O2Oを支え、あらゆるチャネルを通じて一貫した顧客対応を実現するオムニチャネルとは?

実店舗、ネットショップ、カタログ、テレビ、電話、ソーシャルメディアなど、現代における消費者の購買チャネルは多種多様です。消費者は、オンラインとオフラインの世界を行き来しながら、その時々の状況において、もっとも便利なチャネルで買い物をします。
オンラインとオフラインを結ぶO2Oは、こうした消費者行動に対応するものです。たとえば、ネットショップで注文したものを、実店舗に取りに行く、あるいは返品するなどの仕組みがその一例。つまり、O2Oの導入によって、企業側も複数のチャネルを横断した商品やサービスの提供が求められます。

オムニチャネルとは?マルチチャネルとの違いは?

オムニチャネルとは、オンライン、オフラインにかかわらず、商品やサービスを提供するすべてのチャネルがバックエンドで統合され、シームレスな顧客体験を可能にするシステムです。類似の概念として「マルチチャネル」というものがあります。オムニチャネルとマルチチャネルは、同じ意味で使われることも多いのですが、正確にいえばマルチチャネルは、さまざまな顧客接点=チャネルがあるというだけで、それぞれのチャネルは独立しています。これに対して、すべてのチャネルが連携しているのがオムニチャネルであり、その点が大きな違いです。

オムニチャネルショッパーは購買額が多い

オムニチャネルの最大のメリットは、顧客の購買額を高めることにあります。 

デロイト社の調査によると、2015年のアメリカにおけるオムニチャネルショッパーのホリデーシーズン購買額は、実店舗だけで買い物をする人に比べて75%も多くなるという見込みです。その背景にあるのは、オムニチャネルが提供する利便性にあるといってよいでしょう。 

たとえば、すべてのチャネルがリアルタイムで在庫情報を共有するオムニチャネルであれば、顧客が商品購入の際、ウェブサイトやスマートフォンアプリを使って、各実店舗の在庫状況をチェック、ネットで注文するか、在庫のある最寄りの実店舗に行くか、便利な方法を選んで買い物ができます。
これができない場合、「ネットで注文すると時間がかかるので実店舗で買いたい。でも、在庫があるかどうかも分からない店に無駄足を運びたくない」という顧客を逃してしまうことになります。 

フォレスター社の調査では、39%の消費者が「在庫状況が分からない店には、買い物に行かないだろう」と回答。大きな販売機会を逸していることになります。

より質の高いカスタマーサービスセンターづくりにも

オムニチャネルは、物を売るという場面だけではなく、カスタマーサービスセンターの質を向上させるのにも効果を発揮します。 

自動車保険のかけかえを検討中というシチュエーションを例に考えてみましょう。顧客にとって情報収集に便利なのは、インターネット。外交員に会うことなく気軽に見積もりがとれたり、比較サイトを利用して複数の見積もりを一括して取ったりできるからです。Webチャット機能をそなえたウェブサイトであれば、分かりにくい点を画面上で質問しながら、必要事項を入力することもできます。 

こうしてオンラインで必要な情報を収集し、ある保険会社に絞り込んだ顧客が「細かい点は電話で確認したい」と思う場合があります。このとき、オムニチャネルのカスタマーサービスセンターであれば、オペレーターがこれまでのオンライン上のやりとりを閲覧し、顧客のニーズを理解したうえで会話をはじめることができます。顧客がどの商品に興味をもっているのか、保険をかけるのはどんな車か、など、すでにオンライン上のデータで得られている情報について、繰り返し質問をせずにすみ、スムーズな対応が可能です。

オンラインでもオフラインでも一貫した顧客対応を

スマートフォンを常に持ち歩き、いつでもどこでもウェブサイトにアクセスすることが可能な顧客にとって、オンラインとオフラインの境界線はあいまいです。顧客が求めているのは、オンライン、オフラインの複数のチャネルのどれからアクセスしてもシームレスで一貫した対応を受けられること。それを可能にするのがオムニチャネルであり、O2Oを支える仕組みでもあるといってよいでしょう。

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