オンラインでも店舗でもシームレスな体験を、最新のオムニチャネル戦略

2018年には2.8兆ドルもの売上高になるといわれているオンラインショッピング。しかし、それでもまだ小売市場の約12%にすぎず¹、ほとんどの購買活動は店舗などのリアルな現場です。そこで注目されているのが、O2O (=Online to Offline) といわれる、オンラインから実店舗へうまく顧客を誘導しようという戦略です。アメリカではそこからさらに、オンラインや店舗、イベントなどあらゆるチャネルをよりシームレスにしていこうという、「オムニチャネル」という考え方も浸透しつつあります。今回、ここでは「オムニチャネル」をうまく取り入れた事例を3つ紹介します。

事例① コーヒー体験は入店前から。「Starbucks」の優秀アプリ

購買活動は現場が主流でも、購買前のリサーチに関して調べてみると、およそ80%近くの人がオンラインで行っていると答えており、そのギャップにこそ商機があるのではないかと、A Trillion Dollar Opportunity²(3兆ドル市場のチャンス)” というフレーズを目にするようになりました。そんな中で、上記のように浸透しつつあるのが「オムニチャネル」ですが、そのお手本がごとく言われているのが、スターバックスの支払い・リワードシステムです。

日本でもすでにお馴染みになりつつありますが、お金をあらかじめチャージすれば、支払い時に自動的に購入ポイントがつくというアプリです。しかし、スターバックスのアプリが他と違うのはチャージをアプリ上でも、ホームページからでも、お店での現金払いでも、まさに顧客にとって都合のいい方法を選択できるところです。さらに、支払い自体もポイントカードを好む人はそれを使用することもできます(あらかじめカードを自分のアカウントに紐づける必要はあります)。

顧客にとっては便利でストレスフリーな買い物ができ、企業側からすると顧客の購入履歴などの情報を漏らすことなく管理できます。他にも、アプリ経由でポイントアップや時間限定セール(ハッピー・アワー)などの魅力的な情報が届くので、顧客が店舗へ立ち寄るきっかけ作りとしても役立つのです。

また、事前にアプリ上で商品を選んで支払いを済ませ、「お店では商品を受け取るだけ」という“Mobile Order & Pay”も、アメリカでは日常の風景となりつつあります。スターバックスでの“体験”は、お店に入る前からすでに始まっていると言えるかもしれません。

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※参考リンク
https://www.shopify.com/enterprise/o2o-online-to-offline-commerce

※参考リンク
http://multichannelmerchant.com/must-reads/5-excellent-examples-omnichannel-retailing-done-right/

事例② お気に入りをアプリに貯める、インテリアショップ「Crate & Barrel」の試み

全米で展開の人気インテリアショップ「Crate & Barrel」もシームレスな顧客体験に力を入れています。ウィンドウショッピングは店舗でもオンライン上でも行われることを前提に、アカウントにサインインすれば気になるものを保存していつでもチェックでき、アプリ・ホームページ・店舗どこからでもオーダー可能にしました。近くの店舗の在庫を確認し決済しておけば、当日中に受け取ることもできます。

さらには一部の店舗にて、専用タブレットを店内におく試みも始まっています。顧客はタブレットを手に店内を回り、商品のバーコードを読み取って詳細情報やカラーバリエーションをチェックしたり、自分のアカウントに買いたいものをストックしておくとレジでは商品を受け取るだけ、という気軽なショッピング体験が可能になろうとしています。

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※参考リンク
https://www.dmnews.com/channel-marketing/multi-omnichannel/article/13035439/crate-and-barrel-furnishes-its-instore-experience-with-digital

事例③ Amazonによる買収で注目が高まる、オーガニックスーパーの「Whole Foods」

オンラインショッピング最大手のAmazonが高級オーガニックスーパー「Whole Foods」を買収したのは昨年の大きなニュースでした。今後は生鮮食品もオンラインとオフラインを行き来しながら購入することになるでしょう。現在では店舗にロッカーが設置され、Amazonサイトから購入したWhole Foodsの商品をロッカーで受け取ったり、返品をロッカー経由で行うことが可能です。

またAmazonのPrime会員(有料会員)であれば、購入から2時間でのデリバリー、特別価格の適用というキャンペーンも始まっています(一部の州のみ)。今後、AmazonアカウントでWhole Foods顧客の動きが完全管理されることも予想され、目が離せない状況となっています。

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※参考リンク
https://www.forbes.com/sites/tommcgee/2017/06/16/amazon-and-whole-foods-prime-time-for-omnichannel-commerce/#46bbf1427919

まとめ

以上のように、店舗・イベントなどの現場での体験とオンラインを切り離さず融合していく動きは、ますます加速していくことが予想されます。今後は、オンライン上でも「シームレスに体験できること」が鍵となりそうです(スマートフォン・タブレット・パソコン・店舗にある機器など、あらゆるところからのアクセスを想定)。顧客側にとっても買いものがより楽しく、ストレスのないものになっていくでしょう。

https://www.shopify.com/enterprise/o2o-online-to-offline-commerce
https://www.forbes.com/sites/laura-inamedinova/2016/07/20/o2o-a-trillion-dollar-opportunity-for-marketers/#15083f9e1d17

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