
顧客管理・業務効率化
2016.05.24
優良顧客を探せ!顧客セグメンテーション手法を基本から見直し!
CRMの導入を検討する際に、そのゴールをどこに設定していますか?
顧客一人ひとりの購買上のステータスを把握し、それぞれに最適なオファーを提示することで購入につなげることも、短期的には大切な目的のひとつでしょう。しかし、CRMの最大の目標は「LTV(Life Time Value:顧客生涯価値)の最大化」です。顧客との間に良好なリレーションを構築し、顧客に提供できる価値(バリュー)を最大化させることこそが、CRM導入の最重要目的だといえます。
この目的に取り組むにあたっては、一人ひとりの顧客の属性を把握するのはもちろんのこと、自社の製品・サービスに関する購買活動が現在どのような状況であるかを把握し、可視化する必要があります。
そのための基本的な手法として広く用いられているのが、「RFM分析」です。
そもそもRFM分析とは
RFM分析は、顧客の購買履歴をもとに購買力などを評価する手法です。
R(Recency/最新購入日)、F(Frequency/購入頻度)、M(Monetary/累計購入金額) の3つを指標として顧客の購買行動を分析し、顧客のセグメンテーションを行います。
Rは「最後に購入してからどれくらいの期間経過しているか」、Fは「これまでに何回購入したか」、Mは「累計でいくら(何円)購入したか」を表し、この3つの指標を組み合わせて分析することで、自社にとっての優良顧客・重点対策顧客を見つけ出すことができます。
RFM分析を行う際には、顧客の購買履歴をもとにR、F、Mのそれぞれに対してランク付けを行い、あらかじめ決めておいた基準に基づいて計算して順位をつけたうえで、顧客をいくつかのセグメントに分割します。
この際にポイントとなるのが、ランク付けの方法です。
ランクは一般に5段階でつけられることが多いのですが、1~5のそれぞれの値に具体的にどういう層を割り当てるべきかは扱っている製品やサービスによって異なります。赤ちゃんのおむつのように低価格で頻繁に購入される商材と、自動車のように高額で数年に一度程度しか買い替えない商品とでは、R、F、Mそれぞれの値に対する考え方が異なることは、想像に難くないでしょう。
顧客分析をどのように活用するのか
このようにRFMなどの手法を用いて顧客分析を行ったら、個々のセグメントに対して適切な施策を打っていきます。
施策の内容もケースバイケースですが、例えばF、Mの値が高く、Rの値が低い顧客は、かつてはたくさん買い物をしてくれたが、最近は足が遠ざかっている顧客とみなすことができます。そのようなセグメントに対しては、「お得意様限定のシークレットセール」のように、再来店を促す施策を試してみるとよいかもしれません。
逆に、Rの値が高く、F、Mの値が低い顧客は、最近初めて購入した新規顧客とみなすことができるので、「今回しか買えない限定セット」や「会員登録から一か月間のみ有効な期間限定クーポン」などを提供して、未来の優良顧客に育成していくことが必要となります。
すべての顧客に対して一律の施策を打っても高いレスポンスは期待できませんが、しっかりと顧客分析を行い、それぞれのセグメントに対して適切な施策を打つことで、無駄なコストを掛けることなく、打った施策のレスポンス向上を見込むことが可能となります。
RFMだけではなく、多軸での分析を
RFM分析は伝統的な購買活動分析手法であり、正しく取り組むことで一定の効果を上げていくことができますが、昨今では購買履歴以外にもWEBやソーシャルでの活動履歴などを含めて、総合的に分析する手法も発達してきています。
データの分析・活用技術は、日々進化し続けています。
CRMを通じて収集・蓄積したデータからより深いインサイトを得て成果につなげていくために、高度な分析までを視野に入れた専門的なソリューションの導入も、ぜひ検討してみてください。
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