「お試し」から「熱烈ファン」へ......ダイレクトマーケティング施策のポイントはシナリオ設計にあった!

「見込み顧客」が「新規顧客」に進化する道筋を描けていますか?せっかくコストをかけて見込み顧客を獲得しても、その先の商品の購入になかなかつなげることができないという悩みを持つ企業は少なくありません。

単品通販の様な業態においては特に、お試し商品や無料サンプルで見込み顧客を獲得するというのは王道ともいえる手法です。こうして獲得した見込み顧客は、その後の適切なアプローチでしっかりとファンになっていただくことが重要です。

今回は、このように直接顧客に働きかける手法=ダイレクトマーケティングによる見込み顧客引き上げ施策のポイントをご紹介します。

ダイレクトマーケティングとは?

「ダイレクトマーケティング」という言葉の意味は、時代とともに少しずつ変わってきています。もともとは製造業者が中間業者を介さずに消費者に直接商品を販売することを指して用いられることが多かったようです。パソコンメーカーなどが行う製造直売や衣類・食品などの通信販売のほか、訪問販売もこの定義に当てはまります。

しかし、近年では企業が顧客に直接アプローチするマーケティング手法を指してこの言葉が用いられるシーンが増えてきました。従来のCMや広告のように不特定多数をターゲットとするプロモーションとは対照的に、顧客個人に対し直接マーケティング活動を行うのがダイレクトマーケティングの特徴です。例えば、見込み顧客や顧客に対してアウトバウンドコールをかけたり、DMを送付したりといったアプローチを展開します。

ダイレクトマーケティングについての詳細についてはこちらをご覧ください。

「デジタル時代のダイレクトマーケティング」

「見込み顧客の引き上げ」とは

ダイレクトマーケティングの世界では、見込み顧客に商品を購入してもらうよう促すことを「見込み顧客の引き上げ」と呼びます。

化粧品やサプリメントのような商材では、安価なお試し商品や無料のサンプルを配布して見込み顧客を獲得する手法が多く取られます。高額商品や継続利用が見込める商材では一人の顧客から上がる生涯価値(LTV)が高く、見込み顧客獲得にある程度のコストをかけても元を取ることができるためです。

できるだけ多くの見込み顧客を獲得し、獲得した見込み顧客を新規顧客に引き上げ、長期にわたって自社の商品を使い続けていただける既存顧客に育成(ファン化)していくというのが、単品通販における標準的な戦略だといえます。そして、高いコストをかけて獲得した見込み顧客が顧客に転換する割合、すなわち「引き上げ率」を改善していくことが、利益向上のための最重要指標の1つとなります。

見込み顧客引き上げのために重要なことは

見込み顧客引き上げの基本的な施策は、サンプル送付後に適度な期間をおいて見込み顧客にコンタクトし、商品の購入を促すというものです。この際に用いられる手法にはさまざまなものがありますが、電子メールでアプローチする、DMを郵送する、テレフォンオペレータからアウトバウンドコールをかけるといったところが一般的だといえるでしょう。

しかし、どのような手法を用いるにせよ、「商品を買ってください」というメッセージを一方的に送りつけるだけでは、言うまでもなく効果は上がりません。見込み顧客獲得からファン化までのプロセスをあらかじめ明確に描いたうえで、個々のフェーズにおける実施シナリオを設計し、施策を展開していくことが大切です。

効果的なシナリオを設計するには

見込み顧客引き上げのシナリオを設計するにあたっては、「いつ」「何を」「どうやって」見込み顧客に提案するのかを慎重に考える必要があります。この3つの要素が最適化され、「適切なタイミングで」、「購入しやすい商品を」、「顧客が最も受け入れやすいアプローチで」提示できるのが、効果的な見込み顧客引き上げシナリオです。

3つの要素をどのように最適化すべきかという問いに、正解やマニュアルはありません。サンプルが到着する日を見計らってから電話をかけるのがいいのか、ある程度日数が経過した後で「商品の使い心地はいかがですか」とDMを送付すべきなのかは、商品やサービスによって異なるでしょう。また、ターゲット顧客の年齢や性別といった属性によって有効なシナリオが異なることも考えられます。

施策を実施し、反応率などのデータを蓄積し、蓄積したデータを分析して改善するという試行錯誤を繰り返しつつ、自社にとってのベストプラクティスを見つけていかなくてはなりません。

こうしたシナリオの設計で活用したいのが、「カスタマージャーニーマップ」です。カスタマージャーニーとは、ひとことでいうと、設定したペルソナの行動や思考、感情を時系列で表したもの。これを図表化した「カスタマージャーニーマップ」を利用すると、おのおののフェーズで顧客(ペルソナ)が取りうる行動を理解・把握できるため、先回りして適切なタイミングで適切な施策を打てるようになるでしょう。

カスタマージャーニーの詳細についてはこちらをご覧ください。

“「顧客の行動や心の動き、把握できていますか?」カスタマージャーニーを知る最初の一歩”

さまざまなデータを駆使して最適なシナリオを設計しよう

効果的なシナリオを設計するためには顧客に対する深い理解が欠かせませんが、昨今ではデータの収集・分析技術が飛躍的に向上し、顧客の属性情報や行動履歴などを非常に精密かつ広範囲から集めることが可能となってきています。さまざまな外部サイトの情報を蓄積したパブリックDMPと自社CRM内の顧客データを紐づけることで、顧客を理解し、効果の上がる施策を設計できるようになるでしょう。

かつて、見込み顧客が「顔の見えない相手」だったころ、DMやアウトバウンドコールによる見込み顧客引き上げのアプローチは、ともすれば「押し売り」のごとく迷惑な行為として捉えられかねないものでした。しかし今では、技術の力で「顧客が望むこと」を的確に推測することが可能となってきています。

例えば、休眠顧客の状況も、集められたデータによって知ることができます。

一定期間、自社の商品・サービスを利用してくれていた顧客でも、ある時から購入を控えることがあり、そのまま離反するというパターンも考えられます。そうした場合、それまでに蓄積されたデータを分析すれば、どのような属性の顧客がいつ頃から何を購入しなくなっているか、その顧客は他にどんな自社商品を購入しているかといった情報を知ることができます。そして、それらの分析結果をもとに、休眠顧客を呼び戻すためのダイレクトマーケティング施策を打ち立てることも可能になるでしょう。

休眠顧客の詳細についてはこちらをご覧ください。

「休眠顧客を呼び戻すための効果的なDM設計とは」

ダイレクトマーケティングの事例

見込み顧客や休眠顧客に対するダイレクトマーケティングを行う際には、思わず開封したくなるDMを作成するなど、何らかの工夫が必要です。以下に、インパクトのあるDMを2例ご紹介します。

ADT Security System: Box

北米の家庭やオフィスにセキュリティーシステムを提供するADT社は、受け取った人が一瞬ヒヤリとしてしまうようなDMを送り届けています。

玄関ドアの下の隙間から、折り畳まれているDM を差し込むと、それがポップアップして、立体的な形(ボックス)に変化します。住人が家に帰ってきたときに、そのボックスがいきなり目に飛び込んでくる……という仕掛けになっており、ボックスには「アパートの部屋に侵入するのは、あなたが思っているより簡単なことなのです」と書かれています。セキュリティー対策の必要性を一瞬にして目で見える形で感じさせるという、画期的なアイデアです。

https://www.adsoftheworld.com/media/direct/adt_box

https://www.adt.com/about-adt

Enogarage: Wine glass invitation

アルゼンチンで行われているダイレクトマーケティングの事例です。ワインのテイスティングへの招待状に一工夫が見られます。

その招待状は、紙製のCDケースのような形の封筒の中に入っています。封筒の一部がワイングラスの形に切り抜かれており、初めはそのグラスの中に招待の言葉が見える形でこのDMが送られてきます。その招待の言葉を読んだ後に招待状を引っ張り上げると、下からワインカラーが現れ、グラスにワインが注がれているように見えるという仕組み。遊び心あふれるアイデアが秀逸で、受け取った人の心を引きつけるに違いありません。

https://www.adsoftheworld.com/media/print/enogarage_wine_glass_invitation

よく練られたシナリオで見込み顧客を引き上げる

見込み顧客に熱烈なファンになってもらうには、「一方的に売りつける」方法では、功を奏しにくいケースがあります。「お客様に喜んでもらうにはどうすればいいか」という視点でシナリオを設計し、効率のよい見込み顧客引き上げ施策を展開していきましょう。

なお、顧客データの収集・分析、DMやアウトバウンドコールを用いたマーケティングキャンペーンの設計・実施についての情報をまとめた資料を下記にて無料公開しています。ぜひダウンロードのうえ、ご一読ください。

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【あわせて読みたい!CRMについて詳しく知りたい方はこちら】

→CRMとは?CRMの内容や導入すべき理由を徹底解説

(2018年10月更新)

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