CtoCプラットフォームで農家の海外進出をサポート! ポケットマルシェインタビュー

近年、農業や漁業など、産地の“生産者の顔の見える”生産物に価値が高まっています。また、そうした生産者がインターネットを通じて生産物を全国へ販売できるプラットフォームも整ってきています。

このような“顔の見える生産物”へのニーズを満たし、さらに生産者の出店ハードルを下げるプラットフォーム「ポケットマルシェ」。2018年7月にはタイへと海外展開したことが話題になりました。その売り方のポイントや生産者が活用できるプラットフォームとしての特徴について尋ねてみました。

ポケットマルシェをはじめた経緯

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ポケットマルシェは、日本全国の農家もしくや漁師が出店するオンラインプラットフォームで、買い手は生産者と会話をしながら商品を購入できるのが特徴です。

2016年夏にリリースしてから、すでに800名近くの生産者が利用しており、旬の今だけ、数量限定、規格外など、今まで流通に乗らなかったような生産物も販売されているのが特徴です。

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サービスをはじめた経緯をポケットマルシェの担当者さんに教えていただきました。

「個人がネット上でものを販売することが非常に簡単な世の中になりました。特にメルカリの出現によりC2Cの流れは加速していますが、一方で『食のC2C』はまだ実現していません。それは、農家さん漁師さんという一次生産者たちが、こうしたマーケットにまだ参加できていないからだと考えています。ですので、彼らが使えるために必要な機能や仕組みを盛り込んだ、食に特化したプラットフォームをつくることにしました」

Q.こうしたオンライン販売できる産地直送プラットフォームは増えていますが、ポケットマルシェの差別化ポイントはどこにあるのでしょうか?

「大きく2つあります。一つは、『生産者と会話ができる』という点です。会話機能ひとつとっても、ただの掲示板なのか、『いいね』があるのかないのか、などなど細かい設計が重要です。ポケマルは現在購入に対して4割『ごちそうさま』投稿がされるんですが、投稿動機をうまくつくることができているのだと思います。

もうひとつは、商品や生産者がバラエティに富んでいることです。700を超える生産者の手のひらから、1,000を超える最も旬で、ここにしかない商品が日々出品されている。生産者からの支持がバラエティある売り場を実現しています」

タイのバンコク東急百貨店へ出店!

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Q.そしてこのほど、タイのバンコクの東急百貨店に出店を果たしました。「産地が見える売り場」という特別なディスプレイを作られたそうですが…?

「日本から海外にものを持っていく場合、どうしても送料等で価格が高くなるので、その理由を説明するにあたり、他と同じ情報で勝負するのではなく、産地や生産者とつながっている我々だからできるものは何だろう、と考えました。

通常、食べ物の売り場で説明される『情報』は、キレイでシズル感のある写真と食べ物そのものに関するものがほとんどです。でも例えば桃を販売する場合、同じ品種の桃でも、作り手一人ひとり栽培の工夫や手間って全然違うんですよね。当然、味も違う。ですので、あえて作り手である『農家さん』を一番訴求する形でデザインしました」

実際、店頭では特設コーナーに、生産者情報を全面に押し出した展開をしています。

Q.ところで、なぜバンコクで展開しようと考えたのでしょうか?

「農家さんたちにとって、海外への輸出は興味があったとしても手続き等が煩雑でなかなか手が出せない領域です。特に中小規模の方々にとってはなおさらです。今回の取り組みは店舗での売り場作りに加えて、この手続き面を簡単にすることが重要でした。

今回バンコクを選んだのは、そこについてヤマトグループが輸出入の手続きから現地での配送、店舗販売までを一貫した仕組みをつくっていたからです。ヤマトグループとのタイアップにより、生産者はスマホからいつもの通り出品しているだけで、輸出ができるという画期的なものになったと思っています」

買い手のリアルな反応は?

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Q.この生産者情報が見える化する販促の効果として、日本やバンコクからのリアルな反応は気になるところです。

「『食べ物との向き合い方が変わった』というフィードバックがあり、嬉しく感じています。今やスーパーやコンビニなど生鮮食品を買うことは容易ですが、ポケマルでの買い物は体験として全然違うんです。食べ物の背景に関する情報量が全然ちがう。“いつ、誰が、どんな思いで、どのようにしてつくった”食べ物なのかを知り、届いたそれを、生産者のおすすめのレシピで食べる。そしてごちそうさまを伝える。この一連の体験をすることで、食卓の会話が代わり、食べ物を見るときの想像力が広がる。リピートするユーザーからはそんな反応をいただいています」

農家の生産者たちを助けるプラットフォームという画期的な立ち位置でありながら、消費者に対して、新しい購買体験という価値も提供するという双方にメリットを提供するしくみ。ただプラットフォームを提供するだけでなく、何に重きを置くかが重要といえそうです。今後の海外展開も楽しみにしていましょう!

【取材協力】
ポケットマルシェ
農家さん、漁師さんと会話しながら直接旬の食べ物を買うことができるオンライン上のマルシェ。現在800名近い生産者が利用中。

https://poke-m.com/

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