経済産業省がデジタルトランスフォーメーション※(DX)を推進するなか、小売業においてもAIやIoTなどのデータとデジタル技術を活用した新しい店舗づくりが加速しています。小売業界の課題を解決し購買意欲を高めるために、キャッシュレス決済、無人レジ、顧客情報管理や売上分析のシステム化、リアル店舗とインターネットの融合、VRコマースなどの実用化と実証実験が進んでいます。
今回、HintClip編集部が注目したのは「店頭販促」のDX。デジタル技術による「新しい売り場」を実現する新サービスについて、共同印刷の店頭プロモーション担当者・領家隆志にインタビューしました。

※デジタルトランスフォーメーション:企業がビジネス環境の激しい変化に対応するために、データとデジタル技術を活用して顧客や社会のニーズに基づき、製品やサービス、ビジネスモデル、業務内容、組織、プロセス、企業文化・風土などを変革し、競争上の優位性を確立すること。

デジタル技術で店頭販促をスマートに変革する

――販売促進の領域における、共同印刷のDX実現のための考え方や取り組みについて教えてください。
領家:当社はこれまで、店頭販促の領域では主にPOPや什器の制作などの「モノづくり」により、お客さまをサポートしてきました。消費者の購買活動がECなどのデジタルにシフトし、顧客の行動データを活用したさまざまなデジタル販促施策が用いられるようになりましたが、リアル店舗ではまだアナログの販促活動が中心です。働き手が不足しがちなリアル店舗では、アナログな販促活動は煩雑で計画通り実行しきれないという課題を抱えています。紙などでつくられた従来型のPOPは利用率が低くなりがちで、膨大な量が未使用のまま廃棄されているのが現状です。これは販促費が有効に使われていないという経営的な課題であり、同時に社会課題でもあります。

――環境負荷を軽減するためにも、POPの制作・配布を見直す必要があるわけですね。
領家:そうですね。長年にわたり小売業のお客さまの店頭販促をサポートしている当社としては、テクノロジーでこれらの課題を解決し、購買意欲の喚起・向上と環境対応を両立できるプロモーション手法をより多くのお客さまに提供することが使命だと考えています。そこで開発したのが、小売業のDX実現のための店頭販促プラットフォーム「デジタルゴンドラ」です。2020年9月2日からの「第2回店舗運営EXPO夏」に出展し、同じタイミングで発売を開始する予定です。

[デジタルゴンドラのサービス概念図]

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「配信型デジタルサイネージ一体什器」が、POPの課題を解決する

――「デジタルゴンドラ」とはどのような製品ですか。
領家:一言で言えば「配信型デジタルサイネージ一体什器」です。画面が一体化した商品展示用汎用什器と、デジタルサイネージの映像などをコントロールするクラウド上のコンテンツ管理システムで構成されています。アナログのPOPでは難しかったさまざまな表現が可能になり、店頭でのアテンションや訴求力が簡単にアップするデジタルPOPツールです。1年契約を基本とした定額料金のサブスクリプションサービスとしてご利用いただけます。簡単にコンテンツを運用できるので、ご担当者の業務負荷も軽減できます。

――どのようなコンセプトでサービスを開発したのですか。
領家:「デジタルサイネージを店舗でPOPとして最大限活用する仕組みの提供」が本商品のコンセプトです。小売業では、ここ数年で多くの店舗にデジタルサイネージが導入されるようになりましたが、「販促ツール」としてはまだ有効活用できていないのが現状です。そこで当社はこれまでのPOP企画制作の経験で蓄積した知見や、多くの小売店へのヒアリングを通じて、デジタルサイネージやPOPが有効活用できていない原因を分析しました。その結果を基に開発したのが「デジタルゴンドラ」です。

――有効活用できない原因とは何だったのですか。
領家:いくつかの原因がありますが、一つ挙げるとすれば「店舗での販促活動のわずらわしさ」です。そこで、デジタルゴンドラでは「効果的な売り場づくりを、簡単に実現できること」を特に重要視しました。

デジタルだからこそ実現できた、三つのメリット

――デジタルゴンドラが店舗にもたらすメリットを教えてください。
領家:簡単にまとめると、以下の三点になります。

  1. ①売り場の活性化・販促力強化
  2. ②業務負荷軽減・コストダウン
  3. ③ゴミゼロ販促

――「①売り場の活性化・販促力強化」は、具体的にはどのようなことでしょうか。
領家:インパクトの高い映像表現を簡単に実現でき、かつスピーディに購買行動へつなげることができます。デジタルゴンドラの什器にはいくつかのバリエーションがありますが、一番のお薦めはゴンドラ什器全体が画面になっているタイプです。大型ディスプレイ4面で構成され、そこに映し出される映像はまさに大迫力。遠くからでも、すぐ目に留まります。大画面・高画質でシズル感ある映像がお客さまの心を一気に掴み、購買意欲を高めます。そして商品をディスプレイの真正面など、すぐ手に取れる場所に陳列できるので、高めた購買意欲を落とすことなく、すぐ購入していただけます。これは説明するよりも、実物を見ていただくのが一番わかりやすいので、 ぜひ「第2回店舗運営EXPO夏」の当社ブースにご来場いただきたいですね。

――今、私たちの目の前に実物がありますが…これは、売り場で大きな強みになりそうです!
領家:複数画面を「つながった1画面」に見立ててよりインパクトのあるコンテンツを作成・配信したり、一つの画面を複数に分割して別々の映像を再生したり…など、自由度の高い斬新な画面デザインが可能です。画像や動画とテキストを柔軟に組み合わせることで、表現の幅が広がるのも大きな特長です。

[デジタルゴンドラの1画面タイプと4画面タイプ]

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――次に、「②業務負荷軽減・コストダウン」について説明してください。
領家:デジタルゴンドラはクラウドサービスなので、POPの配送や設置の手間とコストがありません。コンテンツは通信で簡単に切り替えができます。これまで起こりがちだった、古いPOPが設置されたままになったり、デジタルサイネージの映像が更新されていなかったり…といった問題がなくなります。主な機能としては、コンテンツの作成機能と、スケジュール配信機能があります。曜日や時間帯など、売り場のお客さまの状況に合わせてコンテンツの配信プログラムを組むことで、販売促進効果をさらに高めることができます。

――続いて、「③ゴミゼロ販促」とはどういうことでしょうか。
領家:デジタルコンテンツを利用するので、使われずに廃棄されるPOPをゼロにできます。また、POPを店舗に配送する際に発生するCO2の削減効果も期待できます。

――経営資源の有効活用と、サステナブル社会実現への貢献の両立ということですね。
領家:業種にもよると思いますが、メーカーから支給されるPOPは一般的に2~3割程度しか店舗で活用されていないと言われています。メーカーの倉庫に眠ったままのPOPも含めると、実際に使われているのは1割に満たないかもしれません。POPをつくる会社として、非常に悲しい実態です。使われないPOPをなくすことは、持続可能な社会を実現する上で、避けて通れない課題です。紙のPOPをデジタルゴンドラに置き換えれば、店頭での訴求効果が上がるだけでなく、店舗実現率(※)の向上やPOPを製造する資源の削減にもつながります。経営的な視点やSDGs的な視点からも、ぜひデジタルゴンドラを普及させたいですね。
サービスの概要をわかりやすくまとめた資料をご用意しましたので、ぜひ下部の申し込み欄からダウンロードしてください。

※店舗実現率:売場計画、商談結果を実際に店頭に実現させることのできた割合。ここでは、売場計画における店舗への店頭販促施策の実現率を指す。

サブスクリプション方式で、導入のハードルを下げる

――デジタルゴンドラが画期的なサービスであることはよくわかりました。この記事をお読みの方は、そろそろ「料金」が気になっているかと思います。
領家:もちろん、ご利用いただきやすい料金体系を用意しました。サブスクリプション方式なので、基本的には初期費用0円・月額利用料のみでお使いいただけます。基本の契約単位は1年間です。継続利用を条件に什器を無償提供します。什器のタイプや契約台数によっても金額は変わりますが、月額数万円程度で利用できますので、まずはトライアルしていただき、効果を実感していただければと思います。まとめ払いなどのご要望にも柔軟に対応いたしますので、お気軽にお問い合わせください。

これからの店頭販促は、店頭配信に変わる!

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――最後に、「デジタルゴンドラ」で、将来の販促市場をどのように変えたいですか。ビジョンをお聞かせください。
領家:デジタルゴンドラを使えば、曜日・時間ごとのお客さまの属性にあわせて、配信により簡単にコンテンツを切り替えることができます。また新型コロナウイルスの影響で、店舗での接客や試食、実演販売などの実施が困難な状況となり、デジタルサイネージを使った販促や接客に可能性を見出そうとしている企業が増えています。こうした課題にも貢献したいですね。さらに、デジタルゴンドラのエコな部分をさらにフォーカスしたいと考えています。POPをアナログからデジタルに変えることで、少しでも多くの店舗が活性化し、今以上に「毎日のお買い物が安心・快適で、サステナブルなお店」となるようお手伝いしたい。「これからの店頭販促は、店頭配信に変わる!」を合い言葉に、販促市場を変えていきます。

まとめ:デジタルゴンドラが、ニューノーマル時代の重要な選択肢になる

リアル店舗での販促活動の課題を解決し、売り場を活性化させ、お客さまの購買意欲の向上につなげ、さらには店舗の「ファン」になっていただくための手法として、デジタル技術の活用は今後さらに広がると思われます。小売業全体が新たな売り方を確立する必要に迫られているウィズコロナ/ニューノーマル時代において、「デジタルゴンドラ」のような新しいサービスは、販促活動に意欲的な店舗にとって重要な選択肢の一つになるのではないでしょうか。
販促活動のデジタル化を検討されているご担当者に向けて「デジタルゴンドラ」の詳しい情報をダウンロード資料にてご提供していますので、ぜひご覧ください。

kakui-portrait-small.jpg共同印刷株式会社 プロモーションメディア事業部 プランニングユニット 課長

領家 隆志

2006年共同印刷入社。商業印刷部門の営業担当として、家電、化粧品、自動車、玩具などのメーカーやテーマパーク、自治体等様々なクライアントを担当し、集客プロモーションやコミュニケーション促進施策の企画推進に従事。2018年より全国スーパーマーケット協会による未来のスーパーマーケットを考えるプロジェクト『Future Store ”NOW”』の運営に 参画し、そのテーマの一つとしてデジタルゴンドラの開発を行う。2020年4月より現職。

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