定期券を自動改札機にかざして通過し、コンビニで電子マネーを使ってお茶を買い、ICカードの社員証を入口にかざして会社に入る。
毎日の通勤で当たり前となっている光景の中にも、実はいろいろな「自動認識技術」が使われています。
自動認識技術とは、「人間を介さず、ハード、ソフトを含む機器により自動的にバーコード、磁気カード、RFIDなどのデータを取込み、内容を認識する」(日本自動認識システム協会HPより抜粋)技術のこと。
パスモ・スイカといった乗車券・社員証・電子マネーなどのICカードに使われている技術も、コンビニで読み取る商品のバーコードも、すべて「自動認識技術」です。

このような自動認識技術には、他にどのような種類があるのでしょうか?
親しみのあるものから最新の技術まで、知っておくべき自動認識技術をまとめました。

おなじみのバーコードの違いを整理

・1次元コード
白黒の棒で構成されている縞模様の符号。線の太さ、間隔を変えることで数字や文字の情報を表現します。
みなさんがすぐ思いつくのは、買い物をしたときにレジでピッと読み取っている、商品につけられたバーコードではないでしょうか。
これはJANコード(国際的にはEANコード)と呼ばれていて、ほとんどの生活用品に付けられています。13桁もしくは8桁で構成され、国・商品メーカー・商品アイテムの情報が含まれています。店舗ではPOSシステム(販売時点情報管理システム)と連動して、価格・売上・在庫などの管理を行っています。
他にも物流コードとして使用されるITFコード、工業用として仕様されるNW-7、CODE39など様々な種類があります。

・2次元コード
線の太さや間隔など横方向にしか情報を持たない1次元コードと異なり、2次元コードは縦横両方向に情報を持ちます。そのため、1次元コードの数10倍から数100倍の情報を持つことが可能です。
2次元コードの中でも代表的といえるものが、「QRコード」です。QRコードは(株)デンソーウェーブが開発したコードで、2002年以降、QRコードが読み取れる機能を搭載した携帯電話の発売と共に、急速に広まりました。
携帯電話からwebサイトにアクセスする際、QRコードを読み取ればURLが表示されるのは、QRコードがアルファベット、数字、記号などの多くの文字情報を持つことができるためです。
その他にも、DataMatrixやVeriCodeなどがあり、電子部品や半導体など余分なスペースの少ない、小さな部品の管理に使われています。

一度にたくさん読み取りたい!をかなえる技術!

上記でご紹介した1次元コード、2次元コードは、一つひとつリーダで読み取る必要があります。しかし、複数の情報を一括で読み取ることのできる技術があります。それが次にご紹介する「RFID」です。

・RFID(Radio Frequency IDentification)
RFIDとは電磁誘導・電磁波を用いてRFタグ(電子タグ)に記憶された情報を読み書きするシステムです。
RFタグとバーコードの大きな違いは、電波の届く範囲であれば複数を一度に読み取ることができる点です。
この特徴を生かしたRFIDの導入事例には、図書館での蔵書管理・貸出返却処理や、物品の在庫管理・棚卸などがあります。それまでバーコードを1点1点読み取って管理していたものが、複数一括処理できるようになったことによって、処理スピードが上がり、各作業の効率化が実現しました。

RFタグにも様々な種類があります。形状別ではカード型、ラベル型、金属対応のタグなどがあり、機能別ではリーダからの電波を利用して動作する「パッシブタグ」、電池を内蔵して自ら電波を送信する「アクティブタグ」などがあります。これらを環境・用途によって使い分けます。
RFタグは、周辺環境の影響を受けやすく、バーコードに比べると価格が高いという面もあるため、特徴を理解したうえでRFIDを導入する必要があります。

いいとこ取り!の新しいコードが誕生!

そうしたなか最近注目を集めているのが、次にご紹介するカラーコードです。

・カラーコード
「カメレオンコード」「カラービット」など、色で認識をするコードです。
1次元コード・2次元コードと異なり複数を素早く認識できること、RFIDのように周りの環境(電波や水分)に影響を受けないこと、専用リーダが必要ないことなど様々なメリットがあり、大変注目されています。

・FullScanCode
こちらは共同印刷が開発した新しい2次元コードです。
2次元コードにもかかわらず、複数一括読み取りが可能で、専用リーダも不要で、スマートフォンで読み取れます。
また汚れにも強く、カラーコードが影響を受けやすい周囲の明るさ、色合いの影響も少ないのが特徴です。まさにこれまでの自動認識技術の「いいとこ取り」をしたコードといえるでしょう。

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バーコードの常識が変わるかもしれない?

日本では、10年以上前からバーコード(1次元コード)に代わる新技術として、RFIDの普及が期待されてきました。そこにカラーコードやFullScanCodeという今までに無かった新技術が加わったことで、自動認識技術はますます広がりをみせることでしょう。現在は「1度に1つのものを読み取る」ことが一般的ですが、「1度にたくさんのものを読み取る」ことが当たり前になる日も近いかもしれません。

参考サイト

共同印刷株式会社

プロモーションメディア事業部 営業企画部

安藤 早紀

2003年入社。入社後、3年間ビジネスメディア事業部にて営業を担当。その後、eビジネス推進本部(現SP&ソリューションセンター)にてRFIDの販促を担当し、同本部の改編後はバックオフィス業務やコールセンター業務に関わる。2015年8月より営業企画部にて、販促プロモーション企画を担当。

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