「ペルソナ分析」で東南アジア化粧品市場の席巻を狙え!【後編】

プロモーションを行う時、最初に考えることは何でしょうか。ターゲットユーザーは誰か? 商品の強みやメッセージは何か? など、自社商品については十分に注力していたとしても、その先のユーザーのライフスタイルや現状のトレンド、行動背景の把握といったリサーチまで行えているでしょうか。今回、後編では商品メッセージを届けるために使用する“チャネル”(方法)と、届けるために使用する“クリエイティブ”(どのように)という2点に焦点を当てながら、ペルソナの重要性とプロモーションの相互関係を考えていきたいと思います。

【こちらの記事は連載です】
「ペルソナ分析」で東南アジア化粧品市場の席巻を狙え!【前編】

東南アジアで最も使用されているチャネルとは?

東南アジアで最も使用されているチャネルは「Facebook」、その中で特に注目するべき点がFacebookにおけるアクティブ率の高さ。グローバルでの利用率ランキングは、フィリピンとマレーシアが米国に次ぎ同率2位、人口比率に対して98%の人が利用しており、まさにインフラサービスの1つとなっています。その他の国においても、タイは7位で84%、ベトナムは13位で79%、インドネシアは26位で61%となっています。つまり、人口比率に対し半数以上が使用しているという実態がわかります。ちなみに日本は41位、利用率は22%という状況です。

日本のマーケティング実績や手法をそのまま適用すると、せっかく始めたFacebookページの運用においても、各国ごとの運用が必要にも関わらず、ペルソナの大枠をほぼ同じであると認識し、投稿コンテンツも同じという企業もあるかもしれません。ここで大切なのは、ただコンテンツを投稿するだけではなく、各国ごとにFacebookにどのような役割を持たせ、どのような内容にするかを明確にする必要があるということです。

ペルソナを意識「資生堂専科」の『SNS×KOL戦略@ベトナム』

この点において、ベトナムで資生堂が行ったプロモーションが参考になりそうです。「資生堂専科」は、資生堂ブランドの中でも若い女性をターゲットとし、10代後半〜30代前半の女性がメインターゲットとなっている専科ブランドです。現地での商品価格は76,000VND(約380円)、現地での他の化粧品ブランドと比較するとおよそ倍ほどの価格です。それでも、若者世代に受け入れられ、実際に購入してもらうためのブランド作りをするためにはどのチャネルが適切なのか、そして、併せてどのようなムーブメントを起こせばよいか、実際の成功事例を見てみたいと思います。

1、「Key Opinion Leader (以下、KOL)」を活用した動画拡散プロモーション

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人気KOLが専科とコラボ、ポップな音楽に合わせて繰り広げる『手だけダンスの#Senka_Moves』プロモーションは、KOLや有名歌手が参加してキャンペーンを盛り上げました。若い世代への認知度拡大を大きく狙ったSNS活用プロモーションです。 

KOLの動画と併せ、#Senka_Movesのハッシュタグを付けて動画を投稿したユーザーの中から、特典がもらえるサービスを付加価値として、参加を促しています。その特典は、専科セットのギフトと動画に出演する歌手「Min」が参加のイベント招待券がもらえるというもの。SNS利用が盛んなベトナムの若者たちから、一気に注目を集めることに成功しました。またKOLだけではなく、参加ユーザーとしてフォロワー50万人を超えるインフルエンサーも活用、ターゲット層に合わせたインフルエンサーをフル活用したキャンペーンを実現させています。前編で紹介した通り、ベトナム女性は“口コミ”を重視する傾向があるため、知り合いや友達がこのイベントに参加しているのを見て、興味を持つといったユーザー作りへもつながっています。

2、人気Facebookページとコラボした「エンゲージメント獲得」戦略

ベトナムでの人気はインフルエンサーのFacebookだけではありません。人気作家が投稿する4コマ漫画でもフォロワーが約50万人もついているという現状を把握しておく必要があるでしょう。専科が活用したMèo Mộng Mịもその一つ。猫のイラストをモチーフに面白おかしく、ユーモアあふれる内容でコラボレーションブランドの商品を紹介していきます。専科ブランドの商品内容が投稿されたコンテンツでは、1つの投稿に対し4,083のエンゲージメントを獲得しました。

3、オンラインで「オフラインイベント」を盛り上げる

KOLを活用したキャンペーンは、一見オンライン上だけのように見えますが、オフラインへの誘導も忘れてはいません。前述のキャンペーンにおいて参加特典の一つだった「有名歌手のイベントに参加できる招待券」は、実はイベントを盛り上げるという以上にオフラインへ人を呼び込むための仕掛けとなっていました。この動画拡散プロモーションでは、オンラインとオフラインにおいてしっかりとした連動が計画された戦略となっていたのです。

メインターゲットである10代後半〜30代前半の女性のライフスタイルをしっかりと把握することで、彼女たちとブランドの「タッチポイント」が明確になります。実際に専科ブランドは化粧品の購入に関してはFacebookショップから行うユーザーの割合が42%と一番多く、次いで34%のECサイト、ブランドサイトは31%となっています。ブランドサイトのみでなく、Facebookページにこれほど力を注ぐ理由も納得できます。

東南アジアにおけるペルソナ理解の重要性とは?

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東南アジアの国々は、日本から見ると「一つのマーケット」として捉えられる傾向がありますが、実は国や地域によってマーケット・ニーズ・トレンドなどがまったく異なる場所であるということを理解する必要があるでしょう。そしてなぜそのようなマーケットになっているのか? どんなニーズがあるのか? などターゲットを絞って詳細に分析していく必要性があります。

ペルソナ分析を行わずマーケットに飛び出すことは時間とコストの無駄使いになりかねません。「ペルソナを理解する」ことは、単にマーケティングでの最適なターゲットを絞ることだけではなく、プロモーション自体が成功するか否かに大きく関わる重要なキーポイントなのです。そしてそれは、東南アジアマーケットへ進出し、成功するために必要不可欠な要素です。ブランドの特徴を一方的に伝えるだけのプロモーションではなく、一人ひとりに合わせたマーケティングが東南アジアでの成功を導いてくれるのではないでしょうか。

【こちらの記事は連載です】
「ペルソナ分析」で東南アジア化粧品市場の席巻を狙え!【前編】

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【参考URL】
Digital in 2019 : Slide 89、Slide 101
Senka_ Moves
Makeup behaviors and cosmetic market in Vietnam 2018

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