男性にとっては少し寂しい話ですが「消費行動に関わる決定権は女性にある」と、マーケティングでは言われています。確かに日用品や食品など、生活必需品の購入は女性が多い。また、美容や衣服にかける費用も男性より多い傾向にあるなど、女性はマーケティング上とても重要なターゲットとされております。
そこで、今回は男女での消費に関する決定プロセスの違いと、それを踏まえた女性向けのプロモーション事例をご紹介します。
同じネット情報でも女性はクチコミ、男性は比較
購入する商品の決定や、飲食店の選択をする際に、ネットの情報を参考にするのは、もはや一般的な消費行動プロセスです。「価格.com」「食べログ」などが実際に活用されている主なサイトとなりますが、それらサイトを見比べてみると女性はクチコミ、男性はスペックの比較を、より重視するという傾向が見受けられます。
コスメ系大手の「@cosme」の特徴は、商品毎に膨大なクチコミ(レビュー)が掲載されていることです。女性はそのクチコミを参考とするためサイトに訪れます。クチコミが購入への意思決定に大きな影響を与える理由は
- 売る側ではなく、自分と同じ使う側の発信する情報であること
- 良い面だけでなく悪い面の情報も入っていること
などが挙げられます。
余談ですが、クチコミの有効性が高いため生まれたのが、ある時期話題になった「ステマ(ステルスマーケティング)」です。「ステマ」とは、一般消費者になりすまして、クチコミやブログ記事を書いたり、インフルエンサーとされる有名人などが、PRと称せず宣伝したりする行為で、商品の印象を上げることに利用された手法です。ただ、「ステマ」によって創られた広告は、結果として顧客の信頼を失い、不信感をもたらすことになり、商品のイメージだけでなく、企業のイメージをも下げる事となりました。
さて、ここで一つ、クチコミを利用した女性向けのプロモーション事例を挙げてみましょう。
女性向けプロモーション事例【GU-MANIA】
プロモーションの内容は以下の通り。
- 会員登録したユーザーに毎月抽選でモニターとして無料のトライアルを実施
- twitter、Instagramにハッシュタグ「#GUMANIA」を入れて投稿、素敵な投稿をしてくれたユーザーに、GUからインセンティブを付与
- 先取り新商品の告知とイベントの開催
SNSを活用したプロモーションとしては、割とオーソドックスな手法ですが、女性向けのクチコミプロモーションとして、参考にしたい点がいくつかあります。
1. 無料でトライアルが行えること
女性は男性に比べ無料サンプル・トライアルの利用率が高く、その後購入まで至った場合のリピート率も高いと言われています。また、このプロモーションでは、インセンティブを、単なる「キャンペーン参加によるプレゼント」とせず、「モニター募集」とすることで、特別感(パーソナリゼーション)を与え、参加の動機として活用しています。
2. SNSの活用
ユーザー自身が日ごろ利用しているtwitterやInstagramのアカウントで、ハッシュタグ「#GUMANIA」を入れて、コーディネート画像を投稿するだけで参加することができ、参加の敷居が低い、更に、投稿されたコーディネート画像は、投稿者のフォロワーにフィードしますので、情報がSNS上に拡散します。これによって、従来のWebプロモーションのようにネット広告(リスティングやDSPなど)に費用をかけずに多くのユーザーへ宣伝することができます。
また、どのSNSを利用してプロモーションをするか。というのも重要なポイントですが、「#fashion」や「#coordinate」といったファッションと関連した「タグ付け」をするユーザーが多いInstagramを利用した事も成功の要因と言えるでしょう。
3. 運用とクチコミ
コミュニティサイトの運用には、人件費やコンテンツ制作費など、コストが高くなりがちですが、このプロモーションでは、ユーザーが発信したコーディネート投稿がコンテンツ化するため、制作コストが軽減されていると考えられます。
また、それらコンテンツはユーザー目線のクチコミとなり、より信頼性の高い情報として女性層からの支持を得ることに起因していると思われます。
ここまで紹介したように、若い女性向けのプロモーションで大きなポイントとなるのは「無料体験」「SNSの活用」「クチコミ」です。これらはもはや必須とも言える要素ですが、後はいかに商品やターゲットに合わせて、マッチさせた味付けを加えていくかがマーケターの腕の見せどころです。