携帯電話やスマートタブレットなどの普及により、位置情報サービスはすっかり私たちの身近なものとなりました。昨今、この位置情報サービスに顧客データベースや営業管理ツールを連携させ、営業活動を支援しようという動きが活発化しています。この記事では位置情報サービスの概要をご紹介した上で、CRMやSFAとの連携例について見ていきましょう。

CRMとSFAの違いや使い分けに関しては、こちらの記事で解説しています。

位置情報サービスとは

位置情報サービスとは、GPSが搭載されたスマホやタブレットなどのモバイル端末を用いてユーザーが今いる場所を特定し、位置に応じた情報を提供するサービスです。

SNSの「チェックイン機能」や、カーナビやGoogle マップのようなナビゲーションサービス、Apple社のiPhoneに搭載されている「iPhoneを探す」機能なども、位置情報を利用したサービスだといえます。

また、位置情報サービスはゲームアプリなどにもしばしば利用され、「位置ゲー」の名前で親しまれています。世間の話題をさらった「ポケモンGo」も位置情報の活用で成功した事例といえるでしょう。

位置情報とCRM/SFAツールの連携で営業活動を効率化

この位置情報サービスとCRMやSFAを組み合わせることで、営業活動を支援しようという動きが活発化しつつあります。位置情報サービスを利用して顧客情報を地図上に表示することで、文字情報からは読み取れないような新たなビジネスチャンスを発見することができるのです。

例えば、ルートセールスを行う営業担当者にとって、訪問ルートの設計は少なからず手間のかかる作業です。しかし、CRMやSFAと位置情報サービスを連携させれば、個々の顧客の事業所所在地からより効率のよい訪問ルートを作成できます。

また、外回りの最中に空き時間ができたときなどは、位置情報を利用して最寄りの見込顧客を探して訪問し、営業時間を有効活用するようなことも可能となるでしょう。既存顧客のフォローに追われてなかなか新規顧客獲得に時間を割けずにいる営業担当者にとって、こうした小さな効率化の積み重ねが営業効率を大きく左右します。

マネジメント業務も位置情報で効率化!

加えて、複数の営業担当者を統括する管理職(マネージャー)にとっても、位置情報とCRM/SFAの連携は福音となり得ます。

例えば、営業担当者の持つスマホに位置情報と連動するSFAのアプリを導入しておけば、チームメンバーが現在どこにいるかをリアルタイムに把握できます。顧客から急な呼び出しが入った場合など、顧客所在地のもっとも近くにいるメンバーに訪問指示を出すことで、迅速に顧客の要望に応えることが可能となるでしょう。急なアポイントメントが取れた見込顧客の訪問を最寄りにいるメンバーに任せれば、移動の時間や交通費などの節約につなげられる可能性もあります。
このような場合に、「急に行けと言われても……」とならないようにするためにSFAの機能が活躍します。SFAは本来、営業担当の行動履歴や顧客の検討フェーズなどを管理するツールなので、前回訪問した同僚の営業担当者がどのようなやり取りをしていたのかその場で把握することができます。

また、メンバーの営業活動情報と位置情報を合わせた行動ログを分析すれば、優秀な営業担当者とそうでない営業担当者との行動の違いを可視化することもできそうです。こうしたデータは、その後の社員育成に大いに役立てることができます。

位置情報の活用はまだ始まったばかり

以上、この記事ではCRM/SFAと位置情報サービスの連携から生まれるいくつかのメリットをご紹介しました。

CRMやSFAと位置情報サービスを組み合わせた製品は、すでにいくつか実用化されていますが、この分野は今後もさらに活性化し、多彩な機能を持つ製品・サービスが現れてくるはずです。

モバイル端末が急激に普及したことで、位置情報サービス実用化の基盤はほぼ整ってきていますが、ビジネス領域における本格的な活用は、まだ始まったばかりです。位置情報サービスを自社のビジネスにどのように役立てることができるか、今からアイデアを練ってみてはいかがでしょうか。

【あわせて読みたい!CRMについて詳しく知りたい方はこちら】
→CRMとは?CRMの内容や導入すべき理由を徹底解説

おすすめ資料