真の顧客をつかめていますか? 多様化時代に勝つためのペルソナマーケティング再入門

顧客をつかむために、ここ数年注目されているのが「ペルソナマーケティング」です。ペルソナは、よく使われる単語ではありますが、誤った解釈をしていることも多いようです。 そこで今回は、あらためて多様化の時代に不可欠な手法である「ペルソナマーケティング」の概要やメリット、ペルソナの作成方法をご紹介します。

ペルソナは、一人の具体的なユーザー像、顧客像

ペルソナマーケティングにおけるペルソナとは、ある製品やサービスを利用する架空のユーザー像、顧客像のこと。年齢や性別、年収などの統計的なデータだけでなく、趣味、家族構成、よく使う情報端末、休日の過ごし方、価値観、悩みなどを、できる限り細かに、そして実際に存在していると思えるくらいリアルに設定し、人物を一人(もしくは数名)、作り上げます。
多くの場合「佐藤孝子さん」「鈴木正博さん」のような仮の名前を与え、外見も写真やイラストで具体化します。

[ペルソナの例(簡易版)]

ペルソナの例(簡易版).jpg

ペルソナは、「セグメントの限界」を打ち破る手法

ここで“ペルソナ”と“セグメント”との違いについて触れておきましょう。
従来型のマーケティングでは「子育て中の30代後半~40代前半の女性」のような、主に年齢や性別などの属性データ(デモグラフィックデータ)で顧客をセグメントし、特定のグループをターゲットとして設定することが一般的でした。
しかし、ライフスタイルや嗜好性の多様化が進んだことで、同じ年代・性別でも全く異なる価値観を持つようになり、セグメントを選択するだけのターゲット設定では、情報が不十分になりました。その結果、「ユーザーは、本心では何を求めているのか」「こうした場合、ユーザーはどのような感情を抱き、どのような行動を取るのか」といったことを考察しにくくなり、“製品・サービスの提供者側が立案した仮説”と、“ユーザーのニーズ”との間に大きなズレが生じます。このズレが、ユーザーの誤解や評価の低下、無反応といった結果を招くのです。
こうした問題に対応するには、ユーザーの定義をより具体的にイメージしやすくすること、そしてユーザー設定の「解釈の幅」をできるだけ狭めることが必要です。加えて、社内やマーケティング部門全体でイメージを共有しやすい定義にする必要もあります。
「ペルソナマーケティング」は、ユーザーに一つの具体像を与えることで、“ズレ”の問題を解決することが可能です。従来型ターゲッティングの壁を打ち破ることのできる、極めて有効な手段であると言えるでしょう。

[セグメントとペルソナの違いのイメージ]

セグメントとペルソナの違い.jpg

「ペルソナ」を設定するメリット

 仮説を立てやすくなる
ユーザーのライフスタイルやこだわりまで具体的に定義化するため、「ペルソナ『佐藤孝子さん』は肌が荒れやすく無添加スキンケアを愛用している。また、食材のお取り寄せが好きだから、無農薬栽培の産直野菜にも関心があるのではないか?」といった仮説を立てやすくなります。 

意見がまとまりやすくなる
製品やサービスに関わる関係者や部門が増えれば増えるほど、ユーザー像は統一されづらくなり、ブランディングやプロモーションが分散しがちです。しかしメンバーが合意したペルソナがあれば、解釈の幅や判断のブレが少なくなるので、検討期間短縮化やブランディング統一を実現しやすくなります。
ただし、この点はペルソナの作成に費やす時間やコスト、合意形成にかける時間なども考慮する必要があります。

効率的に価値を提供できる
そのペルソナがどのような生活を送り、どのようなことに喜びを感じ、何に悩んでいるのかを明確にできるので、製品やサービスの価値を適切に届けることができ、顧客経験(カスタマーエクスペリエンス)向上などにつながります。

より多くのユーザーにアプローチできる
ペルソナの作成は、ユーザー像をよりピンポイントに絞り込むことでもあります。これは「より多くの人に売りたい」という目的や目標と相反すると感じられるかもしれません。しかし、ペルソナを通してみる顧客は、年齢や性別、居住地域を超えて、共通した性質や状況、価値観を持つユーザーを対象とするので、むしろ市場としては拡大するのです。また、作成したペルソナ向けに訴求ポイントを絞り込むことで、ユーザーにはその製品やサービスがより響くようになります。その結果、設定したペルソナとよく似たユーザーをより多く惹き付けるようになるのです。

ペルソナの作り方(の概要と注意点)

情報を集める
ユーザーに関する情報を収集します。性別、年齢、職業、学歴、収入、未婚・既婚、家族構成、居住地域などの統計的な情報だけでなく、ユーザーインタビューやアンケートを実施すると効果的です。ただし、手あたり次第に集めてしまうと、まとめきれなくなるので、趣旨に沿った情報を集めるよう心掛けてください。 

情報を分類する
集めた情報を使う目的に沿って分類、分析します。例えば定量データはグルーピングしてペルソナの骨子(スケルトン)に。可能であれば因子解析やクラスター分析を行うと使いやすくなります。「興味対象」や「悩み」、「行動」などの定性データはペルソナの肉付け用に分類、分析しておくと、次の段階の作業がしやすくなります。 

一人の人物像にする
②の作業を進めると、次第にユーザーのライフスタイルや考え方などが、ぼんやりと浮かび上がります。これを、一人の人物像として具体的にまとめます。この際、製品・サービスの提供側としてのバイアスは極力外しましょう。自分たちにとって都合のいい人物像にならないよう注意してください。 

共有資料としてまとめる
③で具体化した人物像を、チーム全体で共有しやすい形の資料にまとめます。「簡易版」と「詳細版」の二種類を作成すると、運用しやすくなります。 

検証・見直しをする
完成したペルソナは定期的に見直しをしましょう。 

【まとめ】ペルソナは、作成のプロセスにも価値がある!

実は、ペルソナは作成するプロセスそのものに大きな価値があります。ユーザーをプロジェクトチームや関係者全体で徹底的に掘り下げていく作業が、メンバー全体の連帯感の強化やマーケティングスキルの底上げにつながるのです。これらのメリットも意識した上で、ぜひ組織的にペルソナ作成に取り組んでみてください。
ペルソナを作成するには人員的にも時間的にも余裕がないという場合は、マーケティングや市場調査を得意とする企業・団体が保有する調査データやマーケティングツールを活用するという選択肢もあります。一度検討してみてはいかがでしょうか。


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