【スタートアップCEOインタビュー】シリコンバレー発!写真プラットフォームビジネス「Keepy」はなぜ強い?【前編】

お絵かきや工作、学校から持ち帰ってくる作品の数々……子育て中の家庭には、創造性あふれる小さな芸術家の作品が、少なからずあるのではないでしょうか。二度と再現できない、世界に一つしかない作品の数々は、制作者である子ども自身にはもちろん、親にとっても宝物。とはいえ、日に日にかさを増していく作品の山をどうすればよいのか、対処に困ってしまう親も多いものです。

こんな子育て家庭にありがちな悩みを簡単に解決し、さらにそのたくさんの作品をより一層楽しむすべを提供してくれるのが“Keepy”というアメリカ・シリコンバレー発の写真・動画共有アプリサービス。本記事ではこのアプリサービスのほか、Keepyを開発、運営する同名のスタートアップ企業のCEO、Offir Gutelzon氏へのインタビューを元に、その独自のサービスとビジネスモデル、マーケティング手法を前後編にわけて紹介します。

子どもの写真や作品をどうするか?は、日本の子育て世代にとっても関心が高いテーマ。Keepy社が日本市場での展開をどのように見据えているかについても、後編最後で触れます。

近年、子どもの作品などは写真に撮り、デジタル化して保存するというワザは一般化してきています。画像として保存しておくことで、実物を処分する罪悪感から解放されるのです。撮りためた画像をプリントして作品集を作成したり、画像をデザイン化してTシャツやマグカップといった雑貨に仕立ててくれるサービスも出てきています。

こうしたトレンドは米国でも同じ。米国の親たちは、子どもの思い出を残しておかなければいけないという強い義務感すらあるとか。そのせいか、子どもの作品などをスマホで撮影し、そのまま保存・整理できる便利なアプリがいくつもあります。今回ピックアップしたKeepyというアプリも、そのひとつです。2013年にサービスを開始し、創業5年目にして全米を中心に、カナダ・オーストラリア・イギリスなど、約120万もの家族に愛用されています。

Keepyについて

Keepy社があるのは、ハイテク企業とスタートアップのメッカ、シリコンバレーの北部端にあるパロアルト市。設立は2013年、社員数5人、資金調達額は1億円のスタートアップ企業です。創業者でCEOのGutelzon氏は、イスラエル出身で2児の父親。当時5歳だったお子さんの作品に感激したことが、この事業のきっかけになったのだそうです。

Gutelzon氏はKeepyに先立つ2008年、「PicScout」という、AIなど先端技術による画像関連ベンチャーをイスラエルで起業。この会社を2011年に写真画像ストックサービスの世界最大手であるGetty Images社に売却し、Gutelzon氏は同社のバイスプレジデント(事業開発担当)を2013年まで務めました。こうした経歴が語るように、彼はいわゆる「シリアルアントレプレナー(連続して起業に成功する起業家)」です。「失敗は早く、数多く経験すべし」が信条だといい、失敗を恐れず突き進むこのスピーディーさが、たて続けに新たなビジネスを立ち上げ成功させる秘訣のひとつといえます。

Keepyは2017年に日本市場に進出。パソコンやスマホのソフトウェア、ハードウェア製品の企画、開発、販売をてがけるソースネクストと業務提携しました。日本でもApp storeやGoogle Playなどでアプリをダウンロードすることができます。

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アプリの特徴

Keepyは、子どもの写真やアート作品などをデジタル保管できるだけでなく、家族や親せきなど内輪だけでSNSのようにコンテンツを共有し、コメントしあうことができるというアプリです。子どもの写真や動画、お絵かきに工作、クラブ活動での賞状やトロフィー、学校の成績表、抜けた乳歯に至るまで、子どもにまつわるあらゆる物を画像として、このデジタルプラットフォーム上に残すことができます。

使い方は簡単。スマホなどiOSかAndroidで作動するデバイスがあれば利用できます。利用者はアプリをインストールし、アカウントを作成します。アイテムをスマホで撮影すると、タイムライン形式で表示されていきます。日時やタグ付けにより「メモリー・プレイリスト」に分別されるので、実物よりも整理がずっと簡単です。キャプションをつける際には、動画や子ども本人による作品解説を録音したナレーションをつけたりすることもできるという遊び心が光ります。コンテンツをより確実に保存したい場合は、クラウド・ストレージのDropboxと同期させておけば、自動的にリンクし、バックアップが万全になるという点も安心です。

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子どもの写真や作品などをオンライン保存・整理するツールは、米国にはいくつかありますが、Keepyのおもしろいところは、祖父母やおじ、おば、友人など、その子の「ファン」とコンテンツを共有でき、投稿されたコンテンツについてコメントし合えるというインタラクティブ性でしょう。Keepyを利用する親は、家族や親友など、子どものアカウントの「ファン」として“招待”します。これを受け「ファン」の一員となった利用者は、新たな投稿があるとメールでお知らせを受け取り、離れて暮らしていても、いつでもその子の作品に触れることができるのです。文字だけでなく音声や動画で感想を述べたり、子どもを激励したりすれば、まるで一緒に子どもの作品を鑑賞し、会話をしているかのようなバーチャル感を楽しめるというわけです。

Keepyにおけるこだわりのもう一点は、Facebookなどに子どもの作品を投稿する場合とは異なり、親戚や友だちなど、自ら招待した「ファン」のみがアクセスできるというプライベート性にあります。“子どもの情報”というプライバシーの重要なテーマを扱う上で、Keepyがこうしたシステムをとったことが「利用者が安心して使えると感じ、支持を得ている」とGutelzon氏は語っていました。

もちろんKeepyではこのほかに、プリントして額装したり、フォトブックをつくったり、雑貨に仕立てたりといったサービスも利用できます。仮想空間上で、子どもの思い出や成長の記録をかつての大家族のように皆で共有でき、また形ある品物として再生することも容易にできるのです。

それでは、このKeepyを世の中に広めるために、どのようなマーケティング施策などを実施してきたのでしょうか。後編に続きます。

●Keepy HP https://keepy.me/
【Keepyアプリは下記よりダウンロードできます】 

●iOS版
https://itunes.apple.com/app/keepy-save-share-your-childs/id647088205?ls=1&mt=8

●アンドロイド版
https://play.google.com/store/apps/details?id=me.keepy&hl=en_US

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