『デジタル時代のアナログマーケティング』~会報誌「partner」でつながる顧客コミュニケーションとは?

郵便受けに届く数々のダイレクトメール。なかでもひときわ存在感があるのが、企業から届くカタログや情報誌です。
食品や日用品などの通販や保険、カードなどさまざまなサービスを私たちは日々利用しています。そうした企業から届くダイレクトメールは、大切な顧客とのコミュニケーションのツールです。
SNSなどデジタルコミュニケーションが主流になりつつある昨今、紙メディアである情報誌でお客さまとのコミュニケーションを大切にされている企業も多くあります。 

今回は三菱UFJニコス株式会社の『partner』編集担当の株式会社ジェイ・アイ・エディトリアルの成田さまに、情報誌の魅力について語って頂きました。

『お客さまの感性を刺激し、より発想が豊かになるような情報発信をしていきたい』

―partnerのコンセプトや目的について教えてください。

『partner』は20年以上発行されているカード会員向けの情報誌です。
コンセプトは時代や企業の方針によって少しずつ変化を遂げ、ライフスタイル提案を意識したコンテンツをお届けしています。

情報誌の最大の目的は「顧客コミュニケーション」だと考えています。
お客さまの利益につながるような情報提供を心がけています。
カード会員向け情報誌の特徴ともいえますが、カードホルダーの年齢層はとても広く、20代以上のすべての世代が読者です。そのため、どこに視点をおいて情報発信をしていくべきか、とても難しいと感じています。
現在は、幅広い視点は持ちつつ、コアターゲット(アクティブ会員)に向けたコンテンツ作成にも注力しています。

―partnerが大切にしていること、partnerを通じてお客さまに伝えたいことを教えてください。

作り手として大切にしているのは“イメージ”です。やはりクオリティの高さを感じるモノ作りにはこだわりたいですね。直感的に伝わるようなデザインやビジュアルにこだわるなど、画作りには力を入れています。
また読み手に伝わりやすく表現したり、文字の大きさなど紙面の見やすさも大切にしています。
PCやスマートフォンとは異なり、読みたい部分を自由に拡大縮小できるわけではありませんから見せ方はとても重要です。

また読み手の“使い道”も大切にしています。
“使い道”には、

  • ・お客さまが得られる利益
  • ・ブランドイメージの浸透

の2つの方向性があると考えています。

「お客さまが得られる利益」というのは、カード優待やカードの関連サービス情報など、会員向け情報誌には欠かせない内容です。
「ブランドイメージ」は、特集ページのように読み物として楽しんでもらうコンテンツで、お客さまの感性を刺激し、より発想が豊かになるような情報発信をしています。
この情報の質こそが、ブランドイメージにつながると考えています。 

―partnerの読者インサイトはどのように把握されているのでしょうか。

半年に1回アンケート調査を行っています。フリーアンケートも設けており、さまざまなご意見を頂けます。それらを参考にしながら、誌面の見せ方やコンテンツの内容など少しずつ変更しています。
アンケートの回答率はとてもいいです。良く読んで頂けているんだなということがわかります。

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『アナログとデジタルを線引きするのではなく、各個人がライフタイルに合わせて選択できるようにしておくことが大切』

―コミュニケーションがデジタル化するなかで、アナログなコミュニケーションを活用する企業も多くあります。情報誌(ダイレクトメール)だからこそのメリットは何でしょうか。

情報をデジタルで得るのか、紙メディアで得るのか、それは人それぞれがライフスタイルに合わせて決めるべきことです。
デジタル技術が発展したことで、必要な情報だけを取捨選択でき利便性はよくなりましたが、それだけでデジタルの方が紙よりも優れているということにはなりませんよね。

個人的には書籍やマンガはデジタルでも受け入れられやすいと思っていますが、雑誌のような媒体は紙の方が伝わりやすいと思っています。なぜなら、書籍はそもそもが単調なもの。能動的に文字を読み進めていくという作業なのでデジタル化することで使い勝手がより軽快になります。
逆に雑誌は少々複雑で能動的というより、暇つぶしに何気なく読むことも多い。誌面上で視点が忙しく移動しますし、ページをまたぐこともよくありますから紙の方が楽しめると思います。

WebカタログやECも持っているのに、分厚い紙のカタログを作っている企業は多くあると思います。それは紙のカタログを作るメリットがあるからですよね。
カタログでイメージを膨らませながら選ぶことを楽しみ、購入は簡単なECでというように、人の行動はさまざまです。

アナログとデジタルを線引きするのではなく、各個人がライフタイルに合わせて選択できるようにしておくことが大事なのではないでしょうか。

『モノを所有できる楽しみが紙メディアにはある』

―印刷会社は紙メディアを強みとしていますが、あくまでもそれはアウトプットのひとつの形でしかなく、デジタルとアナログを分断して考えるものではないというご意見にとても共感します。今後のコミュニケーションはどう変わっていくとお考えですか。

人は潜在的に“所有する”ことに満足感を得るものだと思います。時代は変わっても家や車はその代表格です。
最近レコードやカセットテープの人気が高いですよね。クラウドから好きな音楽をダウンロードするのとは違い、モノを所有できることに楽しみがあるのだと思います。
Web上にある情報はデータであって、そこには手触り感がありません。でも紙メディアはモノとして明確な存在感があります。

人間の本能的な部分を満たし、かつ人それぞれの感性やライフスタイルに対応したコミュニケーションの在り方を考えていけるといいですね。

編集後記

IT技術の進歩により、情報を得る手段は多岐にわたっています。

情報誌などのダイレクトメールは、個々人の家に届き、紙面上で1対1のセールストークがゆっくりとできることが強みです。ダイレクトメールのストーリーに共感したことを起点に、Webでより詳細な情報を調べ、時にはそのまま購入ということもあるでしょう。
こうした顧客の購買行動を正確に把握し、自社の目的とメディアの強みを掛け合わせて戦略を立てていくことが大切なのではないでしょうか。

共同印刷では、企業とお客さまとのコミュニケーションを活性化し、ファンになってもらうための施策をご提案しています。
課題に応じたメディアの最適化や、コンテンツの企画から制作まで、一貫したサポートが可能です。実績も豊富にございますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

■取材協力
株式会社ジェイ・アイ・エディトリアル
成田 孝男さま

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