海外の有名なプロモーションというと、一見すると突飛だったり派手だったりしますが、そのコンセプトや構成は大いに参考にできるものです。アプリやSNS、デジタルサイネージなど、最新のプロモーション傾向を知りながら、企画の参考にもなる、ユニークな海外のプロモーションを5つ紹介します。

視覚障害者が”笑顔を感じる”アプリで笑顔の力をアピール

メラに映されている人の表情を認識し、笑顔と認識されるとバイブレーションでそれを知らせるというシンプルなアプリ「Smile Detector」。普段目が見える人にとっては普通のことでも、相手の顔を見ることができない人々にとって「笑顔を感じる」ことができるのは大きな喜びになります。

このアプリをリリースしているのはオーラルケア商品を展開するリステリン。笑顔と幸せ、その主役となる白く健康的な歯を情緒的に訴求した美しいプロモーションで、広告主に気がついた時に気持ちよく腑に落ちる広告です。

シニアのスマホ売上を80%上げた世代間コミュニケーション

シニアが担う消費比率が、特に高い日本で参考にしたい施策がこちら。ルーマニアでは日本同様シニアの単独世帯増加が問題となっていました。そこで料理が好きで振る舞いたいシニアと、お腹を空かせた学生とをFacebookでマッチングする施策「Sunday Grannies」をVodafoneが実施。コンテンツのテレビ番組化、65歳以上のFacebookアカウント20%増、スマートフォンの売上80%増など、大きな話題を呼びました。
コミュニケーションのベースとなるプラットフォームを生み出したことが、結果的にプラットフォームを利用するツールとなるスマートフォンの販売増加につながった事例です。

電車の風で髪がなびくデジタルサイネージ でも実は…

スウェーデンのシャンプーメーカーが実施した、電車がホームに入る際の風に合わせてモデルの髪がなびくデジタルサイネージが話題になりました。今回紹介する広告はそのイメージを受けて制作されたものです。
電車が入ってくると同じようにモデルの髪がなびくのですが、なびいた髪は風で飛んでいってしまい、モデルの女性は丸坊主に。そしてがんに関する寄附のメッセージが表示されます。動きがあり目を引く楽しい広告から、ハッとさせられるビジュアル・メッセージへのギャップにより、見た人の印象に強く残るプロモーションになっています。

インフルエンサーを効果的に取り込むSNSプロモーション

SNSを活用したプロモーションはもはや必須ですが、その際のキーとなるのがインフルエンサーの活用です。インフルエンサーを効果的に取り込むユニークな仕掛けをご紹介します。
ニューヨークに出店したノルウェーのアパレルブランドOnePieceは、ハッシュタグ#socialcurrencyをつけてブランドについて投稿すると、フォロワー500人につき1ドルの割引が受けられるキャンペーンを実施。フォロワーが多い人ほど参加したくなる仕掛けのSNSのキャンペーンです。

座席毎の舞台の見え方を全席分動画で公開!

ポーランドの首都ワルシャワは50もの劇場が集まる演劇の激戦区。そんな中、Instagramを活用したプロモーションで集客に成功しているImka劇場の事例をご紹介。

278席ある全ての席から、舞台がどのように見えるのかをInstagramで公開。さらに、それぞれの席から見る15秒間の動画も278パターン公開しました。今までは”行ってみなければ分からない”ものが、手軽に見られるようになったのです。さらに、チケットの購入アプリと連携しすぐにチケットの予約を行えるようにしたことで、売上が向上。
クリエイティブな興味喚起と、チケット購入までの導線を快適にすることで売上アップを実現した事例です。

紹介した5つのプロモーションは、いずれもYouTubeなどの動画サイトにプロモーションの紹介動画がアップされています。SNSでのシェアによる拡散を狙うには、もはや動画のアップも当たり前のこと。
自分なりにそれぞれのコンセプトや、何故その表現に至ったのか? プレゼンするならどうするかなどを考えてみるのも面白そうな事例ですね。

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