物流を制する者が市場を制す! 「勝ち組戦略」を角井亮一氏に聞く【後編】

日本においても、ロジスティクス部分を戦略的に発展させ競争力を生み出している企業があることを伺いました。しかし、それはまだ少数派であり、日本の物流が抱える問題は未だ山積みとなっています。さらに、具体的に企業側がどのような「物流改革」を行うべきなのか、それ自体が不明であることも多いでしょう。そこで、この最終では『戦略物流』を提唱し、物流コンサルタントとして多方面で活躍されている『株式会社イー・ロジット』の角井亮一氏に課題の解決策と物流戦略におけるアドバイスを伺いました。

【この記事は連載です】
物流を制する者が市場を制す! 「勝ち組戦略」を角井亮一氏に聞く【前編】
物流を制する者が市場を制す! 「勝ち組戦略」を角井亮一氏に聞く【中編】

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■プロフィール/角井亮一氏
株式会社イー・ロジット代表取締役兼チーフコンサルタント。上智大学経済学部を3年で単位修了後、米ゴールデンゲート大学でmba取得。『船井総合研究所』などを経て、家業の『光輝物流』に入社。2000年に設立した『株式会社イー・ロジット』は、現在310社以上から通販物流を受託する国内ナンバーワンの通販専門物流代行会社となっている。 

また、物流人材教育研修「イー・ロジットクラブ」の運営や物流コンサルティング、テレビ・ラジオ番組でのコメンテーターなど、多方面で活躍中。『物流がわかる』、『オムニチャネル戦略』(ともに日経文庫)、『すごい物流戦略』(PHPビジネス新書)、『物流革命』(日経ムック)など、著書多数。

日本企業が求められる対応策と「物流改革」への道すじ

前回、今の日本企業における3つの物流面の課題について角井氏より伺いましたが、こうした課題に対し、具体的にどのような対策をとっていけばいいのでしょうか。

「1つ目の『物流を深く見ていく』ことについては、OJTなどを通し物流の知識をもつことが大切です。知識があれば、改善点なども見えてくるからです。例えば、物流会社の『センコー』では、物流の資格を取らないと課長になれないという体制をとっています。また、私どもイー・ロジットが開催する『物流初級者講座』の研修を利用し、社員教育を行う企業もあります。

2つ目の『バックヤード問題』は、在庫の見える化と一元管理を行っていくことが重要です。『オーダーマネジメント』という考え方があるのですが、たとえば『Amazon』のような巨大企業の場合は物流センターがいくつもあり、どのセンターからいつ出荷するのが最適かを考えなければなりません。

もちろん、配送先に近いセンターから出すのが速いし、プライム会員の場合はそれでいいでしょう。しかし、そのセンターにもし10個しか在庫がなかったら、プライム会員からの注文に備えて、一般会員の注文には遠くのセンターから出荷した方がいい場合もあるかもしれません。最近はSNSなどで話題になった商品の注文が一気に入ることもあり、そうした予測をしながら、それぞれの顧客に対して、どこの在庫を引き当てるのが最適かを考えていく必要があるのです。

3つ目の『共同物流』については、以前は競合他社と一緒にやるなんて…という否定的な考え方が一般的でしたが、北海道や東北、九州などの地方では配送効率が悪く、コストダウンにも限界が出てきた。そこで『一緒に運ぶ』機運が高まってきたわけです。例えば、JR貨物などはどの企業がどこに配送しているかわかっているので、それぞれに一緒に運びませんかと提案し、共同物流を推進しています。

アメリカなどはもともと外注文化なので、第三者である物流会社に業務委託する3PL(サードパーティ・ロジスティクス)というやり方が広まっていますが、日本企業は自分たちでやりたがり、競合他社は敵だという考え方が主流でした。でも、最近は物流コストの上昇という問題も出てきて、さらに共同物流の必要性が高まっているのです」

角井氏の話からは、さまざまな企業が物流改革に乗り出している現状が見えてきます。「コストが上がったから商品を値上げする」といった安易な考え方では、顧客も離れてしまうでしょう。在庫管理や配送効率などを戦略的に考えていくことで、競争優位を築くことができるということがよくわかります。

<参考資料>
https://www.jrfreight.co.jp/service/transport/solution
https://www.suzuyo.co.jp/feature/3pl/

戦略にも実務にも役立つ!『物流』を学ぶ必要性

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角井氏が代表を務めるイー・ロジットでは、「イー・ロジットクラブ」という年間研修サービスを行っています。その活動内容についても伺いました。

「現在、約200社の企業が受講企業として物流について学ぶ『イー・ロジットクラブ』。
他でも物流研修などはありますが、従来の『運ぶ・ためる』機能に関するものが多い印象です。しかし、『戦略物流』を掲げるイー・ロジットは違う視点で学べるという点が大きなポイントなっており、セミナーや講演、交流会なども開催しています。例えば『戦略物流セミナー』と、マネジメントを考える『新春セミナー』という2つの大きなセミナーがありますが、次回の新春セミナーでは、メガネスーパーを復活させた星崎尚彦社長にお話をいただく予定です。他にアメリカ視察ツアーも行っていて、3カ月前に満員御礼になるほど人気となっています。
『イー・ロジットクラブ』の詳細については、下記のURLからご確認していただければと思います」

<イー・ロジットクラブ>
https://www.e-logit.com/seminar/elogitclub.php

今、企業担当者が考えておくべき勝ち組の「流通戦略」

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最後に、物流に関していろいろな動きが出てきている現在、特にメーカーなどの担当者がこれだけは考えておいた方がいいことについてアドバイスを伺いました。

「メーカーの場合、オンリーワン商品があるので、それをどのように顧客へ届けるかが重要になってきます。既存流通にのせて売っている商品でも、今後は自社でダイレクトTOコンシューマーでも可能でしょう。既存流通自体がこれから生き残っていけるかの危機に直面している中で、従来のやり方にこだわっていては、そこと心中することにもなりかねません。

オンリーワン商品を直に顧客へ販売すれば、『Eコマース』か『ネットワークビジネス』という2つが考えられます。日本では、ネットワークビジネスはあまりイメージがよくありませんが、自社のよい商品を世界中に提供するというミッションがあれば、どんなやり方をしてもいいと私は思います。

メーカーは『オンリーワン商品を作れる強み』があるので、いろいろことができるチャンスがあります。既存流通に惑わされず、自社でやっていけばいい。例えば、『カルビー』は自社の直営店舗を全国展開しており、空港などさまざまな場所でカルビー独自の商品を買えます。このように、自社で何かできないかと考えていくことで、粗利の高いビジネスを開拓できるのです」

角井氏は「物流会社と組むなら、伸びる会社、一緒にチャレンジしていける会社を選ぶべきである」ともいいます。「運ぶ・ためる」という従来機能から前進し、コスト削減や利益拡大の戦略物流を積極的に推進していく、そんな企業こそが今の時代に求められているといえそうです。

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このような物流に関するサービスにおいて、共同印刷が開発した新しい二次元コード『FullScanCode®』があります。

これは製造・物流・事務などで二次元コードを含むさまざまなコードが利用されていることを背景に、簡単操作で複数コードの一括読み取りや、さらなる効率化を図りたいというユーザーの声から生まれました。
コード発行・管理・認識といった周辺環境も提供し、『FullScanCode®』を活用して固定資産やIT機器・文書など、あらゆる資産物品管理を支援するクラウドサービスもあり、資産物品のさまざまな管理業務までサポート可能です。

FullScanCodeは機器の一部の入れ替え、システムの一部改修で導入でき、コストもおおむね維持できるといったメリットがあり、比較的導入しやすいコード技術といえます。すでに複数企業の日本国内工場の棚卸管理システムにモデル採用されたり、物品管理クラウドサービスに採用されたりしています。

活用の幅を広げる、この新しいコード読み取り技術についてさらに詳しく知りたい方は、以下をご覧ください。

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