ピンクと赤で飾られたショーウィンドー。路上ではメキシコ人たちがバラの花束を違法で叩き売りする姿もちらほら。夜になると有名レストランは予約でいっぱいになり、恋人たちはシャンパンを開けてお祝い…これは2月14日バレンタインデーのニューヨーク。恋人たちの過ごし方の一コマです。

多くの企業が12月のクリスマス商戦にかけているため、日本よりもいまいち盛り上がっていないニューヨークのバレンタインデー。日本では女性から男性に「告白する」一大イベントですが、ニューヨークではカップルで過ごすロマンチックな日であると同時に、自分の周りの愛する人たちへ自分の気持ちを伝える日でもあるのです。親から子どもだったり、子どもから親に、子どもからおじいちゃん、おばあちゃんに、または友人や先生へとさまざまな「愛」の形を表現する、子どもからお年寄りまで幅広い層を対象にした記念日なのです。幼稚園では子どもたちがカードを作り、キャンディーを添えてクラスメイトに渡すイベントなども催されています。

バレンタインといえば、「花」「チョコレート」「ジュエリー」などがすぐに思いつきますが、まったく関係のない日用品がバレンタインのコマーシャルをしていたらみなさんはどう思いますか?今回は、関連性のない商品をあえてバレンタインのキャンペーンと結びつけたことで話題性を呼んだ2つの事例をご紹介します。

オムツと○○○のコラボで新たな需要喚起!?

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アメリカの出生率低下に歯止めをかけるため、オムツブランドのHuggiesは大胆なバレンタインキャンペーンに乗り出しました。なんと大手インターネットラジオステーションのPandraとタッグを組み、「Huggies子作りミュージックラジオチャンネル」を作成したのです!スティービーワンダーの「My Cherie Amour」やクラシックR&Bのロマンチックな曲を取り込み、カップルのムード作りに一役買うことを目的としています。オムツといえば赤ちゃんがいる親へのプロモーションが一般的ですが、あえて一歩先を見据えてこれから子作りするカップルへおもしろくアプローチすることで需要喚起につながり、その意外性で話題になりました。
※注:文中の「Pandora社」のサービスは、日本ではご利用出来ません。

漂白剤と「あれ」で有名な先生とのコラボでユーモア満載のキャンペーン

漂白剤のCloroxは洗濯前に衣類に直接つけてしみを落とす「Clorox 2」のプロモーションとして、アメリカで有名なセックスセラピストのDr. Ruth Westheimerを招き、特別サイトを開設しました。そのサイトとは「洗濯とセックス」にまつわるアドバイスを記載したもの!日常で行わなければいけない「洗濯」という家事も男性がするとセクシーだと主張するDr. Ruth。洗濯前のしみ抜きの重要性を、いつも洗濯しない若者たちに浸透させるにはどうしたらいいかと考えた結果、みんながいつも考えている「あのトピック」にユーモアを織り交ぜてプロモーションすれば、おもしろく、ユニークなことができるかもしれないと今回の企画になったそう。

「漂白剤」と「おむつ」という一見バレンタインに何も関係のない商品。アメリカらしいと言ってしまえばそれまでですが、「関連しないイベントでもその商品の見方を少しだけ変える」という切り口は大いに参考になります。ターゲットもコラボレーションする商品も「ずらす」ことで、今まで考えられなかったような新たなプロモーションの可能性を見出した好事例といえますね。

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