“ツケ払い”は主流になるのか? EC決済の現状

2016年11月にファッションEC大手のZOZO TOWNが「ツケ払い」の導入を開始し、大きな話題となりました。2017年9月にはユニクロ、GUもECでの決済に「後払い方式」を加えるなど、いま広がりを見せる新たな決済方式についてご紹介します。

実は以前からあったECの後払いとその仕組

上記の通り、ZOZO TOWNの「ツケ払い」の発表で話題になった後払いですが、それ以前から一部のアパレル、コスメ系ECなどでは、既に導入が進んでいました。それまでの「後払い」とZOZO TOWNの「ツケ払い」は基本的には同様の仕組みで、後払いサービスを提供している事業社のシステムを各ECが利用する形になります。
大まかな仕組みは以下の通り。

  1. 1.ユーザーが支払い方法に「後払い」を選択してECで商品購入
  2. 2.ユーザーの与信情報を後払いサービスの提供事業社に照会
  3. 3.与信が通ればEC事業社からユーザーに商品発送
  4. 4.後払いサービス事業社はユーザーに請求書を発送、EC事業社に売上支払い
  5. 5.ユーザーがコンビニ、銀行、郵便局等で代金支払い

後払いサービス事業社は月額の固定費と、決済毎の手数料でシステムを運営します。

後払いサービスの利用メリットとは?

各社導入を進めている後払いサービスには具体的にどのようなメリットがあるのかをご紹介します。

【ユーザー側メリット】
クレジットカードを使わずにECを利用できる

クレジットカードを持っていない人、または利用しようとしているECサイトへのクレジット情報を躊躇してしまうケースでは、クレジットカードを使わずに決済できるのは大きなメリットとなります。クレジットカードを使わずにECを利用する際には、「代引き」という選択肢もありますが、いま代引きを選択できるECが減っているという点と、商品受け取り時に家にいる必要がある点などから、より自由度の高い支払いができる「後払い」はユーザーメリットが大きくなります。

手持ちのお金が無くても購入できる

これは賛否のあるユーザーメリットとなりますが、いま手持ちのお金、そしてクレジットカードを持っていなくても商品の購入ができます。購入(または商品到着)から数週間から長ければ2ヶ月程度までに支払えば問題がありません。

EC側メリット】
ユーザーを拡大できる

決済方法の選択肢は、ユーザーがECを選定する大きな理由のひとつとなります。後払いの導入により自社ECの利用ユーザーを増やすことが出来ます。

商品を即座に発送できる

銀行やコンビニ振込みなどでは、通常入金確認を行ってからの商品発送となります。しかし、後払いの場合は与信が通った時点で即座に商品発送を行えるため、入金確認や在庫・発送管理の手間を削減することができます。

今後ECの後払いはさらに拡大するのか?

メリットが多い後払いサービスですが、懸念される材料や今後の拡大のボトルネックとなる要因もあります。
大きなところでは今後規制が導入される可能性がある点です。基本的に後払いはクレジットカードを持っていないユーザー利用するサービスのため、若年層や支払能力が十分でないユーザーの割合がクレジット決済より高いことが想定されます。利用者が増え、支払い不可に陥るケースが発生することで、何らかの規制が検討される可能性があります。しかし、それを想定し多くの後払いサービスでは利用可能枠を数万円の範囲内に収める対処が既に取られています。

もうひとつはクレジット決済の安全性の向上。自身のクレジットカード情報を登録することに抵抗がある場合でも、PayPalの様な信用性の高い第三者サービスを経由することで、安全にクレジット決済を行うことが可能です。

以上のように懸念点もありますが、1万円前後などの少額決済がメインとなるECでは、今後ますます後払いが広がっていきそうです。

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