、完全なシフトには時間がかかると思われます。いち早くデジタルゴンドラのようなサステナブルなサイネージを導入できれば、商品のSDGs訴求だけでなくマーケティング活動全体のSDGs対応もアピールすることができ、サステナビリティやコーポレートブランディングの面でも大きなプラスになります。サイネージ活用がまだという企業は、ぜひこの機会に、本格的に検討してみてください。

kakui-portrait-small.jpg共同印刷株式会社 プロモーションメディア事業部 プランニングユニット 課長

領家 隆志

2006年共同印刷入社。商業印刷部門の営業担当として、家電、化粧品、自動車、玩具などのメーカーやテーマパーク、自治体等様々なクライアントを担当し、集客プロモーションやコミュニケーション促進施策の企画推進に従事。2018年より全国スーパーマーケット協会による未来のスーパーマーケットを考えるプロジェクト『Future Store ”NOW”』の運営に 参画し、そのテーマの一つとしてデジタルゴンドラの開発を行う。2020年4月より現職。

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「デジタルゴンドラ」

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本記事は当社プロモーションメディア事業部の領家隆志が2022年3月に登壇した、 “MarkeZine Day 2022 Spring”のウェビナーを編集・再構成したものです。 当日のウェビナーの全編を、以下から動画コンテンツでご視聴いただけます。

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