Amazonほか、実例から学ぶ! 海外オンライン企業が展開する店舗プロモーション【後編】

ネット企業発! リアル店舗プロモーション事例

前編では、オンライン市場が拡大しているにも関わらず、なぜネット企業がオフライン展開を加速させているのか、その目的などについてお話してきました。後編では、それらの企業がリアル店舗で行っている、実際のプロモーションの事例をご紹介していきたいと思います。

1、Amazon

そもそも、Amazonは「Amazon GO」のような新しいサービスを展開する場合、まず一部の利用者限定でサービスを試験的に提供し、その結果によって、「サービスを全面的に展開するかどうか」を決める手法を採用することが多くあるそうです。そうすることで市場可能性を判断するための調査・テスト運用や、データの蓄積にもなり、利用者がクチコミする情報から、意図的に話題性を作るというプロモーション効果も期待できるでしょう。

「Amazon GO」の場合、まず、1号店開店前から従業員しか使えない実験店舗に関するニュースを配信し、世界の注目を集めました。そして2018年1月、満を持してシアトルに一号店を開店。無人のコンビニでスマホのみを持ち、欲しいものを手に取り外に出るだけという「未来型店舗」、これまでにない新しい顧客体験の場を提供しました。
このコンビニ自体がそもそも「未来型店舗」を体験する場としてプロモーション効果があり、さらに店舗のいたるところに設置されたカメラから、個々の膨大なデータを入手している点にも注目です。消費者が何を手に取り、購入し、棚に戻し、いくらお金を使い、どんな頻度で店舗を訪れるかというデータを蓄積しているのです。このデータを活用すれば、例えば入店時、スマートフォンなどにその日の特売などのプロモーション情報を顧客に合わせ表示することが可能になります。

さらに、2018年9月には「Amazon 4-Star(アマゾン・4スター)」という名の新コンセプトの店舗をオープンしたAmazon。その名の通り、取扱商品はカスタマーレビューで「星4つ以上」を獲得した商品に限定されています。開店時、「Amazon 4-Star」に置いてあるすべての製品の平均格付けは4.4であり、ストア内の製品は180万以上が5スターの顧客レビューを獲得しています。すでにAmazonで高い人気を誇っている商品が並ぶだけでも十分なプロモーション効果がありますが、もう一つこの店舗から得られると思われるヒントがあります。それは、品ぞろえも顧客のオンラインにおける買い物行動に基づいて頻繁に入れ替わること。店舗を訪れるたび、新たな驚きや商品との出会いが待っているという「発掘する楽しさ」も見逃せません。

ネット最大手のAmazonが手掛けるリアル店舗プロモーション。ポイントとなるのはAmazonのフィロソフィーです。AmazonのCEOであるジェフ・ベゾスが「アマゾンは地球で最も顧客のことを考える企業になる」と公言したように、「Amazon GO」や「Amazon 4-Star」を提供するのはあくまでも、快適に購入するための新しく楽しい顧客体験。「Amazon GO」にレジがないのは人を減らすためだけではなく、あらゆるタッチポイントでストレスなく、顧客のニーズを満たす「パーソナライズ」されたショッピング体験を生み出すためなのです。

https://www.amazon.com/b?ie=UTF8&node=16008589011

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2、Google

Googleはスマートスピーカー「Google Home mini」のプロモーションとして、期間限定でビルのワンフロアを「家庭内ミニゴルフ場」に仕立てました。スマートスピーカーを使いながら家の中にある障害物をよけコースを進めていくと、スピーカーが日々の生活でどのように役立つかを楽しみながら理解できる仕掛けになっています。

この場合のリアル店舗は売上よりもマーケティングとしての側面が強く、商業施設の空きスペースなどを利用し「ポップアップストア(期間限定で出店する店舗)」という形式を取るケースも多くあります。この場合のリアル店舗は、一般的に売上よりもマーケティングとしての側面が強く、商業施設の空きスペースなどを利用し、運営費や人件費などのコストを抑えられる「ポップアップストア(期間限定で出店する店舗)」という形式を取るケースも多くあります。Googleもこの手法を採用しプロモーション活動を行っています。

https://www.blog.google/products/home/take-swing-google-home-mini-golf-course/

3、Revolve

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ミレニアル層にフォーカスしたオンライン・セレクトショップである「REVOLVE(リヴォルヴ)」が、2016年にロサンゼルスでオープンしたのが初のリアル店舗「Social Club」です。ミレニアル世代の心をつかんだリアル店舗とはどのような店舗なのでしょうか。

特長の一つが「パーソナライズド・プライベートショッピング」。メンバーは、完全にパーソナライズされたショッピング体験を楽しむことができます。REVOLVEが保有しているデータやアルゴリズムと、世界級のスタイリングチームの経験を組み合わせ、店舗にあるすべての商品がキュレートされます。店舗スペースを完全に一人ひとりの顧客のためにカスタマイズされるという点で、これまでにない店舗体験ができます。

また、イベントとして注目したいのは、上述でも出てきた「ポップアップショップ」です。REVOLVEが扱う500以上のハイエンドなブランドから選ばれた商品を活用した「スペシャルイベント」を行っています。2016年4月7〜9日まで、最初のポップアップとして選ばれたのは「For Love&Lemons」。4月11日からオンラインで発売開始する前に、招待客限定でポップアップショップを開き、同ショップ限定の26のコレクションを実店舗でデビューさせました。

「コト体験」を好むと言われるミレニアル層の中でも、ミドルアッパー所得者層をターゲットとしているREVOLVE。この「Social Club」を通して、最もロイヤリティの高い顧客に対して、これまでにないタッチポイント、およびパーソナライズされたショッピング体験を提供。憧れのREVOLVEライフスタイルを体感させて、ブランドを浸透させていく方針です。

https://www.revolveclothing.co.jp/

まとめ

利便性の高いオンライン市場は年々拡大を続けていくと予測されていますが、あくまでも購買の軸は人間。デジタルの世界だけでは限界があります。Amazonがリアル店舗を持つ企業の買収やリアル店舗の出店を精力的に進めているように、今後もオフライン展開はさらに加速していく見通しです。

また、REVOLVEのように今後消費のカギを握るといわれているミレニアル世代に特化したリアル店舗も登場、その顧客体験はあえて限定感を持たせながら、ブランド体験を演出するものでした。最終的には「時代とともに変わる消費者の消費行動やニーズ」にあわせ、「オフラインとオンラインをいかに活用できるか」がカギを握ります。オンライン企業のオフライン展開やプロモーションから得られるヒントは多くありそうです。

Amazonほか、実例から学ぶ! 海外オンライン企業が展開する店舗プロモーション【前編】

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