消費財メーカーのOne to Oneマーケティングを支えるオウンドメディア戦略

かつては「メーカーが物を作り、小売店が販売する」という役割分担が、ごく当たり前のこととして捉えられていました。メーカーの仕事はモノを作ることであり、消費者の嗜好を理解するのは小売店の仕事、というのがかつての一般的な認識でしたが、ITの進化やインターネットの普及、消費者のライフスタイルの変化などを背景として、そうした構図に大きな変化が起こりつつあります。 

特に、消費者とのつながりの構築や消費者理解を深めることを目的として、オウンドメディアの運営に力を入れる消費財メーカーが増えてきています。この記事では、消費財メーカーにおけるオウンドメディア戦略について考えてみましょう。

オウンドメディアとは

オウンドメディアとは、企業が自社で所有するメディア(Owned media)を指して使われる言葉です。一般には、コーポレートサイトやコンテンツサイト、ECサイトなど、企業が自分でコントロール可能なメディアを総称して、オウンドメディアと呼んでいます。 

もともとは、ソーシャルメディアの登場をきっかけとして、ペイドメディア、アーンドメディア、オウンドメディアの三つのメディアをあわせて「トリプルメディア」と呼ぶ考え方が生まれたのが始まりです。 

広告費を支払って掲載してもらうペイドメディア、SNSのように「シェア」によって拡散されていくアーンドメディアに比べて、オウンドメディアは自社の裁量でコントロールしやすいという特徴があります。このため、パーソナライゼーションをはじめとした繊細なマーケティングを実施するのに適しているといわれています。

メーカーにおけるオウンドメディアの活用

2010年頃を皮切りとして、サントリーや味の素、パナソニック、資生堂といった大手メーカーによるオウンドメディアの活用が活発化しはじめました。
サントリーは「サントリータウン」を開設し、ゲームや料理のレシピといったコンテンツを公開しています。また、味の素はAJINOMOTO Parkを運営し、料理のレシピ紹介、記事やコメントの投稿が可能なコミュニティサービスを提供しています。 こうした取り組みの背景には、「消費者との関係性を構築したい」というメーカーの思いが見て取れます。 

Webサイトを顧客と繋がる場と捉え、顧客との長期的な関係性を構築したり、顧客ロイヤルティの向上に繋げたりしようという狙いがあるように思えます。

「消費者とつながる」手段としてのオウンドメディア

愛知県名古屋市に本社を置くガス器具会社リンナイでは、「リンナイスタイル」というECサイトと「リンナイのある暮らし」というコンテンツサイトの2つのオウンドメディアを基盤として、消費者と一対一で繋がるOne to One マーケティングを実践しています。 

リンナイスタイルは自社で販売するガスコンロの交換商品を販売するサイトで、既存の流通には乗らないEC専用の商品だけを開発して販売しています。また、「リンナイのある暮らし」ではガスコンロのお手入れのコツや料理のレシピ、リンナイ商品の選び方といったコンテンツを提供しています。 

リンナイスタイルは部品販売において全社の20%を超える売り上げをたたき出すまでになっているとのことですが、リンナイによれば、売り上げを上げることだけがECサイトの目的ではないといいます。
ECサイトを運営する真の目的は部品を購入した顧客と繋がり、再びリンナイ製品を買ってもらうことであり、リンナイスタイルは、そのためのコミュニケーションを作り出すための場であると捉えられています。 

Webサイトは企業から消費者に対する情報提供の場でもありますが、それだけではなく、消費者と直接つながるきっかけを作るメディアでもあるといえるでしょう。
国内市場の縮小、海外企業の日本進出、消費者行動の多様化などを背景として日本のメーカーは厳しい戦いを強いられていますが、そうした状況を打開し、今後の戦いを勝ち抜いていくうえで、オウンドメディア運営を通じたOne to Oneマーケティングの実践が、強い武器となっていくに違いありません。

One to OneマーケティングのためのCRM

One to Oneマーケティングを効果的に進めていくためには、顧客情報を一元的に管理するCRMの導入が必須といえます。CRMの導入に関しては下記の資料にて分かりやすく解説していますので、ぜひダウンロードしてご一読ください。 

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